荒川三山(2)
【山域】烏帽子岳(2726m)、前小河内岳(2784m)、小河内岳(2801m)、板屋岳(2646m)、荒川前岳(3068m)、荒川中岳(3083m)、荒川東岳(3141m)、千枚岳(2879m)
【日時】平成23年7月17日
【天候】晴れ
【岳人】岳登(小6)、僕
2日目
高山裏避難小屋(5:04) 今日は高山裏を基点に荒川三山と千枚岳を往復する。昨日頭を遮った赤石岳を含めるコ-スは厳しそうなので結局諦めた。高山裏のテント場を出て歩く事15分、登山道脇に水場が現れた。小屋番の親父は30分と言っていたが、そんなにはかからなかった。この先水場はない、タンクの水を満たし先へと進む。しばらく歩いた森を抜けると、やがて標高差600mのカ-ルの大斜面が待っていた。槍ヶ岳の飛騨乗越しを思わせるようなこの大斜面、稜線が目の前に見えているのにそこまでが遠い。振り返ると広がる大パノラマに何度か助けられ、何とか登り切った。

水場

標高差600mの大カ-ル
大カ-ル頭(7:00、7:24) 凄い景色だ。これから進む前岳、中岳へと稜線は連なり、山脈の冠にもなっているどっしりとした赤石岳が直ぐ先に聳えている。その奥には聖岳も見え、木曽山脈や飛騨山脈も高々と雲の上に連なって見える。前岳山頂から少し下り、赤石方面への分岐を越え、中岳へはそんなにはかからない。眺望は更に利き、目の前に大きな富士山が日本一の高さを誇示していた。千枚岳の方から登って来た登山者と、この辺りで多くすれ違う。中岳から弱冠大きな下り登りを経て、荒川三山最高峰の東岳(悪沢岳)に到着した。

中岳と前岳

赤石岳

木曽山脈 ※南駒から木曽駒ヶ岳

飛騨山脈 ※笠ヶ岳、穂高連峰

荒川前岳 ※後方は赤石岳

荒川中岳 ※後方は塩見岳

富士山

塩見岳 ※後方は仙丈ヶ岳、甲斐駒ヶ岳、白峰三山

東岳への辛い登り

高嶺の花
荒川東岳(8:40、10:00) 本日も快晴、眺望は抜群。随分早く着いたので、山頂でのんびり過す事にする。どうせ早い時間にテント場に戻っても、どうせあの親父に叱られるだけだ。テント場で一緒だった青年と長々と山談議、こんなに山頂で時間を潰したのは初めてだ。ようやく重い腰を上げ、先へと進む。東岳山頂から見えたポッコリした山容は丸山だった。ここからやや岩場混じりの細い稜線を突き詰めると、そこが本日の最終目的地、千枚岳であった。

荒川東岳

富士山と雲

赤石岳から大沢岳、中盛丸山、兎岳

塩見岳から蝙蝠岳 ※後方は白峰三山

丸山

千枚岳への岩稜尾根
千枚岳(10:38、10:47) 東岳でのんびりし過ぎたので、ここでの休憩は程々に帰路へと発つ。昨日の疲れが残っているからなのか、この先の折り返しが非常に疲れた。前を行く中年女性にも追いつけず、丸山までが異常に長く感じた。

千枚岳 ※後方は丸山
丸山(11:24、11:32) ここでもたまらず休憩。東岳は随分遠くに見えた。最後の力を振り絞り、何とか東岳まで登り切る。そして一気に中岳まで進み、そこで時間調整の大休止とする。
荒川中岳(12:51、13:29) 次第に雲が増え、ガスで視界が切れてきた。今日はここまで長々と大満足の眺望を楽しませてもらった。これまで数度この山域を訪れているが、景色を見れたのは今回が初めてだ。昼食のメロンパンを食べ終え、いよいよ高山裏目掛け戻るとする。前岳を越え、痩せ尾根を通過。『赤石岳への分岐はどこですか・・』、場所を失った男性単独行が必死な形相でカ-ル方向からやって来た。前岳下での分岐道標を見落とし随分先まで通り越していたようだ。僕等もカ-ルに差し掛かり急斜面の下りにかかる。踏み跡は薄い。斜面は白いガスで覆われ行く先は見えなくなってきた。踏み後は更に細くなり、やがて踏み跡なのかも確信が持てない状況に。このカ-ル、かなり横幅がある。このまま下るはいいが、登山道に取り付けなかったら大変だ。意を決して稜線まで登り返す決断をした。30分程無駄な登りに耐えなければならないが、無理に下って遭難するよりは余程マシだ。稜線を見上げハイマツ帯を登っていると、ふと右奥の斜面に登山者の姿を発見。大きな声を張り上げ崖の急斜面をよじ登る僕等の姿ににキョトンとしていたが、これで何とか無事帰れそうだ。広いカ-ルの大斜面、僕等は登山道の反対側を下っていた。登山道に取り付き、道標で左に折れ森へと入って行く。この道標を見落とすと、気付かず深い谷底まで延々と下り、相当悲惨な結末に遭う事は明らかだ。”迷ったら下らず登れ!”、何度か助けられている山の鉄則である。

視界不良時はカ-ルの下山に要注意

モミジカラマツ
高山裏避難小屋(15:35) 無事テント場まで戻って来た。ウィスキ-や缶ジュ-スを飲みながら缶詰や菓子をつまみ、今日に乾杯。ラジオを聞きながら将棋を楽しみ、夕食を取る。テント場での過し方は、昨日と何ら変わらない。隣りのテントの登山者と立ち話をし自分のテントに戻る。マッサ-ジをしてくれると意気込んでいた岳登は既に熟睡、僕もシュラフに潜り彼の隣りで目を閉じた。

テント場
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【日時】平成23年7月17日
【天候】晴れ
【岳人】岳登(小6)、僕
2日目
高山裏避難小屋(5:04) 今日は高山裏を基点に荒川三山と千枚岳を往復する。昨日頭を遮った赤石岳を含めるコ-スは厳しそうなので結局諦めた。高山裏のテント場を出て歩く事15分、登山道脇に水場が現れた。小屋番の親父は30分と言っていたが、そんなにはかからなかった。この先水場はない、タンクの水を満たし先へと進む。しばらく歩いた森を抜けると、やがて標高差600mのカ-ルの大斜面が待っていた。槍ヶ岳の飛騨乗越しを思わせるようなこの大斜面、稜線が目の前に見えているのにそこまでが遠い。振り返ると広がる大パノラマに何度か助けられ、何とか登り切った。

水場

標高差600mの大カ-ル
大カ-ル頭(7:00、7:24) 凄い景色だ。これから進む前岳、中岳へと稜線は連なり、山脈の冠にもなっているどっしりとした赤石岳が直ぐ先に聳えている。その奥には聖岳も見え、木曽山脈や飛騨山脈も高々と雲の上に連なって見える。前岳山頂から少し下り、赤石方面への分岐を越え、中岳へはそんなにはかからない。眺望は更に利き、目の前に大きな富士山が日本一の高さを誇示していた。千枚岳の方から登って来た登山者と、この辺りで多くすれ違う。中岳から弱冠大きな下り登りを経て、荒川三山最高峰の東岳(悪沢岳)に到着した。

中岳と前岳

赤石岳

木曽山脈 ※南駒から木曽駒ヶ岳

飛騨山脈 ※笠ヶ岳、穂高連峰

荒川前岳 ※後方は赤石岳

荒川中岳 ※後方は塩見岳

富士山

塩見岳 ※後方は仙丈ヶ岳、甲斐駒ヶ岳、白峰三山

東岳への辛い登り

高嶺の花
荒川東岳(8:40、10:00) 本日も快晴、眺望は抜群。随分早く着いたので、山頂でのんびり過す事にする。どうせ早い時間にテント場に戻っても、どうせあの親父に叱られるだけだ。テント場で一緒だった青年と長々と山談議、こんなに山頂で時間を潰したのは初めてだ。ようやく重い腰を上げ、先へと進む。東岳山頂から見えたポッコリした山容は丸山だった。ここからやや岩場混じりの細い稜線を突き詰めると、そこが本日の最終目的地、千枚岳であった。

荒川東岳

富士山と雲

赤石岳から大沢岳、中盛丸山、兎岳

塩見岳から蝙蝠岳 ※後方は白峰三山

丸山

千枚岳への岩稜尾根
千枚岳(10:38、10:47) 東岳でのんびりし過ぎたので、ここでの休憩は程々に帰路へと発つ。昨日の疲れが残っているからなのか、この先の折り返しが非常に疲れた。前を行く中年女性にも追いつけず、丸山までが異常に長く感じた。

千枚岳 ※後方は丸山
丸山(11:24、11:32) ここでもたまらず休憩。東岳は随分遠くに見えた。最後の力を振り絞り、何とか東岳まで登り切る。そして一気に中岳まで進み、そこで時間調整の大休止とする。
荒川中岳(12:51、13:29) 次第に雲が増え、ガスで視界が切れてきた。今日はここまで長々と大満足の眺望を楽しませてもらった。これまで数度この山域を訪れているが、景色を見れたのは今回が初めてだ。昼食のメロンパンを食べ終え、いよいよ高山裏目掛け戻るとする。前岳を越え、痩せ尾根を通過。『赤石岳への分岐はどこですか・・』、場所を失った男性単独行が必死な形相でカ-ル方向からやって来た。前岳下での分岐道標を見落とし随分先まで通り越していたようだ。僕等もカ-ルに差し掛かり急斜面の下りにかかる。踏み跡は薄い。斜面は白いガスで覆われ行く先は見えなくなってきた。踏み後は更に細くなり、やがて踏み跡なのかも確信が持てない状況に。このカ-ル、かなり横幅がある。このまま下るはいいが、登山道に取り付けなかったら大変だ。意を決して稜線まで登り返す決断をした。30分程無駄な登りに耐えなければならないが、無理に下って遭難するよりは余程マシだ。稜線を見上げハイマツ帯を登っていると、ふと右奥の斜面に登山者の姿を発見。大きな声を張り上げ崖の急斜面をよじ登る僕等の姿ににキョトンとしていたが、これで何とか無事帰れそうだ。広いカ-ルの大斜面、僕等は登山道の反対側を下っていた。登山道に取り付き、道標で左に折れ森へと入って行く。この道標を見落とすと、気付かず深い谷底まで延々と下り、相当悲惨な結末に遭う事は明らかだ。”迷ったら下らず登れ!”、何度か助けられている山の鉄則である。

視界不良時はカ-ルの下山に要注意

モミジカラマツ
高山裏避難小屋(15:35) 無事テント場まで戻って来た。ウィスキ-や缶ジュ-スを飲みながら缶詰や菓子をつまみ、今日に乾杯。ラジオを聞きながら将棋を楽しみ、夕食を取る。テント場での過し方は、昨日と何ら変わらない。隣りのテントの登山者と立ち話をし自分のテントに戻る。マッサ-ジをしてくれると意気込んでいた岳登は既に熟睡、僕もシュラフに潜り彼の隣りで目を閉じた。

テント場
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