鋸岳と信濃路
【山域】鋸岳(2685m)
【日時】平成22年9月11日
【天候】晴れ
【岳人】岳登(小5)、僕
戸谷駐車場(5:08) 前夜、道の駅・南アルプスむら長谷にて車中泊。翌朝登山口の戸谷まで移動。ここは河原の広い駐車場。日の出と共に登山開始。”一般車通行止”の鎖を跨ぎ、”至仙丈ヶ岳、東駒ヶ岳”と書かれた道標の矢印の方角に進む。最初は左手の車道を歩く。15分程で1つ目の堰堤が現れる。堰堤を過ぎると車道も途切れ、広い河原に出る。適当に歩き易そうな所を選び、先に進む。何度か飛び石で渡渉をこなすと、出発から1時間弱で2つ目の堰堤が見えてきた。

戸谷川

車道終点、河原歩きが始まる
堰堤2つ目(6:01、6:14) 堰堤手前の倒木に腰掛け、朝食のおにぎりを頬張る。休憩後2つ目の堰堤の左脇を通り抜け、直に現れた3つ目の堰堤も左脇のル-トで通り越す。その先4つ目の堰堤は攀じ登り、そこから30分程で右手の山裾に鋸岳の道標を見た。川向うには大きなケルンやテント2張が確認出来る。そして渡渉。見事失敗。行けると思ったが、尖った石で足を滑らせ両足ドボン。おまけに体勢まで崩し、下半身ズブ濡れになってしまう。

堰堤3つ目

堰堤4つ目
河原ケルン(7:17、7:30) 少し甘く見ていたようだ。渡渉用に持参したサンダルを素直に履くべきだった。靴下を絞り、気を取り直す。ケルンからは樹林帯に入るが、ひたすらピンクのテ-プを追って行けば良い。心配していた登山道だが、注意深く進んで行けば一般道とたいして変わらない。

道標 ※対岸に渡渉するとケルンがある

ケルン ※ここから樹林帯に入る

登山道 ※目印のピンクテ-プを辿る

分岐 ※二股に分かれるが右の大岩小屋方面に進む
ガレ沢下(9:20、9:30) 樹林帯を抜け、いよいよ問題のガレ沢が姿を現した。白馬や針ノ木のような長大な急斜面。しかし斜面を覆うのは当然雪渓ではなく、気の遠くなるようなガレ石。落石や滑落に備え岳登はこの先ヘルメット着用。右端の踏み跡を辿る。歩きにくく注意は必要ではあるが、思っていた程危険ではない。ル-トらしき踏み跡をゆっくり慎重に登る。稜線の青空も随分近くなってきた。ガレ沢上部まで来ると斜度も増し、噂通りの蟻地獄に巻き込まれた。2歩進んで1歩下がる。正にそんな感じ。斜面に被さっているだけの頼りないガレ石は、地滑りでも起きたかのように付近一帯仲良く崩れ落ちていく。ここの通過には落石は免れない。登山者がほとんどいない事が幸いするが、石を落として『ラク~!』、そんな考えは通らない。上に登山者がいれば常に石は落ちてくると思った方がいい。ただし心配には及ばす、このガレ沢の石は下まで転がっていかず、直に止まってくれる。斜面右端の岩づたいに登ってみたが、これは少し方向違い。進路を左にトラバ-スすると踏み跡やテントが1張張れそうな平場があり、その先に目指すコルが快晴の空の下、僕等の到着を待ち構えていた。

蟻地獄 ※右端を登ったが、左端からコルに出た方が無難
角兵衛沢ノ頭(11:06) なかなか緊張する難所だった。コルからは右手の岩場を一登り。角兵衛沢側(右側)は切り立っており注意が必要だが、岩場自体は何の問題もない。登ってきたガレ沢を上から眺めると、僕等の通ってきたル-トと反対の左端付近に筋のような線が見える。ル-トのようにも見える。そしてあっさり鋸到着。

鋸の頭が見えた
鋸岳(11:20、11:50) 山頂は意外に広い。三角点や山頂標識があり、続く稜線の先には甲斐駒がどっしりと構えていた。縦走出来そうな気もするが、この先第二高点等難所が続くようである。仙丈ヶ岳や白峰三山、八ヶ岳や遠くは槍穂の稜線まで良く望めた。あまり馴染みのない北岳は槍のように尖っていた。眺望を満喫、登頂の余韻を残しつつ下山にかかる。再びガレ沢。やはり先程稜線から見た1本の筋はル-トのようであった。ズリ落ちる締まりのない石と共に僕等も落ちていく。ここの通過は音が凄い。常にズリ落ちる石の不気味な轟音が、静かな山域に鳴り響いている。しかし下りは登りに比べ、緊張する程でもなかった。

鋸岳
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八ヶ岳連峰 白峰三山と仙丈ヶ岳

山頂 ※後方に甲斐駒ヶ岳(東駒ヶ岳)、右端が北岳

角兵衛沢ノ頭 ※左斜面がガレ沢

ガレ沢の下り
ガレ沢下(13:02、13:10) ガレ沢を無事終えた。後は道を間違えないように慎重に下るだけ。川の音が聞こえると河原も近い。
河原ケルン(14:14、14:35) 靴を脱ぎ疲れた足を冷やす。そしてそのまま渡渉。最初から面倒がらずこうするべきだった。行きに攀じ登った4つ目の堰堤では水が滝のように流れ落ち、綺麗な虹が架かっていた。岳登はフルチンで修行に勤しむ。その時下流の戸谷方面から、集団が列を成し山裾を歩いてきた。岳登は恥ずかしそうにしていたが、この堰堤の右脇にル-トがあるようで、堰堤を攀じ登る事もなくすんなり僕等の反対側を越えて行った。満足感に浸り河原を歩く。飛び石で渡渉を交わし、幾つかの堰堤を越える。

渡渉

虹にお祈り

飛び石
戸谷駐車場(16:34) 車道を歩く。車道が途切れ流木の目立つ河原に出ると、東屋の屋根が目に入ってきた。そう、ゴ-ルだ。高遠温泉・さくらの湯で汗を流す。この温泉は非常にヌルヌル感があり、僕は大変気に入った。そして念願のあの場所目指し、車を走らせた。

戸谷駐車場
【日時】平成22年9月11日
【天候】晴れ
【岳人】岳登(小5)、僕
戸谷駐車場(5:08) 前夜、道の駅・南アルプスむら長谷にて車中泊。翌朝登山口の戸谷まで移動。ここは河原の広い駐車場。日の出と共に登山開始。”一般車通行止”の鎖を跨ぎ、”至仙丈ヶ岳、東駒ヶ岳”と書かれた道標の矢印の方角に進む。最初は左手の車道を歩く。15分程で1つ目の堰堤が現れる。堰堤を過ぎると車道も途切れ、広い河原に出る。適当に歩き易そうな所を選び、先に進む。何度か飛び石で渡渉をこなすと、出発から1時間弱で2つ目の堰堤が見えてきた。

戸谷川

車道終点、河原歩きが始まる
堰堤2つ目(6:01、6:14) 堰堤手前の倒木に腰掛け、朝食のおにぎりを頬張る。休憩後2つ目の堰堤の左脇を通り抜け、直に現れた3つ目の堰堤も左脇のル-トで通り越す。その先4つ目の堰堤は攀じ登り、そこから30分程で右手の山裾に鋸岳の道標を見た。川向うには大きなケルンやテント2張が確認出来る。そして渡渉。見事失敗。行けると思ったが、尖った石で足を滑らせ両足ドボン。おまけに体勢まで崩し、下半身ズブ濡れになってしまう。

堰堤3つ目

堰堤4つ目
河原ケルン(7:17、7:30) 少し甘く見ていたようだ。渡渉用に持参したサンダルを素直に履くべきだった。靴下を絞り、気を取り直す。ケルンからは樹林帯に入るが、ひたすらピンクのテ-プを追って行けば良い。心配していた登山道だが、注意深く進んで行けば一般道とたいして変わらない。

道標 ※対岸に渡渉するとケルンがある

ケルン ※ここから樹林帯に入る

登山道 ※目印のピンクテ-プを辿る

分岐 ※二股に分かれるが右の大岩小屋方面に進む
ガレ沢下(9:20、9:30) 樹林帯を抜け、いよいよ問題のガレ沢が姿を現した。白馬や針ノ木のような長大な急斜面。しかし斜面を覆うのは当然雪渓ではなく、気の遠くなるようなガレ石。落石や滑落に備え岳登はこの先ヘルメット着用。右端の踏み跡を辿る。歩きにくく注意は必要ではあるが、思っていた程危険ではない。ル-トらしき踏み跡をゆっくり慎重に登る。稜線の青空も随分近くなってきた。ガレ沢上部まで来ると斜度も増し、噂通りの蟻地獄に巻き込まれた。2歩進んで1歩下がる。正にそんな感じ。斜面に被さっているだけの頼りないガレ石は、地滑りでも起きたかのように付近一帯仲良く崩れ落ちていく。ここの通過には落石は免れない。登山者がほとんどいない事が幸いするが、石を落として『ラク~!』、そんな考えは通らない。上に登山者がいれば常に石は落ちてくると思った方がいい。ただし心配には及ばす、このガレ沢の石は下まで転がっていかず、直に止まってくれる。斜面右端の岩づたいに登ってみたが、これは少し方向違い。進路を左にトラバ-スすると踏み跡やテントが1張張れそうな平場があり、その先に目指すコルが快晴の空の下、僕等の到着を待ち構えていた。

蟻地獄 ※右端を登ったが、左端からコルに出た方が無難
角兵衛沢ノ頭(11:06) なかなか緊張する難所だった。コルからは右手の岩場を一登り。角兵衛沢側(右側)は切り立っており注意が必要だが、岩場自体は何の問題もない。登ってきたガレ沢を上から眺めると、僕等の通ってきたル-トと反対の左端付近に筋のような線が見える。ル-トのようにも見える。そしてあっさり鋸到着。

鋸の頭が見えた
鋸岳(11:20、11:50) 山頂は意外に広い。三角点や山頂標識があり、続く稜線の先には甲斐駒がどっしりと構えていた。縦走出来そうな気もするが、この先第二高点等難所が続くようである。仙丈ヶ岳や白峰三山、八ヶ岳や遠くは槍穂の稜線まで良く望めた。あまり馴染みのない北岳は槍のように尖っていた。眺望を満喫、登頂の余韻を残しつつ下山にかかる。再びガレ沢。やはり先程稜線から見た1本の筋はル-トのようであった。ズリ落ちる締まりのない石と共に僕等も落ちていく。ここの通過は音が凄い。常にズリ落ちる石の不気味な轟音が、静かな山域に鳴り響いている。しかし下りは登りに比べ、緊張する程でもなかった。

鋸岳


八ヶ岳連峰 白峰三山と仙丈ヶ岳

山頂 ※後方に甲斐駒ヶ岳(東駒ヶ岳)、右端が北岳

角兵衛沢ノ頭 ※左斜面がガレ沢

ガレ沢の下り
ガレ沢下(13:02、13:10) ガレ沢を無事終えた。後は道を間違えないように慎重に下るだけ。川の音が聞こえると河原も近い。
河原ケルン(14:14、14:35) 靴を脱ぎ疲れた足を冷やす。そしてそのまま渡渉。最初から面倒がらずこうするべきだった。行きに攀じ登った4つ目の堰堤では水が滝のように流れ落ち、綺麗な虹が架かっていた。岳登はフルチンで修行に勤しむ。その時下流の戸谷方面から、集団が列を成し山裾を歩いてきた。岳登は恥ずかしそうにしていたが、この堰堤の右脇にル-トがあるようで、堰堤を攀じ登る事もなくすんなり僕等の反対側を越えて行った。満足感に浸り河原を歩く。飛び石で渡渉を交わし、幾つかの堰堤を越える。

渡渉

虹にお祈り

飛び石
戸谷駐車場(16:34) 車道を歩く。車道が途切れ流木の目立つ河原に出ると、東屋の屋根が目に入ってきた。そう、ゴ-ルだ。高遠温泉・さくらの湯で汗を流す。この温泉は非常にヌルヌル感があり、僕は大変気に入った。そして念願のあの場所目指し、車を走らせた。

戸谷駐車場
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| '10山行記録 | 08:00 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑