赤石山脈を歩け(1)
【山域】小聖岳(2662m)、前聖岳(3013m)、奥聖岳(2978m)、兎岳(2799m)、小兎岳(2738m)、中盛丸山(2807m)、大沢岳(2819m)、赤石岳(3120m)
【日時】平成23年8月12日
【天候】晴れ
【岳人】岳登(小6)、僕
1日目
便ヶ島(4:52) 遠い遠い便ヶ島、自宅から下道で5時間と15分。車移動だけでクタクタになってしまったが、昨年に続いての来訪となる。ひとまず今夜は手前の易老渡で車中泊、翌朝便ヶ島へと車を移す。夏の盆休み、聖光小屋駐車場は想像より空いていた。ここの駐車料金システムはいまいち不明だが、取られなかったからあまり深追いはしない。登山口から一段上がり、崖っぷちの遊歩道をしばらく歩く。

便ヶ島登山口
西沢渡(5:30、6:00) 西沢渡に着くと、人力ロ-プウェイは対岸にあった。岳登はわざわざ無駄な労力を使い、自分の方へと引き寄せている。そして、ようやく乗車。再び無駄な労力を惜しみもなく使い、対岸へと渡った。丸太の橋を渡れば歩いて数秒、そこを5分も10分もかけ、汗水垂らし必死に手綱を引いていた。便ヶ島と聖岳との標高差は2000m超。日帰りの軽装なら標高差3000mくらいでも苦にはならないが、重荷を背負ってのこの標高差はかなり辛いものがある。

西沢渡の人力ロ-プウェイ
標高1550m(7:08、7:20) ここの登りがきつい事は、昨年の下りで二人共充分肝に銘じている。出来れば避けたいところだが、百高山を登っている以上決して避ける訳にはいかない。苦労して登り切れば、きっと百高山が僕等を待ってくれている筈だ。・・もう能書きはいい。黙ってさっさと歩け、先は長いんだ!
苔平(8:29、8:42) ここで朝食休憩を取る。おにぎりを食べてパワ-アップ。1400mくらいから標高が200m上がる毎に、現在地の標高を示した標識が掲げられていた。

苔平
薊畑(9:46、9:56) 貧弱にも腕時計の高度計と睨めっこを繰り返し、ようやく薊畑に到着。ひとまず目指していた稜線へと登り切ったのだ。僕に遅れる事数分、岳登も何とか登り切った。この稜線分岐で上河内、茶臼岳方面と方向を分ける。お花畑を通過、時折涼しい風に打たれ、尚も登りは続く。

薊畑
小聖岳(10:49、11:00) 顔をしかめ、まずは前衛の小聖岳へと登り切った。目の前には日本アルプス最南の3000m峰聖岳(前聖岳)がどっしりと聳えている。そしてその先左手には、本日の終点兎岳が確認出来た。近いようで遠そうだ。さぁラスト、辛い登りも後少しだ、頑張れ!小聖岳山頂を過ぎ、聖岳の肩に取り付いた頃、水場が現れた。期待していなかっただけに、かなり有り難い。どこから湧き出ているのか水はかなり細いが、水筒を満たす分には何ら差し支えない。そして又、ひたすら登る。振り返れば、上河内岳から延びる稜線は光岳へと連なっていた。見上げていた登山道はやがて途絶え、青い空が見えてきた。ついに登り終えた瞬間だった。

小聖岳 ※後方に聖岳が聳える

今日はホント辛いな

重厚な主峰への登り

細いがこの水場の存在は大きい ※小聖岳を過ぎて、聖岳の肩にある

便ヶ島から続いた2000m超の急登もいよいよ大詰め

上河内岳から茶臼岳へと続く稜線 ※昨年、易老渡から日帰り縦走した
前聖岳(12:20、12:40) ここが聖(ひじり)か、渋い山だな。目の前には白く輝く赤石岳が、豪快に聳えている。名前を提供しているだけあり、正しくここ赤石山脈(南アルプス)の象徴だ。絶景を前に昼食のおにぎりを頬張る。疲れているので食欲も進み、1合使用の特大サイズを一気に食べ切った。それにしても疲れた、お互い良く頑張ったな。重い腰を上げ、いよいよ最後の兎岳を目指す。正面には明日歩く稜線が常に視界に入ってくる。折角稼いだ高度をみるみる下げ、気付くと易しい筈の兎が強気な面で僕等に襲いかかってきた。

聖岳(前聖岳)

赤石岳 ※その後方に荒川岳、その左奥は仙丈ヶ岳のピラミッド

明日歩く稜線を眺めながら進む ※本日の終点は左端の兎岳

聖岳直下
聖兎のコル(13:28、13:40) コルからの最後の登りはきつかったが、最後まで踏ん張った。そして兎岳避難小屋、本日のゴ-ルに到着した。この先一気に百間洞まで抜ける程、僕等はタフじゃない。

最後、兎への辛い登りが待っていた
兎岳避難小屋(14:26) まず避難小屋の内部を見学。情報通り改装され小奇麗になっていたが、何だか薄暗く感じ、窮屈な印象を受けた。小屋前の平場の端に寄せ、幕営完了。あと2~3張は張れるだろう。宴会用のウィスキ-と缶ジュ-ス、ポテトにラジオを持って山頂を目指す。兎の山頂は、避難小屋からそれ程遠くはなかった。登り切った縦走路脇には、兎岳の山頂標柱が立っている。三角点はここから縦走路を外れ、ハイマツを掻き分けた先にある。踏み跡を辿れば自ずと三角点まで導いてもらえるが、ハイマツを踏み潰す箇所もある。誰も来ない山頂部のハイマツ帯に腰を下ろす。苦労した初日だっただけに、酒もグイグイと進む。ラジオの音楽に合わせ、僕のテンションはかなり高揚。目の前の景色に見とれ、石並べでは岳登に連敗。酔っては妻に電話し、又酒を飲む。『おいガク、何だか凄く楽しくないか・・』。岳登も満更ではないようだ。そろそろテントに戻り夕食とする。最近ラ-メンばかりで能がないが、今回は豪華にソ-セ-ジを入れた。

改装された兎岳避難小屋の内部

兎岳避難小屋前の平場に幕営

大沢岳(左最奥)と中盛丸山(その手前)は、どこから見ても格好いい

兎岳三角点 ※三角点はハイマツを長らく漕いだ先にある

静かなハイマツ帯にて宴会 ※後方は兎岳山頂標柱のあるピ-ク

テント場に戻り夕食

名古屋の味
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【日時】平成23年8月12日
【天候】晴れ
【岳人】岳登(小6)、僕
1日目
便ヶ島(4:52) 遠い遠い便ヶ島、自宅から下道で5時間と15分。車移動だけでクタクタになってしまったが、昨年に続いての来訪となる。ひとまず今夜は手前の易老渡で車中泊、翌朝便ヶ島へと車を移す。夏の盆休み、聖光小屋駐車場は想像より空いていた。ここの駐車料金システムはいまいち不明だが、取られなかったからあまり深追いはしない。登山口から一段上がり、崖っぷちの遊歩道をしばらく歩く。

便ヶ島登山口
西沢渡(5:30、6:00) 西沢渡に着くと、人力ロ-プウェイは対岸にあった。岳登はわざわざ無駄な労力を使い、自分の方へと引き寄せている。そして、ようやく乗車。再び無駄な労力を惜しみもなく使い、対岸へと渡った。丸太の橋を渡れば歩いて数秒、そこを5分も10分もかけ、汗水垂らし必死に手綱を引いていた。便ヶ島と聖岳との標高差は2000m超。日帰りの軽装なら標高差3000mくらいでも苦にはならないが、重荷を背負ってのこの標高差はかなり辛いものがある。

西沢渡の人力ロ-プウェイ
標高1550m(7:08、7:20) ここの登りがきつい事は、昨年の下りで二人共充分肝に銘じている。出来れば避けたいところだが、百高山を登っている以上決して避ける訳にはいかない。苦労して登り切れば、きっと百高山が僕等を待ってくれている筈だ。・・もう能書きはいい。黙ってさっさと歩け、先は長いんだ!
苔平(8:29、8:42) ここで朝食休憩を取る。おにぎりを食べてパワ-アップ。1400mくらいから標高が200m上がる毎に、現在地の標高を示した標識が掲げられていた。

苔平
薊畑(9:46、9:56) 貧弱にも腕時計の高度計と睨めっこを繰り返し、ようやく薊畑に到着。ひとまず目指していた稜線へと登り切ったのだ。僕に遅れる事数分、岳登も何とか登り切った。この稜線分岐で上河内、茶臼岳方面と方向を分ける。お花畑を通過、時折涼しい風に打たれ、尚も登りは続く。

薊畑
小聖岳(10:49、11:00) 顔をしかめ、まずは前衛の小聖岳へと登り切った。目の前には日本アルプス最南の3000m峰聖岳(前聖岳)がどっしりと聳えている。そしてその先左手には、本日の終点兎岳が確認出来た。近いようで遠そうだ。さぁラスト、辛い登りも後少しだ、頑張れ!小聖岳山頂を過ぎ、聖岳の肩に取り付いた頃、水場が現れた。期待していなかっただけに、かなり有り難い。どこから湧き出ているのか水はかなり細いが、水筒を満たす分には何ら差し支えない。そして又、ひたすら登る。振り返れば、上河内岳から延びる稜線は光岳へと連なっていた。見上げていた登山道はやがて途絶え、青い空が見えてきた。ついに登り終えた瞬間だった。

小聖岳 ※後方に聖岳が聳える

今日はホント辛いな

重厚な主峰への登り

細いがこの水場の存在は大きい ※小聖岳を過ぎて、聖岳の肩にある

便ヶ島から続いた2000m超の急登もいよいよ大詰め

上河内岳から茶臼岳へと続く稜線 ※昨年、易老渡から日帰り縦走した
前聖岳(12:20、12:40) ここが聖(ひじり)か、渋い山だな。目の前には白く輝く赤石岳が、豪快に聳えている。名前を提供しているだけあり、正しくここ赤石山脈(南アルプス)の象徴だ。絶景を前に昼食のおにぎりを頬張る。疲れているので食欲も進み、1合使用の特大サイズを一気に食べ切った。それにしても疲れた、お互い良く頑張ったな。重い腰を上げ、いよいよ最後の兎岳を目指す。正面には明日歩く稜線が常に視界に入ってくる。折角稼いだ高度をみるみる下げ、気付くと易しい筈の兎が強気な面で僕等に襲いかかってきた。

聖岳(前聖岳)

赤石岳 ※その後方に荒川岳、その左奥は仙丈ヶ岳のピラミッド

明日歩く稜線を眺めながら進む ※本日の終点は左端の兎岳

聖岳直下
聖兎のコル(13:28、13:40) コルからの最後の登りはきつかったが、最後まで踏ん張った。そして兎岳避難小屋、本日のゴ-ルに到着した。この先一気に百間洞まで抜ける程、僕等はタフじゃない。

最後、兎への辛い登りが待っていた
兎岳避難小屋(14:26) まず避難小屋の内部を見学。情報通り改装され小奇麗になっていたが、何だか薄暗く感じ、窮屈な印象を受けた。小屋前の平場の端に寄せ、幕営完了。あと2~3張は張れるだろう。宴会用のウィスキ-と缶ジュ-ス、ポテトにラジオを持って山頂を目指す。兎の山頂は、避難小屋からそれ程遠くはなかった。登り切った縦走路脇には、兎岳の山頂標柱が立っている。三角点はここから縦走路を外れ、ハイマツを掻き分けた先にある。踏み跡を辿れば自ずと三角点まで導いてもらえるが、ハイマツを踏み潰す箇所もある。誰も来ない山頂部のハイマツ帯に腰を下ろす。苦労した初日だっただけに、酒もグイグイと進む。ラジオの音楽に合わせ、僕のテンションはかなり高揚。目の前の景色に見とれ、石並べでは岳登に連敗。酔っては妻に電話し、又酒を飲む。『おいガク、何だか凄く楽しくないか・・』。岳登も満更ではないようだ。そろそろテントに戻り夕食とする。最近ラ-メンばかりで能がないが、今回は豪華にソ-セ-ジを入れた。

改装された兎岳避難小屋の内部

兎岳避難小屋前の平場に幕営

大沢岳(左最奥)と中盛丸山(その手前)は、どこから見ても格好いい

兎岳三角点 ※三角点はハイマツを長らく漕いだ先にある

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テント場に戻り夕食

名古屋の味
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