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ついに木曽駒、そして三ノ沢~前編

再々度因縁の地にやって来た。この木曽駒ヶ岳を初めて目指したのは昨年6月、木曽駒高原から木曽駒、将棊頭山、茶臼山と周回する標準タイム14時間のミドルコ-ス。しかし前夜雨の登山口で車中泊するも、翌朝強い雨風は一向に治まらず、歩かずして目的地を変えた。そして2度目の挑戦は同じく昨年の8月、歴史ある桂小場から百高山・三ノ沢岳までの標準タイム18時間半のロングコ-スに挑んだ。だが歩き始めて直ぐ、ブドウの泉を過ぎた辺りで岳登が嘔吐。この先続く長い行程には厳しい体調と判断、大事を取り已む無く撤退。山は逃げない、又来ればいいさ・・。下山して間もなく、岳登の元気な姿を見て仮病説が走った。そして3度目の挑戦は今年7月、リベンジを誓い暗闇の桂小場をスタ-ト。今回は岳登の体調は良く、天候もいい。颯爽と稜線まで登り切り、ついに木曽駒を射程圏内に捉えた。しかしここで、まさかのアクシデント発生。岳登、頭部挫傷。頭から血が流れ、二人とも気が動転。運良く包帯で血は止まったが、それ以上進むのは賢明ではなかった。止血具合を伺いつつ慎重に足を運び、何とか桂小場まで無事下山。木曽駒を、百高山をやめようと思った。そして、ついにこの日が来た。木曽駒目指し4度目、桂小場から3度目の挑戦を図る。ロ-プウェイを使えば赤ん坊でも容易に登れるが(実際この日に見た)、それじゃつまらない。あくまで桂小場にこだわり、木曽駒の怨念を追い払うかのように立ち向かった。道中の汚れた標柱におでこや唇を付けて祈りを捧げ、いつもに増してゴミも積極的に拾う。それは山ノ神にお願いするセコイ策略であったが、もはやこうするしか方法はなかった。


より大きな地図で 桂小場~三ノ沢 を表示



【山域】木曽駒ヶ岳(2956m)、中岳(2925m)、宝剣岳(2931m)、三ノ沢岳(2846m)
【日時】平成23年9月11日
【天候】晴れ後雨
【岳人】岳登(小6)、僕


桂小場(2:07)  前夜登山口の桂小場に到着、明日に備えて早めに就寝。相変わらず傾斜のきつい駐車場は寝心地は悪い、いい加減これを最後としたい。翌朝1時40分起床、まず夜空を見上げてみると一応星は出ている。本日の天気予報は不順で時折の雨は承知している。準備体操を済ませ歩き始めること20分、最初の水場となるブドウの泉に到着。顔を洗い、喉を潤す。今日は不気味な闇歩きの解消と熊除けを兼ね、AMラジオを大音量で鳴らしている。いつもは辛いだけの稜線までの森歩きだが、ラジオの音楽に高揚し、つい時間も忘れ、高度稼ぎもはかどった。僕が小学生の時初めて買ったレコ-ドが、スティ-ビ-ワンダ-のパ-トタイムラバ-。ラジオから流れてきたこの懐かしい洋楽を口ずさんでいたら、岳登もこの歌知ってると言う。なにやら学校の掃除の時間に流れているようだ。
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桂小場登山口

野田場(3:20、3:35)  ここで朝食とする。勿論特大の1合サイズのおにぎりだが、今日は長丁場に備え6個持込んでいる。しかし岳登に食欲がない。オイオイ、大丈夫か・・。横山分岐、馬返し、白川林道分岐と順に要所を越えて行くが、岳登の元気が戻らない。『おいガク!、体に何か異変があったら言えよ、いつやめてもいいからな・・』。山では無理だけは絶対に禁物、安全にやめたから再来の今がある事も紛れもない事実だ。
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野田場(水量豊富)
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馬返し
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白川林道分岐

大樽避難小屋(4:34、4:45)  避難小屋まで登って来たが、岳登の調子は変わらず悪い。食欲もなく、寒い寒いと言っている。熱はないようだし、しばらく様子見だ。おそらく朝早い為、眠いだけだろう。5時半近くになり六合目ベンチに着いた頃、待望の朝を迎えヘッドライトをザックにしまう。
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大樽避難小屋  ※岳登に元気がない、やはり今回も無理か・・

胸突の頭(5:49)  辛い胸突き八丁の急登を登り切り、稜線に出た。ここまで来れば気分も上がり、岳登の調子も知らぬ間に回復してきた。やはり体が目覚めていないだけだった。予定では稜線で朝日を拝むつもりだったが、登るペ-スが遅く時間が予想外に押している。ここでの休憩は取りやめ、山腹を巻き西駒山荘を目指す。  
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胸突の頭
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稜線に出ると、まず御嶽山が出迎えしてくれる

西駒山荘(6:12、6:28)  水量豊富なテント場の水場で水筒を満たし、アクエリアスを1ℓ作る。東の空の雲海が美しい。モクモクと束なる雲の絨毯、しばらくじっと眺めていたら歩けそうな気もしてきた。あの勇ましい山脈は何処だろう・・。しばらく考えていたが、それは飛騨山脈だと分かった。
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西駒山荘とテント場の水場(水量豊富)
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飛騨山脈 槍穂高連峰
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富士山と雲海

さてと、ここからがリベンジだ。深く記憶に刻まれた見覚えのある箇所を慎重に進んで行く。別に慎重に挑むような場所ではないのだが、この界隈には目に見えない魔物が潜んでいるようで怖い。遭難記念碑を越え八合目手前、ここから眺める木曽駒や山小屋の眺めもあの時のままだ。雲一つない目の前の巨大スクリ-ンに、木曽駒、宝剣、伊那前岳の稜線が連なって見え、カ-ルが手前に落ち込んでいる。そしてここは低木広がる雲上の楽園、あの時の場所だ。ついに魅惑の領域へと足を踏み入れる。八合目分岐。ここは木曽駒目掛け直接登るル-トと濃ヶ池経由で宝剣山荘へ至るル-トとの分岐。正面に見据えていた山容との距離が随分縮まってきた。頂上山荘を左下に抱え、山頂への最後の登りにかかる。ここまで来れば本日の折り返し三ノ沢岳も稜線の先に見えてきた。
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再びこの地へ  ※前回この辺りで無念の撤退
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八合目分岐
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赤石山脈
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いよいよ念願の頂きへ
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駒ヶ岳頂上山荘(青い屋根)、三ノ沢岳(稜線の右端)

木曽駒ヶ岳(8:00)  そして、ついに立った。木曽山脈の主峰、木曽駒ヶ岳の頂。近いようで随分遠く感じたが、ようやく僕等親子を迎え入れてくれた。ロ-プウェイで上がって来た登山者で山頂は溢れ、客層も他の高峰とは明らかに異なっている。山頂の駒ヶ岳神社にそっと手を合わせ、感激に浸る事もなく早々と山頂を後にした。僕等にとって木曽駒はただの通過点、今日一番の目的地はあそこだ。視線の先にある三ノ沢岳目指し、早速足を進めた。
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木曽駒ヶ岳
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広い山頂部


つづく・・



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