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静かなる南嶺(3)

【山域】笹山南峰(2717m)、笹山北峰(2733m)、白河内岳(2813m)、大籠岳(2767m)、広河内岳(2895m)、農鳥岳(3025m)、西農鳥岳(3050m)
【日時】平成23年10月10日
【天候】晴れ
【岳人】岳登(小6)、僕


2日目

幕営地(5:45)  天幕の朝が来た。設営した場所は風除完璧、そして寒さ対策万全の着込みの甲斐もあり、非常に暖かい夜だった。だが年々体の大きくなっている小6の岳登と一緒では、僕の小さなモンベルでは限界も近くなっていた。テントの中でまずは目覚めの一杯、そして撤収にかかる。荷造りを終え準備体操をしていると、大籠岳の方からベルを鳴らした単独行が下りて来た。昨日大籠岳直下で見た幕営者だろう。彼より少し遅れて、僕等も2日目の山行を始めた。既に太陽は昇り、ヘッドライトはもう必要ない。稜線を少し進むと、東の空に富士山が見えた。赤みを帯びた空、雲に浮かび上がる富士の雄姿は本当に様になる。西の空には昨日から度々拝んでいる塩見岳が、まだ訪れていない僕等親子を手招きして呼んでいる。今日はすこぶる気分がいい。それは明らかに富士山のお陰だろう。進む先の稜線も秋の色を抱き、僕等の通過を笑顔で待ってくれている。赤い富士、白い富士、もう堪んない。先行する単独行を追うように、僕等も広河内岳の頂に立った。
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爽快な朝
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縦走開始
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東の眺望  ※常に富士山
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西の眺望  ※常に塩見岳
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最高の気分
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赤富士
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広河内、農鳥岳へと続く南嶺尾根  ※右端に北岳も見える
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白富士

広河内岳(6:52、7:13)  眺望は文句なし。最近南アルプスにはツキがあるようだ。木曽山脈の北の彼方には、槍穂の勇敢な稜線が目に入る。大キレットも良く分かる。その素晴らしい眺望に、明らかに岳登の表情も緩んでいる。山頂でのんびり休んでいると、農鳥方面からの来頂者が数名やって来た。さすがにここまで来れば、人の気配が多いに漂っている。
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広河内岳  ※後方は蝙蝠、塩見、仙塩尾根
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木曽山脈

大門沢下降点(7:39、7:49)  帰りに使う大門沢下降点まで下り、僕のザックにカバ-をかけてデポ。安全大国日本と言えど、盗難に備え策は講じるべきである。

農鳥岳(8:17、8:23)  広い農鳥岳の山頂には大きな三角点が鎮座。白峰三山の一角を担うだけあり、ここから望む間ノ岳、北岳は一層近い。しかし僕等の本命は脇役の西農鳥岳。こちらの方が標高が高く、百高山となっているのだ。何度かアップダウンを繰り返し、農鳥小屋分岐まで到達。
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農鳥岳
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鳳凰三山

農鳥小屋分岐(8:51、9:08)  この分岐が西農鳥岳だと思っていたが、三角点や標柱等、山頂を示すものは何もない。ここに至るのに通ってきた2つのピ-クの方が明らかに高く見える。念の為確実に写真だけ撮り、ついでに南に延びる尾根へも足を延ばす。だが残念ながら、そこにも何もなかった。凄まじい強風が剥き出しの稜線に吹き付け、ザックから取り出した空のビニ-ル袋がたて続けに空に飛び散った。どうもこの分岐が西農鳥岳とは到底思えない。戻った先の2つのピ-クに続けて立ち、写真を撮りまくる。どれが山頂なのか分からないが、4箇所も撮れば間違いなくどれかに納まっているだろう。狭い稜線や頂、体の小さな岳登では簡単に吹き飛ばされ、滑落だって充分有り得る。緊張感の抜けた岳登は、激しく親父の鉄拳を喰らい顔面も悪い。
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農鳥小屋分岐
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農鳥小屋、間ノ岳、北岳へと重厚な稜線が続く
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農鳥小屋分岐から振り返る2つのピ-ク  ※右端が農鳥岳、その奥に富士山
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西農鳥岳ピ-ク1
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西農鳥岳ピ-ク2
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赤石山脈の大展望  ※塩見、蝙蝠、荒川、赤石、聖岳等何でも来い

大門沢下降点(10:03、10:21)  農鳥岳まで戻って来た頃には岳登の機嫌も回復し、ザックを置いていた大門沢下降点でようやく梨をかじる。農鳥の稜線では風が強くて、呑気に梨をかじれる状況ではなかったのだ。モニュメントのベルを鳴らし、南嶺と涙の別れ。下山にかかる。目の前には富士の雄姿が常に目に入ってくる。なんという素晴らしい下山道、クセになりそうだ。
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大門沢下降点
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下山道はナイスビュ-  ※大門沢まで富士山がお供してくれる

大門沢(11:29、12:05)  大門沢で昼食とする。この時期、山行2日目のおにぎりは少し堅いが、夏場の粘々よりはまだマシだ。偉そうに、岳登がそう言っていた。何より1合サイズの特大おにぎりは腹持ちが良く、僕等の山行には欠かせない。奈良田から苦労して担いできた大量の水。結局2~3ℓも余ったが、水は命の次に大切なもの。無駄に担いだとは全く思っていない。富士山の雄姿が見れたのは、この場所が最後となった。
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大門沢

大門沢小屋(12:36)  奈良田へは沢沿いの登山道を辿る。目印も多く、さすが人気の一般ル-トである。随所に標識もあり、不気味な面の茸も目を楽しませてくれた。
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秋の清流

標高1585m(13:15、13:25)  小尾根を巻き、急坂を下る。山の地図に記載された通りであったが滑落したら大変、決して気の抜けない要所であった。沢まで下り、巨大な岩の脇を通過。待ち望んだ吊橋はその先にあった。

吊橋(14:15、14:33)  休憩後、吊橋を渡る。川との高低差もあり、何せ通路の幅が狭い。吊橋なので当然揺れるし、足元やサイドの安全策も施されていない。高所恐怖症の僕にとっては、拷問のような代物であった。そんな恐ろしい吊橋を2つ通過し、意を決して挑んだ3つ目の吊橋は何とも立派な橋だった。無事3つの吊橋を終え、工事用道路に出る。広河内庵と名乗るログハウスには塩分補給の為の飴の無料サ-ビスがあった。工事の方の配慮だろうか・・、その心遣いに感激。ここからは未舗装の林道歩きとなる。遥か高所には先程まで歩いていた農鳥の稜線が、まるで他人事のように下界を見下ろしている。この先直ぐ現れる休憩小屋には登山ポストやテ-ブル、丸太のイスが備え付けられているが、広河内庵の後では少し寂しさを覚えた。
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2つ目の吊橋  ※先日のジャンダルムより緊張した
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3つ目の吊橋  ※ここだけ同時通行出来る程安定している
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広河内庵

県道ゲ-ト(15:20、15:25)  まだかまだかと踏ん張って歩き、ようやく林道ゲ-トが見えてきた。その奥には登山者の駐車が1台。ここに停める手もあるのだな。そして県道と合流。ここは県道南アルプス公園線、奈良田から広河原、北沢峠へと延びている。県道トンネル手前に重厚なゲ-トがあり、一般車の乗り入れは出来ない。
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県道南アルプス公園線と奈良田橋

奈良田第一駐車場(15:50)  奈良田橋、丸山林道分岐を経て、大満足の山行は幕を閉じた。駐車場で着替えを済ませ、奈良田の里温泉(大人500円、小学生200円)で2日分の汗を流す。泉質はヌルヌル感を帯びた中々のものだ。内風呂から窓越しに望む大きな吊り橋。その先には発電所があり、その通気口は山腹の上部まで延びている。初日に歩いた手摺のある道だ。僅か昨日の事なのに、既に過去の思い出となっている。明日は平日だが今日は無理して帰らない。築いたばかりの思い出話を肴に、美味しい寿司を食べ、酒を飲み道の駅白州に泊まる。そして明日の未明、一気に家路へと移動する。
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奈良田第一駐車場


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