静かなる南嶺(1)
【山域】笹山南峰(2717m)、笹山北峰(2733m)、白河内岳(2813m)、大籠岳(2767m)、広河内岳(2895m)、農鳥岳(3025m)、西農鳥岳(3050m)
【日時】平成23年10月9日
【天候】晴れ
【岳人】岳登(小6)、僕
1日目
奈良田第一駐車場(4:53) 山行前日7時間半かけ、ようやく奈良田へと到着。高速道路を走ればこんなに疲れなくていいが、自分の道楽に無駄なお金を払う気は更々ない。この奈良田が僕等にとっては、最も遠い登山口となる。是が非でも、何とか1回で終わらせなければならない。今回僕等が稜線まで登るル-トは、最近開設されたという噂のダイレクト尾根。山の地図にも載っていなく、存在を知る人は少ない。僕もWEBで情報を掻き集め、今回挑んでいる。翌朝ヘッドライトの明かりを頼りに、未知の白峰南嶺の領域へと足を踏み入れる。長い吊橋を渡るが、暗闇で足元は見えず怖さはない。橋を渡り切ると”笹山”の案内板に導かれ左に折る。道なりに進むと川に出た。渡り易い場所を選び、僕は飛び石で軽く渡渉をこなす。しかし岳登にはどうしても越えられず、周囲一帯渡れそうな場所を探すが妥当な場所がない。結局靴を脱ぎ、無難に川を渡った。時間はかかったが中々の判断だ。自信がなければ絶対に挑んではならない。山では一度の失敗が命取りとなる。川なら靴を濡らすぐらいで済むのだが、稜線なら滑落となり重大事故となる。無事渡渉を終え、ヘッドライト撤収。発電所の構造物に沿って右へ進むと、”笹山登山口”の標識が目に付いた。

奈良田

長い吊橋で対岸へ

渡渉に苦戦する岳登 ※結局上流で靴を脱いだ

工事用道路 ※対岸は県道37号線
笹山登山口(5:39) どんな登山道なのだろう・・とかなり心配していたが、無駄とも思える程立派な手摺が延々と上部に続いていた。『稜線まで続いているのかな~』、岳登はそう呟いたがそんな筈はない。やがて長らく続いた手摺は僕の予想通り終焉を迎え、そこが発電所の施設であった。ここに至る為の手摺、そしてここまでの施設巡視路を援用したダイレクト尾根となるようだ。この先登山道は急変、一気に険しい斜面の薄い踏み跡となる。背中に汗も感じたが、どうも道を反れていたようだ。正規のル-トに取付くと意外と道は安定しており、目印も多く、迷いはほぼ無縁であった。

笹山登山口

発電所施設
標高1250m(6:47、6:58) 稜線への直登尾根はコンクリ-ト杭の境界標に沿って延びている。どうも尾根が筆境となっているようだ。今日は稜線まで標高にして2000mの登り、登山口の標高が低いと結構堪える。先行の岳登、続く僕。急登に喘いだ岳登が尾根上で立ち止まり、ふと後ろを振り向いた。
水場標識(8:07、8:53) 危なかった。肝心な水場に気付かず通り越すとこだった。一応水は6ℓ担いでいるが、ここでの追加補給も当てにしている。水場入口の案内標識は視線の高い位置に掲げられており、登る登山者には気付き難い。標識のその向きも尚更である。下山者にはあまり意味のない水場なので、登る人を意識した配置の方がいいだろう。ここを通り越さない為の目印としては、直前に現れた焚き火の跡。急な斜面を延々とトラバ-スし、貴重な谷筋に出た。水量は細いが、何とか2.5ℓ補給完了。登山道の標識から空身で往復20分かからなかった。

水場入口標識 ※登る人には気付き難い

斜面をトラバ-ス ※随所に目印はあるが若干分かり難い

谷水は細い ※基本水は最初から担いで来た方がいい

尾根道 ※テント行は想い想いの場所に幕営、これが南嶺縦走の醍醐味
標高2100m肩(10:21、10:30) 急な尾根道は更に続き、登りが苦手な岳登はかなり遅れている。彼自身3年生の時からザックは変わっていなく、辛い訳がない。単にヘボイだけだろう。奥穂の白出を根性で登り切った妹の穂乃花を見習え!木に巻かれた目印の赤テ-プには”標高2100m肩”の文字。僕の高度計は丁度-100mの誤差のようだ。切り立った崩落地や標高2256mの案内標識を越え、更に奥へと進んで行く。またもや焚き火の跡が現れ、周囲は立派なテント地となっていた。中々良い場所だが、幕営するには中途半端な場所と言える。登り切るか、下りてしまった方がいい。

標高2100m肩

真新しい標識

狭い樹木を抜け
標高2370m(11:28、11:38) ヘボイ岳登を嘲笑っていたが、僕も釣られてへボクなってきた。欠伸に釣られるようなものである。擦れ違う下山者も2、3組。いよいよ稜線も近いか・・。僕の高度計も標高を充分に満たし、終に稜線まで登り詰めた。待望の白峰南嶺の登場である。
笹山南峰(12:42、13:00) お~、ここがあの笹山か・・。僕等にとっては百高山で最も遠い場所、登頂の喜びも一入だ。先程追い抜かせてもらった年配の単独行は笹山で幕営と言っていた。広い山頂にはテント跡もあるが、もろに風を受けそうなロケ-ション。伝付峠への案内標識もあり、そこを辿れば南嶺は更に南へと尾根を延ばす事になる。

笹山南峰

広い山頂部にテント跡
つづく・・
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【日時】平成23年10月9日
【天候】晴れ
【岳人】岳登(小6)、僕
1日目
奈良田第一駐車場(4:53) 山行前日7時間半かけ、ようやく奈良田へと到着。高速道路を走ればこんなに疲れなくていいが、自分の道楽に無駄なお金を払う気は更々ない。この奈良田が僕等にとっては、最も遠い登山口となる。是が非でも、何とか1回で終わらせなければならない。今回僕等が稜線まで登るル-トは、最近開設されたという噂のダイレクト尾根。山の地図にも載っていなく、存在を知る人は少ない。僕もWEBで情報を掻き集め、今回挑んでいる。翌朝ヘッドライトの明かりを頼りに、未知の白峰南嶺の領域へと足を踏み入れる。長い吊橋を渡るが、暗闇で足元は見えず怖さはない。橋を渡り切ると”笹山”の案内板に導かれ左に折る。道なりに進むと川に出た。渡り易い場所を選び、僕は飛び石で軽く渡渉をこなす。しかし岳登にはどうしても越えられず、周囲一帯渡れそうな場所を探すが妥当な場所がない。結局靴を脱ぎ、無難に川を渡った。時間はかかったが中々の判断だ。自信がなければ絶対に挑んではならない。山では一度の失敗が命取りとなる。川なら靴を濡らすぐらいで済むのだが、稜線なら滑落となり重大事故となる。無事渡渉を終え、ヘッドライト撤収。発電所の構造物に沿って右へ進むと、”笹山登山口”の標識が目に付いた。

奈良田

長い吊橋で対岸へ

渡渉に苦戦する岳登 ※結局上流で靴を脱いだ

工事用道路 ※対岸は県道37号線
笹山登山口(5:39) どんな登山道なのだろう・・とかなり心配していたが、無駄とも思える程立派な手摺が延々と上部に続いていた。『稜線まで続いているのかな~』、岳登はそう呟いたがそんな筈はない。やがて長らく続いた手摺は僕の予想通り終焉を迎え、そこが発電所の施設であった。ここに至る為の手摺、そしてここまでの施設巡視路を援用したダイレクト尾根となるようだ。この先登山道は急変、一気に険しい斜面の薄い踏み跡となる。背中に汗も感じたが、どうも道を反れていたようだ。正規のル-トに取付くと意外と道は安定しており、目印も多く、迷いはほぼ無縁であった。

笹山登山口

発電所施設
標高1250m(6:47、6:58) 稜線への直登尾根はコンクリ-ト杭の境界標に沿って延びている。どうも尾根が筆境となっているようだ。今日は稜線まで標高にして2000mの登り、登山口の標高が低いと結構堪える。先行の岳登、続く僕。急登に喘いだ岳登が尾根上で立ち止まり、ふと後ろを振り向いた。
水場標識(8:07、8:53) 危なかった。肝心な水場に気付かず通り越すとこだった。一応水は6ℓ担いでいるが、ここでの追加補給も当てにしている。水場入口の案内標識は視線の高い位置に掲げられており、登る登山者には気付き難い。標識のその向きも尚更である。下山者にはあまり意味のない水場なので、登る人を意識した配置の方がいいだろう。ここを通り越さない為の目印としては、直前に現れた焚き火の跡。急な斜面を延々とトラバ-スし、貴重な谷筋に出た。水量は細いが、何とか2.5ℓ補給完了。登山道の標識から空身で往復20分かからなかった。

水場入口標識 ※登る人には気付き難い

斜面をトラバ-ス ※随所に目印はあるが若干分かり難い

谷水は細い ※基本水は最初から担いで来た方がいい

尾根道 ※テント行は想い想いの場所に幕営、これが南嶺縦走の醍醐味
標高2100m肩(10:21、10:30) 急な尾根道は更に続き、登りが苦手な岳登はかなり遅れている。彼自身3年生の時からザックは変わっていなく、辛い訳がない。単にヘボイだけだろう。奥穂の白出を根性で登り切った妹の穂乃花を見習え!木に巻かれた目印の赤テ-プには”標高2100m肩”の文字。僕の高度計は丁度-100mの誤差のようだ。切り立った崩落地や標高2256mの案内標識を越え、更に奥へと進んで行く。またもや焚き火の跡が現れ、周囲は立派なテント地となっていた。中々良い場所だが、幕営するには中途半端な場所と言える。登り切るか、下りてしまった方がいい。

標高2100m肩

真新しい標識

狭い樹木を抜け
標高2370m(11:28、11:38) ヘボイ岳登を嘲笑っていたが、僕も釣られてへボクなってきた。欠伸に釣られるようなものである。擦れ違う下山者も2、3組。いよいよ稜線も近いか・・。僕の高度計も標高を充分に満たし、終に稜線まで登り詰めた。待望の白峰南嶺の登場である。
笹山南峰(12:42、13:00) お~、ここがあの笹山か・・。僕等にとっては百高山で最も遠い場所、登頂の喜びも一入だ。先程追い抜かせてもらった年配の単独行は笹山で幕営と言っていた。広い山頂にはテント跡もあるが、もろに風を受けそうなロケ-ション。伝付峠への案内標識もあり、そこを辿れば南嶺は更に南へと尾根を延ばす事になる。

笹山南峰

広い山頂部にテント跡
つづく・・
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| '11山行記録 | 09:30 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑