ホイアンからの夜行バスで到着したこの町も、生憎の雨模様だった。
傘を差し、町を歩く。
現在地をつかもうと道を訊きながら南下しているが、今一現在地がよく分からない。
30分歩いたところで声を掛けてきたのが、バイクタクシ-。
『10㌦のホテルがあるから、この2台に乗りな!』
・・ウム。
これはいかん、ホイアンと同じパタ-ンだ。
無視して歩き去ろうとすると、そのうちの1台が後から付いてきた。
『OK!1台10000D!』
おっ、それは安いじゃないか・・。
金額を念押しして、バイクに跨る。
こうして連れてこられた1軒のホテル、入り込んだ場所にあり自力では知り得ないだろう。
部屋は意外と良く、受付の青年の好印象もあり、即決でここに決める。
1泊10㌦を値切り9㌦に、値切ることは既に僕等の旅の大前提となってきた。
部屋にはTV、トイレ、ホットシャワ-が付いている。
TVもシャワ-もホイアンと違い、見かけ倒しでなく調子もいい。
そして何よりエアコンが、最終的に一番役に立った。
蒸し暑く感じる室内、風が強く体感温度を一気に奪ってしまう部屋の外。
この難しい体温調整を、エアコンが上手くこなしてくれる。
まずはシャワ-を浴びた後、嶺花に昨日の日記を書かせ、ようやく町に出る。
ビ-チで海水に足をつけ、直ぐにバスの予約オフィスへと向かった。
何とか予約オフィスを見つけ出し、最後の町サイゴンへのバスを無事確保。
ニャチャンビ-チ 南国リゾ-ト
波はかなり大きく 悲鳴を上げ逃げ回る
波に立ち向かうのが、ここでの楽しみ方朝の充実した食事に大満足し、食後はコ-ヒ-屋台へ。
この町にはコ-ヒ-屋台が多く、わざわざこちらから探す必要もない。
どこも1律10000Dと、値段も決して高くはない。
僕はいつもミルク入りのアイスコ-ヒ-を頼んでいる。
濃厚で深い苦みがあって、実に美味い。
前日の日記を書きながら、ちびちび飲むのが最近の日課となっている。
朝食(BBQ、目玉焼き、ライス)ベトナムではビアホイに期待していたが、ハノイ以来、一切目にしていない。
時代の経過とともに、ベトナムも良くも悪くも変化しつつあるようだ。
高いビ-ルでは飲む気にはなれず、このコ-ヒ-の存在が僕にとっては重要となる。
ビ-チ沿いを歩きひたすら北上、4km離れたホンチョン岬を目指し歩いている。
海沿いは風が強く、メガネは直ぐに砂埃で曇ってきた。
気候は温暖でTシャツに半ズボンでも充分、久々に半ズボンの登場となった。
波は大きくうねりを上げた直後、浜辺の砂を洗い、静かに消えていく。
水着姿の観光客は背丈大の高波を、果敢にも真正面から受け、流されることを楽しんでいる。
このビックウェ-ブでは、泳ぐなんてことは、まずもって無理な話だ。
大きな橋を渡ると、岬は近い。
陸からひょっこり突き出た小さな岬には奇岩が多く、自然が造り上げた光景に目が忙しい。
昼になり、風が一層強まってきた。
猫の手
怪獣の足
サイコロ石昼食をとるのが遅くなってしまった。
15時半、先程食堂で買っていた持ち帰りのおかず飯を、バインセオ屋台で取ることとする。
こうして場所を提供してもらってはいるが、この昼食の中でバインセオの存在は薄い。
バインセオを焼く
昼食(食堂のおかず飯と汁、屋台のバインセオ)ポ-・ナガル塔。
ここは、9世紀初めに建立されたチャンパ寺院の遺跡である。
夕方になると風も更に強まってきて、もうこの薄着姿では外に立っていられない程だ。
ポ-・ナガル塔
祈る人々 男のシンボル
彫刻 鮮やかな女神像帰りは別の橋を渡り、市街地を散策しながら、さまようように町を南下した。
観光客の集まる南部とは違い、北部はロ-カル食が色濃く、安食堂も多かった。
夕食をとり、夜のネオン輝くチャンフ-通りを歩き、ホテルへと戻った。
川の中に岩2つ
夕食(肉、卵、野菜、ライス)とにかく、風が強い。
これは海沿いに限らず、昼を過ぎると町は強い風に終始さらされていた。
日が暮れるにつれその勢いは増し、これが日常だとすればこの町の人は大変だろうな・・
半分他人事のように、心の中で思った。
イルミネ-ション
夜のチャンフ-通りニャチャン・KHANH BINHホテル泊-9$バイタク(10000D) 朝食(おかず飯25000D×2) コ-ヒ-(10000D) ホンチョン岬(入場料21000D、子供フリ-) 昼食(持ち帰りおかず飯20000D×2、バインセオ2000D×4) ポ-ナガル塔(入場料21000D、子供フリ-) ロッテリア(ソフトクリ-ム3000D×2) 夕食(おかず飯15000D×2) 計196000D