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笠ヶ岳(1)

【山域】弓折岳(2588m)、大ノマ岳(2662m)、抜戸岳(2812m)、笠ヶ岳(2897m)
【日時】平成22年10月16日~10月17日
【天候】晴れ、曇り後晴れ
【岳人】穂乃花(小3)、僕


1日目

新穂高温泉(6:03)  山仕舞いを終えた静かな稜線、穂乃花と2人歩いてみた。さすがに笠は穂乃花にはまだ無理だろう・・と思っていたが、急登の続く笠新道を避け、あえて遠回りして弓折から稜線を縦走する事にした。こちらの方が幾つもピ-クを踏めるし、景色も最高。何より、コ-スも起伏に富んで子供にも飽きる事がなさそうだ。それと今回の目玉、秩父平で凧揚げをしようと自宅に眠っていた穂乃花自作の凧を持ち込んだ。電線も高い樹木もない3000m近い稜線で風にたなびく凧、想像するだけで心が躍る。新穂高の左俣。いつも駐車する路肩一帯は工事の為、派手にバリケ-ドが置かれている。ゲ-ト手前の草地でたった1台だけ置けそうなスペ-スを見つけ、強引に駐車。登山届を出し、左俣林道を歩く。失敗した・・、登山届に日付けを書くのを忘れてしまった。
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左俣林道ゲ-ト

笠新道分岐(7:06)  歩く事約1時間、笠新道分岐に到着。水も豊富に出ている。ダイレクトに笠を目指すなら、ここからこの辛い急登を登る事になる。日帰りで荷物が軽ければともかく、重荷を背負っての笠新道は結構堪える。計画通り行きは笠新道を避け、林道を更に進む。
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笠新道入口

わさび平小屋(7:23、7:53)  わさび平小屋で朝食におにぎりを頬張る。水道も沢もありここも水は豊富。この先の秩父沢の情報を山小屋の方に尋ねてみる。水は汲め、20日まで橋もあるようだ。それにしても人が多い。この先の山小屋は既に閉まり登山者はほとんどいないと思っていたが、どうやら双六小屋はまだやっているらしい。
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わさび平小屋

秩父沢(8:58、9:15)  心配していた水は豊富に流れていた。この先水場は一切ないので6ℓ分の水を確保。この沢を登り詰めれば秩父平まで行けるのだろうか・・。沢に架かる橋を渡る。しかし予想通り、別に橋がなくても飛び石でもサンダルでも充分渡渉出来そうだ。 
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秩父沢

シシウドガ原(10:32、10:43)  ここで標高2090m。穂乃花の荷物は相当重そうだ。自分の体よりも大きなザックを背負い、愚痴一つ言わず黙々と歩く姿に感心させられる。双六小屋に向かうどの登山者の荷物よりも重そうに見えた。そんな穂乃花もとうとう精魂尽き果てた・・、そう思う頃木道が現れ、最高の眺望が僕等を迎えてくれた。

鏡平山荘(11:29、11:52)  ワ~、確かに凄いな!鏡池の板敷きに横たわる。目の前には勿論槍穂高の稜線が連なっている。残念ながら鏡の如く池に映る稜線の姿はない、それでも充分。これぞ日本一の山、飛騨山脈槍穂高ここにあり!。ここに居る多くの登山者も皆感慨深げで、誰も小屋閉まりした鏡平山荘で休もうとしない。誰かが絶景を前にふと呟く。『ここにテントを張れば一日中この景色を見ていれるのになぁ~』。確かに僕も同感。しかしこの先歩く事になる稜線、そしてその夜幕営した秩父平。そこではこれ以上の絶景が待っている事を、この時はまだ知る由もなかった。
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鏡池
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振り返れば槍穂
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弓折乗越  ※頑張って重荷を担ぎ上げた
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笠へと続く稜線  ※左奥に笠ヶ岳

弓折岳(12:56、13:14)  鏡平山荘からは槍穂を背に最後の登りが始まる。この標高まで来ると紅葉もほぼ終わりを迎えていた。目の前の稜線目指し穂乃花最後の踏ん張り。辛かったら後ろを振り返ってみろ!槍穂に後押しされ、見事重荷を担ぎ上げた。体力は相当消耗しているようだ。弓折乗越は双六岳方面、笠ヶ岳方面の分岐となる。当然笠ヶ岳方面への稜線に進む登山者は僕等以外誰もいない。弓折岳の山頂標識は縦走路上にあるが、三角点は少し離れた場所にあった。 
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弓折岳  ※三角点は縦走路から少し離れる、後方は穂高連峰
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パノラマビュ- ※左から槍、大喰、中、南、大切戸、北穂、涸沢、奥穂、ジャンダルム

大ノマ乗越(13:30)  弓折岳から一気に下降。稜線上の鞍部(コル)には道標がポツリ。特に”大ノマ乗越”の表示はない。当初は秩父平まで行けそうもなかったら、この乗越に幕営しようとも考えていた。だがせいぜい張れて1~2張、緊急時以外では幕営したくないロケ-ションだった。時間的にも余裕があったので先へ進む。

大ノマ岳(14:20、14:40)  この山頂には何もない。しかしここから眺める槍穂高は、常念や蝶ヶ岳、奥丸山や双六あるいは西岳、そのどこから眺めるよりも素晴らしく僕の目に映った。穂乃花は既に限界を超え、静かに涙を流し鼻水を垂らしている。ここまで来れば着いたも同然だ、気合だ穂乃花!左に切り立った痩せ尾根を慎重に通過し、ハイ松を抜けると目指す秩父平に到着した。
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大ノマ岳  ※後方に双六岳
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秩父平が見えた

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