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乗り継ぎの奇跡Ⅱ~東南アジア周遊編(33)

・・前回の続き


『エッ、名古屋行きはもう閉まりましたよ!』
『たぶんもう無理ですけど、一応Eチケットを見せてもらえますか・・』

この非情な返し言葉に僕もかなり焦った。
しかしサイゴンからのフライトが大幅に遅れたことは航空会社側に要因があり、僕に一切の否はない。
カウンタ-越の女性職員は、必死の形相で、僕等のチェックイン手続を進めてくれた。
既に搭乗は8時半から始まっているが、僕等は8時45分ようやくチェックインを終える。

日本人の男性職員に急かされ、手続きラインまで彼の背中を追って走る。
僕と嶺花は、男性職員から渡された紫色のシ-ルを胸に付けている。
これは、切羽詰まった状況を示している証、で空港関係者にはこのシ-ルの意味することが分かるらしい。
入国審査、荷物検査と並んでいる列を無視し、胸のシ-ルを指さし、強引に進んでいく。

無事出国審査を終え、搭乗ゲ-ト目指して全力で走る。
間に合ってくれ・・。
後ろをつける嶺花のことなど、一切気にかけている余裕はない。
慌てふためく僕等の姿に、ゲ-ト215番の職員が手招きをして叫び出した。
『ナゴヤ!ナゴヤ!』

搭乗ゲ-トでの最終チェックも無事終え、これで確実に飛行機に乗れると安堵した。
広い空港敷地内、タ-ミナルビルの外に出る。
遠く離れた滑走路でスタンバイする飛行機までは、専用のバスで移動する。
この時間に及んでも、まだ飛行機に乗っていない乗客がいたことが幸いした。

そして9時、飛行機に乗り込む。
9時13分機体はゆっくり動き出し、9時36分MU529便は名古屋に向けて離陸した。
CIMG3189_convert_20150210114518.jpg
なんとか間に合った
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機内食

あの場面で何気ない一言を掛けなかったら、今頃まだ呑気にチェックインカウンタ-に並んでいたのかもしれない。
それに、もし預け荷物を持っていたら、まずこうして間に合わなかっただろう。
奇跡とは偶然か必然か・・。
僕等は寸前のところでフライトに間に合い、飛行機は何事もなかったように上海を飛び発った。

そして、現在12時30分。
飛行機は一気に高度を下げてきた。
間もなく、着陸体勢に入る。
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日本だ!

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| '14東南アジア周遊編 | 17:45 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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