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3000mの休日

【山域】槍ヶ岳(3180m)、大喰岳(3101m)、中岳(3084m)、南岳(3032m)
【日時】平成22年8月21日
【天候】晴れ
【岳人】岳登(小5)、僕


新穂高バスタ-ミナル(1:53)  天候もすっきりしないので遠方の南アルプス(3-4テント泊)を諦め、急遽地元の稜線を歩いてみた。前夜、新穂高の無料駐車場にてフィット泊。かなり広いこの駐車場がほぼ満車。前夜のうちに到着しておいて正解である。翌朝隣の車の単独行がザワザワと行動を始めた。翌朝、というよりまだ深夜0時半。僕は腕時計のアラ-ムを1時15分にセットしておいたが、完全に目が覚め0時50分に起床。僕が車外に出るのと同時に、隣りの男性は暗闇に消えていった。水晶、あるいは槍穂の日帰りにでも向ったのだろうか。登山届を提出し、僕等も暗闇の世界に飛び込んでいく。そして長い右俣の林道を黙々と歩く。
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新穂高

穂高平避難小屋(2:38、2:48)  大きな石に腰を降ろしトマトをかじる。美味い。当然小屋はまだ静まりかえっている。ここには水場もある。ここからしばらく歩くと工事看板が頻繁に現れ出した。『この先何m工事中』。工事箇所は目指す白出沢なので、『この先何m白出沢』と思えばよい。

白出沢出合(3:29、3:39)  白出沢では昨年同様、水の気配は一切ない。ここの水はあてにしてはならない。真暗な沢というのは非常に厄介で、取付きの登山道が少し分かりにい。だが何度も通っているル-トなので、勘を頼りに何とか探し出す。長い林道はここで終わり。 
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白出沢

滝谷出合(4:35、4:45)  少しずつ空に色が付いてきた。ここは工事中の白出沢と違い、水量はかなり豊富。ここでの登山道取付きも、慣れないと暗闇では非常に不安なところだ。
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滝谷出合

槍平小屋(5:26、5:43)  槍平で水を6ℓ満たし、フル装備でいざ稜線を目指す。振り返れば奥丸山や笠ヶ岳が溢れんばかりの朝日を浴び、眩しく光輝いている。左手に見える西鎌の稜線。その先には槍岳山荘の赤い屋根がしっかり目視出来た。稜線から下りてくる下山者と何度かすれ違う。登りの苦手な岳登は大幅にペ-スが遅くなってきた。山荘の屋根も随分近くなってきている。そして日本一高所にある峠を登り切った。
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稜線目指し

飛騨乗越(8:05、8:15)  飛騨乗越。ん~、名前がいい。飛騨人にとっては誇りすら感じてしまう。この先、千丈沢乗越経由で奥丸山を経て左俣林道へと抜けようかとも思ったが、予定通り、南岳への稜線に進路を取ることにする。乗越の岩陰にザックとストックを預け、槍の穂先を目指す。 
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槍ヶ岳山荘と槍の穂先
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荷揚げヘリ
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槍の登り
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最後のハシゴ

槍ヶ岳(8:40、8:58)  山頂への登り、予想通り行列はない。山荘に泊まった登山者はもうとっくに小屋を発った頃だし、こんな時間にここに到着する登山者はまずいない。そして岳登3度目の槍登頂。視界良好。本日晴天なり。ちなみに1度目は小3の時、中房温泉から表銀座、東鎌尾根を通り槍登頂。飛騨沢へと下っていった。2度目は小4の昨年、南岳新道、南鎌尾根を通り槍登頂。西鎌尾根、笠の稜線へと抜けていった。そして今回が3度目。となると4度目は残りの・・。祠の裏の北鎌尾根を眺めてみる。ん~行けそうな気もするが、僕等にはやはり無理だろうか。山頂を発つタイミングを誤った挙句、集団の後手で行列に加わってしまう。
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槍ヶ岳
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笠方面(左)、双六・鷲羽方面(中)、穂高方面(右)  ※画像クリックで拡大
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北鎌尾根

飛騨乗越(9:30)  再びザックを背負い、縦走開始。気軽に来れる標高3000mの楽園。槍・穂高を結ぶこの稜線は何度も歩いた事があるが、槍を背に歩くのは初めて。前穂や奥穂を眺めながらの稜線歩きは実に爽快。左手には近いうちに登らなければならない難所・赤沢山が西岳テン場の先に確認出来た。あれが噂の下りか・・。 

大喰岳(9:49、9:55)  いいね~、 
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大喰岳
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赤沢山(手前中央)を望む

中岳(10:29、10:36)  最高だね~、
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3000mの縦走路
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中岳

南岳(11:31、12:00)  と言っていたら、最終目的地到着。辺りはガスに覆われ、本日の眺望はここまで。僕等は後は下るだけなので、涼しくて丁度都合がよい。大キレットの最低コルまで行きたい気もしたが、今回はやめておこう。南岳新道の下り。年配の夫婦に声を掛けられた。『この間、赤牛にいましたよね~。』 僕等もそう言われて思い出した。たぶん奥黒部の方へ下っていった御夫婦だろう。この新道、かなり急で珍しく下りの得意な岳登も膝をやられていた。昨年この新道を重荷を背負い登ったが、この道ははかなり辛い部類に入る。やがて登山道脇に小屋の配慮で常設された救急箱を目にする。その中には救急用品、非常食、飲料水、ヘッドランプ、電池、ビニ-ルテ-プが入っているようだ。だがこれらは山に入る者としては、あらゆる場面を想定して当然持っているべきである。
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南岳
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南岳小屋の注意看板
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救急箱

槍平小屋(14:03、14:23)  靴と靴下を脱ぎ、足裏を念入りにマッサ-ジ。岳登は隣りで伸びている。ところで岳登がおでこに巻いている涼涼タイ。僕の事務所に出入りしている営業マンが勧めてきた代物で、一度水に浸すと涼感持続時間が20時間も続くという良品である。水場がある毎に新鮮な水で濡らし、首やおでこに巻きつける。体感温度も下がり、かなり重宝した。
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槍平小屋

滝谷出合(14:55、15:10)  

白出沢出合(16:00、16:14)  さていよいよ最後の林道歩き。工事業者の車が僕等を颯爽と追い越していく。『乗っていくか?』 そんな事は当然言われる訳もないのだが、”もし言われたらどうしよう、乗ってしまったら全部無駄だな・・” そんな勝手な妄想をよそに、車は新穂高方面に早々と消えていった。   
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白出沢出合

穂高平避難小屋(16:52、17:00)  帰りは車道ではなく、林の中を通る近道を通ってみる。やがて車道に合流。工事用の立派な仮設階段を降りていくと新穂高も近い。
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穂高平避難小屋

新穂高バスタ-ミナル(17:35)  雨も数滴舞い降りてきたが何とか持ち応えてくれ、本日の山行は終了。結果的に槍ヶ岳の往復だけだったら楽だったろうが、南岳新道の下りにやられた気がする。『明日予定している飛越トンネルから黒部五郎岳日帰りは無理そうだな・・』。硫黄臭漂う平湯の温泉に浸かりつつ、そんな結論に達した。それにしても隣りの福井ナンバ-、まだ帰ってきていなかったが一体何処まで行ったのだろうか。妙に気になる。
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新穂高



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