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黒部源流の峰々(2)

【山域】三俣蓮華岳(2841m)、鷲羽岳(2924m)、ワリモ岳(2888m)、水晶岳(2986m)、赤牛岳(2864m)、祖父岳(2825m)、双六岳(2860m)
【日時】平成22年8月6日~8月8日
【天候】晴れ
【岳人】岳登(小5)、僕


2日目

三俣キャンプ場(4:40)  テントでの夜は寒くもなく比較的快適だった。湯を沸かし僕はコ-ヒ-、岳登はココアで体を覚ます。空が明るくなってきた頃、日帰り縦走に向けテントのジッパ-を下ろす。まずは鷲羽へのきつい登り。登りがきつい程、急げば時間は短縮出来る。ハイペ-スで先行者をグイグイ追い越し、コ-スタイムの半分の時間で鷲羽に登り詰めた。

鷲羽岳(5:26、5:31)  空は青いのだが、雲が低く眺望はほとんどない。  
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鷲羽岳
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ワリモ岳

ワリモ北分岐(6:03、6:13)  ここは雲ノ平方面への分岐。帰りはここから祖父岳まで足を延ばす。
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ワリモ北分岐

水晶岳(7:03、7:13)  水晶に到着するも眺望は相変わらずない。ワリモ北分岐で会った年配の男性のシャッタ-を押す。40年もの長い年月をかけ、ここ水晶を以って北アルプスの山を完登したそうだ。ご苦労様です、そしておめでとう。
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イワギキョウ

温泉沢ノ頭(7:54)  視界も次第に広がってきた。左手には黒部五郎や薬師、進む稜線の先には赤牛が薄っすら姿を現し始めた。そして秘湯・高天原への分岐となる温泉沢ノ頭に着いた頃には、赤牛はその全貌をさらけ出し完全に僕等の射程圏内に入った。当初、この赤牛をどうやっつけようか随分悩んだ。奥黒部から赤牛に登り、雲ノ平又は三俣まで行くには相当辛そうだ。水晶の山小屋に泊まる気は更々無いので、そうすると読売新道での幕営となる。果たして適当な平地はあるのだろうか・・。そう考えていた時、三俣からの往復を思いついた。この赤牛岳、どこから入っても果てしなく遠い山である。だが意外にも幕営に適当な場所は幾らかあるようだった。
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温泉沢ノ頭  ※目指すは中央奥の赤牛岳
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幕営適地
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待ってろよ、赤牛!  ※中央

赤牛岳(9:18、9:45)  牛の頭も完全に見えてきた。あれだけ遠くに見えた赤牛がすぐ目の前にある。最後の力を振り絞り最後の登り。そして僕と岳登は牛の頂に立った。メジャ-な水晶までは登山者も多いが、その先の読売新道は何か目的を持った者しかたぶん入り込まないだろう。山頂の裏手にはキャンプ場を思わせるテント跡が数箇所見受けられた。やはりこのル-トを歩くテント行は皆同じ悩みを抱いているようだ。  
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赤牛岳  ※左後方は水晶岳
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赤牛山頂裏のテント跡  ※3張程可だが風が強そう
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黒部五郎と薬師を従え

温泉沢ノ頭(11:10、11:28)

水晶岳(12:14、12:27)  再び水晶。今度は先程と違い眺望が良い。牛くんも遥か遠くに望める。どうも赤牛登頂後から赤牛に対する愛着が湧き、”牛くん”と呼ぶようになっている。山頂で落ち着いた青年との会話になった。『何処までですか?』 と訊かれ”赤牛です”と答える。今度は逆に訊いてみる。『何処までですか?』 直に答えが返ってきた。『親不知です・・』 ”そうですか・・。エッ、お、お、親不知!” まさかこの偉業への挑戦に立会えるなんて。この夏僕も新穂高から日本海まで岳登と歩こうと思った。そしてブログに地図も載せた。計画を立てる中で日程的な問題もあり行き詰まり、結局百高山を優先する事にした。結局は自信が無かったのかも知れない。青年は上高地から入り、10日で日本海に抜ける予定だと言う。1日12~13時間歩き、食料は米を中心に持ってきているそうだ。同じ目標を持つ者として訊きたい事は山程あったが、検討を祈り青年と別れた。
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水晶岳 ※後方は赤牛岳
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水晶小屋と地蔵

ワリモ北分岐(13:09、13:17)

祖父岳(13:52、14:10)  祖父(じい)岳は雲ノ平のピ-クで百高山でもある。その為、岩苔乗越からどうしても寄り道する必要があった。山頂は広くなだらか。確かに悪天候の時は方向を失い危ないだろう。山頂の標識には”祖父”の文字がほとんど見てとれない。そこら中にケルンが立ち、擦れた山頂標識を補っているかのようにも感じた。眺望はすごく良い。今日登った山が全て見渡せた。牛くんは随分遠くに見える。山頂からの帰り際、ザックを担いだ先程の青年に会った。今日は雲ノ平キャンプ場に泊まると言ってたな・・。その落ち着いた歩き様を目にした時、”彼ならきっとやり遂げるに違いない” 自然とそう思えた。
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祖父岳  ※右奥が鷲羽岳

岩苔乗越(14:38、14:42)  いよいよ黒部源流に向け沢沿いに下降開始。周囲は勿論、黒部源流の峰々。岳登は火照った坊主頭を冷やしている。水は非常に冷たく、体を芯から冷やしてくれる。
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頭を冷やせ
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オニユリ

黒部源流標(15:25、15:52)  雲ノ平から回り込むル-トとの合流地点に道標が立っている。ここが黒部源流。三俣山荘側に登山道を少し進んだ広場には立派な”黒部川水源地標”が設置されている。源流と言うと”最初の一滴”というイメ-ジだったが、2つの沢が合流する地点にこの標識は立っていた。正確に言えば、その2つの沢の最上流が本当の意味の源流なのだろうか・・。まぁいい、ここが源流と書いてあるのだからそれでいいではないか。登山靴、靴下を脱ぎ、酷使している自らの両足を源流でアイシング。冷たくて長くは浸けてはいられない。岳登はここでも頭を冷やしていた。そして今回の山行の目的でもある源流を4.5ℓ汲み上げた。
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黒部川水源地標

三俣キャンプ場(16:22)  一旦山荘に顔を出し、延泊の受付を済ます。持参したウィスキ-も空になった事だし、早速夕食の準備に取り掛かる。緬つゆ、タンクの黒部源流を天然の冷蔵庫で冷やす。ソ-メンはスパゲティよりも短時間で茹で上がり効率がいい。辺りは涼しくなってきたので、水で戻す事はせず温かいまま食べてみる。黒部の源流で茹でたソ-メンを、源流で割った緬つゆにつけて食す。何とも格別だ。コッヘルに残った茹で汁は蕎麦湯のようで実に美味。源流で作ったアクエリアスも中々だった。
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三俣キャンプ場  ※右から鷲羽、ワリモ、水晶、祖父岳
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ウィスキ-をちびり
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夕食


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