奥深き鈴鹿山系(1)
やはり大自然は甘くはなかった。穂乃花と鈴鹿山系に出向き、テントを担ぎ1泊2日で静ヶ岳、銚子岳、竜ヶ岳、三池岳、釈迦ヶ岳を縦走する計画を立てた。しかし稜線に出るまでに想定外の時間を潰し、静ヶ岳、銚子岳は断念。竜ヶ岳の山頂を踏み石榑峠へと下山にかかるが、穂乃花ここで力尽く。容赦なく吹き荒れる強風を防げる適当な平場に幕営し、一夜を明かす。そして2日目。峠に不用な荷物を置き、三池岳をピストン。結局その先の釈迦ヶ岳も諦め、三池岳から帰還後は小峠を経て直接宇賀渓キャンプ場に下る事にした。荒れ狂う強風の中、何とか三池岳の頂に立つ。そして何の問題もない筈の帰路、薄いル-トを外れ現在地を失った。これを一般的には”遭難”と言う。冷や汗を掻きながら登山道に取り付く事だけを願い、先へ先へと進む。だが、どうもおかしい。進むのをやめ、後方のピ-クまで登る事にした。特徴のある竜ヶ岳を頼りに居場所を掴もうと試みるが、この高度では樹木が邪魔で視通が全く利かない。おまけに樹木の間から僅かに望める山容は、どれも竜ヶ岳に見えてきた。これはいよいよやばいぞ!テントや寝袋は峠に置いてきているし、最後の手段の携帯電話も鈴鹿の山に入って以来一度も電波が届いていない。この寒さで一夜を過せば、凍死するかもしれない。深い樹木で覆われた場所の分からぬピ-クでしばし呆然、気はかなり動転している。今回の山行で命の大切さを嫌と言う程体感した。穂乃花の愛しさをこれでもかと言う程痛感した。恐るべし鈴鹿山系、僕は今確かにここに生きている。
【山域】竜ヶ岳(1099m)
【日時】平成23年4月2日
【天候】晴れ
【岳人】穂乃花(小3)、僕
1日目
宇賀渓キャンプ場(6:23) 春休みで三重へ帰省中の岳登と嶺花を迎えがてら、今年も鈴鹿の山域を歩いた。前夜、簡易パ-キング藤原にて車中泊。翌朝、宇賀渓キャンプ場へと移動し、ア-チ手前の無料駐車場に駐車。テント装備の重荷を担ぎ、期待を込め歩き始める。トイレ棟や管理棟、商店街を抜け、ホタガ谷出合までは未舗装の林道が続く。

鈴鹿国定公園 宇賀渓
ホタガ谷出合(7:08、7:32) ようやくホタガ谷出合に到着。東屋でおにぎりの朝食を取る。吊橋を渡ると魚止滝へと続き、河原はキャンプ場のようだ。裏道登山道入口から山へと入る。路肩注意の狭い登山道が続き、片側は崖となり谷までかなり切り落ちている。ここは最大限の注意を払い、慎重に通過。最初のうちは谷の崖上を歩いていたが、次第に谷に高度を合わせ並行するようになる。従って、この辺りでは水も得られる。空が開けた所まで来ると残雪が目立ってきた。両脇を笹地帯に囲まれた沢筋が歩行ル-トとなるが、雪面の下が空洞化しており、足を落とし泥水にはまってしまう。たまらず沢筋を避け笹薮を強引に進もうとすると、雪を被った笹の根に滑り顔面投打。笹地帯を抜けると、背後に町並みが広がって見えた。ようやく着いたかと思い登り切った先は稜線ではなく、ここから更に30分くらい登った先が目指した稜線分岐であった。

滑落注意が続き、気が抜けない

登山道

笹地帯を抜け、残雪斜面を登る
稜線、静ヶ岳分岐(11:21、11:38) 2時間くらいで登れると思っていたが、その倍近く時間がかかってしまった。時間もないので静ヶ岳、銚子岳の登頂は諦めた。雪で作ったイチゴ味のかき氷を食べた後、目の前の均整の取れた竜ヶ岳へと向かう。

竜ヶ岳、静ヶ岳分岐

竜ヶ岳目指し
竜ヶ岳(12:00、12:30) 山頂は広く、周囲の山々や麓の町が一望出来る。昼食におにぎりを食べ、早速次を急ぐとする。心地の良い稜線を縦走するのかと思いきや、一気に下降にかかる。眼下にはくねくねと蛇行した道路も見えている。中腹の重ね岩を通過。穂乃花はこの頃には既に元気がなく、鼻水を垂らし泣きながら歩いている。どうした穂乃花、単なる下りだぞ!

竜ヶ岳 ※後方に御池岳と藤原岳

広い山頂部

石榑峠に向け下山 ※眼下は国道421号線

重ね岩
石榑峠(13:43) 石榑(いしぐれ)峠まで下り切った時には、穂乃花の疲れはピ-クとなっていた。この先三池岳を経て幕営予定地の八風峠まではとても行けそうにない。もし無理をして行けたとしても、到着は夕方遅くになりテントを張っていたら夜になってしまう。大事を取って明日の釈迦ヶ岳も諦め、今日はここまでとする。まずは明日の三池岳方面のル-トを確認しておこうと、国道421号線を滋賀県方面に下ってみる。しかしどこにも登山道らしい標識が見当たらない。もしかしたらと、国道の上に延びる舗装道をゲ-トを越え上ってみる。道路終点は幕営に適した広場となっており、八風峠、釈迦ヶ岳への案内看板が立っていた。穂乃花の待つ石榑峠まで戻りザックを持ち、再び10分程上部の広場へと向かった。この広場はNTT中継所のようだ。風が相当強いので、広場の隅で風除けになる場所にテントを張った。目の前には竜ヶ岳が望めるが、とても寒く外に出る気にはなれない。

滋賀県 東近江市

三重県 いなべ市

国道を尻目にゲ-ト先の道路を進む

NTT中継所にて幕営 ※後方は竜ヶ岳

夕食
2日目へ
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【山域】竜ヶ岳(1099m)
【日時】平成23年4月2日
【天候】晴れ
【岳人】穂乃花(小3)、僕
1日目
宇賀渓キャンプ場(6:23) 春休みで三重へ帰省中の岳登と嶺花を迎えがてら、今年も鈴鹿の山域を歩いた。前夜、簡易パ-キング藤原にて車中泊。翌朝、宇賀渓キャンプ場へと移動し、ア-チ手前の無料駐車場に駐車。テント装備の重荷を担ぎ、期待を込め歩き始める。トイレ棟や管理棟、商店街を抜け、ホタガ谷出合までは未舗装の林道が続く。

鈴鹿国定公園 宇賀渓
ホタガ谷出合(7:08、7:32) ようやくホタガ谷出合に到着。東屋でおにぎりの朝食を取る。吊橋を渡ると魚止滝へと続き、河原はキャンプ場のようだ。裏道登山道入口から山へと入る。路肩注意の狭い登山道が続き、片側は崖となり谷までかなり切り落ちている。ここは最大限の注意を払い、慎重に通過。最初のうちは谷の崖上を歩いていたが、次第に谷に高度を合わせ並行するようになる。従って、この辺りでは水も得られる。空が開けた所まで来ると残雪が目立ってきた。両脇を笹地帯に囲まれた沢筋が歩行ル-トとなるが、雪面の下が空洞化しており、足を落とし泥水にはまってしまう。たまらず沢筋を避け笹薮を強引に進もうとすると、雪を被った笹の根に滑り顔面投打。笹地帯を抜けると、背後に町並みが広がって見えた。ようやく着いたかと思い登り切った先は稜線ではなく、ここから更に30分くらい登った先が目指した稜線分岐であった。

滑落注意が続き、気が抜けない

登山道

笹地帯を抜け、残雪斜面を登る
稜線、静ヶ岳分岐(11:21、11:38) 2時間くらいで登れると思っていたが、その倍近く時間がかかってしまった。時間もないので静ヶ岳、銚子岳の登頂は諦めた。雪で作ったイチゴ味のかき氷を食べた後、目の前の均整の取れた竜ヶ岳へと向かう。

竜ヶ岳、静ヶ岳分岐

竜ヶ岳目指し
竜ヶ岳(12:00、12:30) 山頂は広く、周囲の山々や麓の町が一望出来る。昼食におにぎりを食べ、早速次を急ぐとする。心地の良い稜線を縦走するのかと思いきや、一気に下降にかかる。眼下にはくねくねと蛇行した道路も見えている。中腹の重ね岩を通過。穂乃花はこの頃には既に元気がなく、鼻水を垂らし泣きながら歩いている。どうした穂乃花、単なる下りだぞ!

竜ヶ岳 ※後方に御池岳と藤原岳

広い山頂部

石榑峠に向け下山 ※眼下は国道421号線

重ね岩
石榑峠(13:43) 石榑(いしぐれ)峠まで下り切った時には、穂乃花の疲れはピ-クとなっていた。この先三池岳を経て幕営予定地の八風峠まではとても行けそうにない。もし無理をして行けたとしても、到着は夕方遅くになりテントを張っていたら夜になってしまう。大事を取って明日の釈迦ヶ岳も諦め、今日はここまでとする。まずは明日の三池岳方面のル-トを確認しておこうと、国道421号線を滋賀県方面に下ってみる。しかしどこにも登山道らしい標識が見当たらない。もしかしたらと、国道の上に延びる舗装道をゲ-トを越え上ってみる。道路終点は幕営に適した広場となっており、八風峠、釈迦ヶ岳への案内看板が立っていた。穂乃花の待つ石榑峠まで戻りザックを持ち、再び10分程上部の広場へと向かった。この広場はNTT中継所のようだ。風が相当強いので、広場の隅で風除けになる場所にテントを張った。目の前には竜ヶ岳が望めるが、とても寒く外に出る気にはなれない。

滋賀県 東近江市

三重県 いなべ市

国道を尻目にゲ-ト先の道路を進む

NTT中継所にて幕営 ※後方は竜ヶ岳

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| '11山行記録 | 08:00 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑