冬を待つ穂高~後編
【山域】奥穂高岳(3190m)、涸沢岳(3110m)
【日時】平成23年11月12日
【天候】晴れ
【岳人】岳登(小6)、僕
・・前回の続き
奥穂高岳(9:49、10:40) 最高の景色だが、何せ寒い。ケルンを風除けに、ポテトチップスのロング缶で登頂を祝う。稜線が凍り付くようなこのコンディションでは、ジャンダルムまで行くのは無理だ。ここまで来るだけでも、結構びびった。360度広がる大パノラマにしばし言葉を失う。飛騨山脈(北ア)の名峰は大概見え、遥か彼方の富士山まで遠方に望めた。しかし心のどこかで山頂直下の難所が頭をよぎり、心の底から感慨に浸る事は出来ない。何とか無事、生きて山荘まで下らなければならない。

槍ヶ岳へと連なる境界尾根

境界尾根 ※画像クリックで拡大

燕、大天井、常念岳・・

黒部五郎、薬師、鷲羽、水晶、赤牛岳・・

前穂高の後方に富士山

上高地梓川と霞沢、焼岳

ジャンダルム

広々とした奥穂山頂部
意を決して下山にかかる。山頂神社の祠に手を合わせ、運命を山ノ神に託す。直ぐに現れたな、問題の難所。まず僕が危なげなく慎重にクリア。下から岳登の補助に回り、二人共何とか最大の難所を通過。ヤレヤレ、これで生きて帰れそうだ。しかし、その後も油断ならない。凍り付いた岩稜の下り、鎖場、梯子を順に交わし、無事穂高岳山荘まで下りて来た。

来年こそ、新穂高から奥穂西穂を日帰りしような

今回の核心部

左に笠を従え

正面には槍
穂高岳山荘(11:19) ここまで来れば安心だ。引き続き、向かいに聳える涸沢岳へと登りにかかる。こちらは雪もない安全な登山道、少し心が和む。

雪下ろし不要 ※雪の間から見えるのが涸沢岳、右の建物は冬期避難小屋

前穂を背に

振り返れば奥穂
涸沢岳(11:38、11:43) 山頂では2ヶ月前には見る事の出来なかった素晴らしい眺望が、僕等を易しく迎え入れてくれた。薄い粉雪をまとった前穂高岳の眺め、特に深く心に残った。

涸沢岳

笠ヶ岳を包む流れ雲

前穂高岳と涸沢カ-ル
穂高岳山荘(11:57、12:20) 穂高岳山荘まで下り、ヘリポ-トに腰を下ろし昼食タイム。山荘も閉まっていれば、テント場にも稜線にも僕等以外誰もいない。静まり返る11月の稜線を二人占め、贅沢な時間が過ぎていく。そしていよいよ下山。吸い込まれそうな岩場地帯を軽快に下って行く。ここで本日初めての登山者と擦れ違う。軽装の格好からして日帰りだろうか、下山は遅くなりそうだな・・。更に単独行、上で泊まると言う。結局本日出会ったのは、この下りで見かけた二人だけだった。

ヘリポ-トは絶好の展望台

下山開始
荷継沢(13:29、13:35) 水の無い荷継沢で一休み。視界がない際、ここを誤って下ってはならない。沢を渡り、対岸の登山道に取り付く。次の沢は水量が豊富。この先白出岩切道の難所を迎えるが、やはり下りの方が断然怖い。往路の上りには感じなかった恐怖心も、復路の下りにはかなりある。岩や木の根はよく滑り、気を抜けば転倒して崖から落っこちてしまう。油断禁物、全神経を集中して通過。そして、ようやく沢へ下りる最後の梯子が見えてきた。だが梯子に足の踏み場はなく、最後の最後まで気が抜けなかった。

水量豊富

白出岩切道の下り、岩や鎖が滑りかなり緊張

重太郎橋に足場を占領され苦戦
重太郎橋跡(14:19、14:33) 岩に腰掛け、ようやく稜線の余韻が訪れてくる。後は林道までの森歩き。相変わらず岩や木の根は滑り油断ならなかったが、林道まではそれ程遠くは感じなかった。

プレ-ト
白出分岐(15:10) 珍しく今日は調子がいい。白出分岐、穂高平と快調に通り越し、明るい時間帯にゴ-ルを迎える事が出来た。

右俣林道
新穂高登山者駐車場(16:31) 程よく疲労感が残り、充実感も満ち溢れている。先週の無念を、少しは晴らせただろう。来週も天候が良ければ、笠ヶ岳、緑ノ笠と地元の稜線を歩いてきたい。

新穂高登山者駐車場
帰宅後、実家で手作りのカレ-とチャパティを食べた。手で食べると、やはり断然美味い。口と手の両方の触感で味わっているからだろう。子供達はどうせ汚すのだから、最初から上半身は裸にさせた。真面目な穂乃花は親の言う事を律儀に守り、不浄の左手は最後まで後ろに回し、右手だけで楽しそうに食べていた。その姿がやけに初々しかったが、彼女にとっては半分泥遊びのような感覚なのかもしれない。

右手を使いこなす穂乃花

かぶりつく嶺花

インドが懐かしいかい
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【日時】平成23年11月12日
【天候】晴れ
【岳人】岳登(小6)、僕
・・前回の続き
奥穂高岳(9:49、10:40) 最高の景色だが、何せ寒い。ケルンを風除けに、ポテトチップスのロング缶で登頂を祝う。稜線が凍り付くようなこのコンディションでは、ジャンダルムまで行くのは無理だ。ここまで来るだけでも、結構びびった。360度広がる大パノラマにしばし言葉を失う。飛騨山脈(北ア)の名峰は大概見え、遥か彼方の富士山まで遠方に望めた。しかし心のどこかで山頂直下の難所が頭をよぎり、心の底から感慨に浸る事は出来ない。何とか無事、生きて山荘まで下らなければならない。

槍ヶ岳へと連なる境界尾根

境界尾根 ※画像クリックで拡大

燕、大天井、常念岳・・

黒部五郎、薬師、鷲羽、水晶、赤牛岳・・

前穂高の後方に富士山

上高地梓川と霞沢、焼岳

ジャンダルム

広々とした奥穂山頂部
意を決して下山にかかる。山頂神社の祠に手を合わせ、運命を山ノ神に託す。直ぐに現れたな、問題の難所。まず僕が危なげなく慎重にクリア。下から岳登の補助に回り、二人共何とか最大の難所を通過。ヤレヤレ、これで生きて帰れそうだ。しかし、その後も油断ならない。凍り付いた岩稜の下り、鎖場、梯子を順に交わし、無事穂高岳山荘まで下りて来た。

来年こそ、新穂高から奥穂西穂を日帰りしような

今回の核心部

左に笠を従え

正面には槍
穂高岳山荘(11:19) ここまで来れば安心だ。引き続き、向かいに聳える涸沢岳へと登りにかかる。こちらは雪もない安全な登山道、少し心が和む。

雪下ろし不要 ※雪の間から見えるのが涸沢岳、右の建物は冬期避難小屋

前穂を背に

振り返れば奥穂
涸沢岳(11:38、11:43) 山頂では2ヶ月前には見る事の出来なかった素晴らしい眺望が、僕等を易しく迎え入れてくれた。薄い粉雪をまとった前穂高岳の眺め、特に深く心に残った。

涸沢岳

笠ヶ岳を包む流れ雲

前穂高岳と涸沢カ-ル
穂高岳山荘(11:57、12:20) 穂高岳山荘まで下り、ヘリポ-トに腰を下ろし昼食タイム。山荘も閉まっていれば、テント場にも稜線にも僕等以外誰もいない。静まり返る11月の稜線を二人占め、贅沢な時間が過ぎていく。そしていよいよ下山。吸い込まれそうな岩場地帯を軽快に下って行く。ここで本日初めての登山者と擦れ違う。軽装の格好からして日帰りだろうか、下山は遅くなりそうだな・・。更に単独行、上で泊まると言う。結局本日出会ったのは、この下りで見かけた二人だけだった。

ヘリポ-トは絶好の展望台

下山開始
荷継沢(13:29、13:35) 水の無い荷継沢で一休み。視界がない際、ここを誤って下ってはならない。沢を渡り、対岸の登山道に取り付く。次の沢は水量が豊富。この先白出岩切道の難所を迎えるが、やはり下りの方が断然怖い。往路の上りには感じなかった恐怖心も、復路の下りにはかなりある。岩や木の根はよく滑り、気を抜けば転倒して崖から落っこちてしまう。油断禁物、全神経を集中して通過。そして、ようやく沢へ下りる最後の梯子が見えてきた。だが梯子に足の踏み場はなく、最後の最後まで気が抜けなかった。

水量豊富

白出岩切道の下り、岩や鎖が滑りかなり緊張

重太郎橋に足場を占領され苦戦
重太郎橋跡(14:19、14:33) 岩に腰掛け、ようやく稜線の余韻が訪れてくる。後は林道までの森歩き。相変わらず岩や木の根は滑り油断ならなかったが、林道まではそれ程遠くは感じなかった。

プレ-ト
白出分岐(15:10) 珍しく今日は調子がいい。白出分岐、穂高平と快調に通り越し、明るい時間帯にゴ-ルを迎える事が出来た。

右俣林道
新穂高登山者駐車場(16:31) 程よく疲労感が残り、充実感も満ち溢れている。先週の無念を、少しは晴らせただろう。来週も天候が良ければ、笠ヶ岳、緑ノ笠と地元の稜線を歩いてきたい。

新穂高登山者駐車場
帰宅後、実家で手作りのカレ-とチャパティを食べた。手で食べると、やはり断然美味い。口と手の両方の触感で味わっているからだろう。子供達はどうせ汚すのだから、最初から上半身は裸にさせた。真面目な穂乃花は親の言う事を律儀に守り、不浄の左手は最後まで後ろに回し、右手だけで楽しそうに食べていた。その姿がやけに初々しかったが、彼女にとっては半分泥遊びのような感覚なのかもしれない。

右手を使いこなす穂乃花

かぶりつく嶺花

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| '11山行記録 | 08:00 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑