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第14回佐渡島一周エコ・ジャ-ニ-208km(1)~今を飲みまくれ!

今年もこの季節がやってきた。第14回佐渡島一周エコ・ジャ-ニ-ウルトラ遠足208km。『えんそく』と書いて『とおあし』と読む佐渡ジャ-ニ-も、これで3回目の出場となる。今の僕の中ではこの大会が1年のメインであり、100㌔の大会数本は僕にとっては単なる練習に過ぎない。自分一人で100㌔くらい走れればわざわざ高い参加料を払う必要もないのだが、それだけの強い精神力が無いが為、仕方なく大会の力を借りている。今年は超ウルトラ初挑戦となる仲間の瀧さんとともに参加。瀧さんは今年飛騨高山100㌔の翌週に太平洋-日本海120㌔を走り、だんだんとこっち系になってきた。朝6時前に自宅を出て瀧さん宅に寄り、妻の車にて一路富山へと向かう。富山からは高速バスで3時間40分かけ新潟へ。新潟到着後は徒歩20分でフェリ-タ-ミナルへと移動。そしていよいよ佐渡汽船にて佐渡島へと向かう。
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富山高速バス 西上袋(アピタ前)停留所
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僕のバック(右)は重さ4.6kg  ※瀧さん、バック大き過ぎないか
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佐渡島が見えてきた
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両津港では貸し切りバスがお出迎え

自宅を出た時から既にジャ-ニ-は始まっているが、宿に付くと気分は一段と高まってきた。部屋はロビ-近くの103号室。部屋はおそらく申し込み順に振り分けられるので、どうせ申し込むなら断然早い方がいい。ロビ-が近いということは浴場や宴会場も近いということで、それにゴ-ル後疲れた脚での階段の上り下りは極力避けたいところだ。部屋は5人部屋で、今年は年齢層の近い楽しいメンツに恵まれた。一昨年一緒に走った福井の佐藤さんとも同部屋で、隣同士布団を並べた。10分で急いで入浴を済ませ、17時からは説明会。今年はA3地図1枚となる気がしていたが、その予感は見事的中。僕は昨年のA4地図24枚を持参しているので問題はないが、あの簡素な地図で果たして初参加のランナ-は無事進むことが出来るのか心配になった。シャンパンによる乾杯で説明会は締められ、引き続き18時から会場を大広間へと移し宴会(夕食懇談会)が始まる。
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説明会、決起大会  ※毎年、参加賞として地酒が頂ける

宴会場では部屋のメンバ-と席に着いた。今年は蟹が復活し、豪華さに華を添えていた。明日の朝食を含め、これで1泊2食付き8500円(昨年より500円値上がり)というのはかなりお得だと思う。今更遅いカ-ボロ-ディングに励み、佐渡のコシヒカリを茶碗山盛り3杯、味噌汁とともに頂く。明日のことは気にせず、ビ-ルも浴びる程飲んだ。僕の中では208㌔走ることと同じくらい、前後の宴会にも重きを置いている。その為一切妥協する気はなく、『程々に』という考えは全く持ち合わせていない。部屋のメンバ-も皆酒が強く、僕らの前にだけ瓶が何本も集まっていた。昨年少し一緒に走った新潟の岩野さんも加わり、宴は刻々と進んでいく。昨年はスタッフと最後二人きりになるまで飲んでいたが、今年はどこか追い払われるような雰囲気があった。
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夕食懇談会  ※ご飯、味噌汁おかわり自由、ビ-ルやワイン飲み放題
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翌朝のことは考えず、アホみたいに飲む
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瀧さんと


つづく・・

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タツノオトシゴ(3)~人の群れ、避けるが無難

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青空を駈け下りる


・・前回の続き


天空尾根の終点、槍ヶ岳。しかし今さっきまで目指してきた槍の穂先には、尋常でない数の登山者が張り付いていた。先程槍ヶ岳山荘に着く直前、大きな叫び声が、大きな濁音とともに静寂の山域に響き渡った。『ラ~クッ~!』。穂先上部から下へと転がり落ちる落石。その転げ落ちる一つの浮石が、岩肌にぶつかり大きな音が生じる。『ラク~!』の注意喚起は何人もの登山者によって山びこのように下の者に伝えられていく。あれだけの数の登山者がいれば、誰か巻き添えを喰らっても何ら不思議ではなかったが、石の転げ落ちる方向が幸いしたのか、事故は発生しなかったようだ。登山者の最後尾は肩(稜線)まで延び、時間が経てど全く進んでいないように見える。おそらく少なく見積もっても、往復に2時間はかかるだろう。とてもそんな時間はないので既に登頂する気はなかったが、それ以上に今日は危うさが際立っていた。
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大混雑の穂先は登らない方が無難  ※画像クリックで拡大

一般ル-トには無数の登山者が身動きの取れないまま停滞し、今日は他面(写真左端)にまでクライマ-が点々と張り付いていた。一般登山者とクライマ-の共存は初めて見たが、これはかなり危ないことだと思った。クライマ-が登山者のいない岩峰を好き勝手に登る分にはいいが、これだけ登山者が群がっている密集地帯でのクライミングは避けるべきだったのではないだろうか。クライマ-がふいに落とした石ころが一般登山者の大行列へ転がったものならおそらく大事故は避けられないし、これはある意味充分予測出来ることだろうとも思う。石はどの方向に落ちていくか分からないし、当り所によっては方向は簡単に変わる。今回はたまたま事故が起きなかっただけのことであり、改めて写真を眺めていて恐ろしくなってきた。特に山頂直下のクライマ-(緑ウェア)の立ち位置が宜しくない。真下には一般登山者が多数おり、もしこのクライマ-が石を落とせば確実に2、3人は死傷する。
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クライマ-の中には子供の姿も
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一般ル-トに張り付く無数の登山者  ※山頂往復は推定2時間以上

西鎌分岐で腰を下ろし少し休みながら、相変わらず進んでいない最後尾を眺め、行かなくて大正解だったと改めて自分らの判断に納得。当初の計画では、槍の後は双六小屋へと向かうつもりでいた。しかしこの時点で僕の気持ちは既に奥丸山へと傾いていた。西鎌尾根を慎重に進み、千丈乗越まで下る。ここで主稜線から外れ、一旦飛騨沢方面へと下山。重荷を背負って登ってくる登山者が数名いたが、一体どこに行くのだろうかと気になった。滅多に見かけない光景だが、わざわざ西鎌から回り込むように槍を目指すというのか。或いは槍へは向わず、ここから西鎌尾根を縦走して双六へと向かうのだろうか。荷物の重さは30㌔程はあったようだ。
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西鎌尾根
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飛騨沢と奥丸山
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千丈乗越
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硫黄尾根
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小槍(左)の鞍部にもクライマ-がいた
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ここを詰めるのは珍しい

奥丸山への分岐道標は倒れていた。ここから先は一気に登山者が激減し、この日は結局誰とも出会わなかった。若干雲が出てきたが、眺望は未だ残っている。奥丸山が『飛騨の展望台』と言われる所以は、この辺りを進んでいれば充分感じ取ることが出来るだろう。弓折稜線や鏡平から眺める槍穂高も確かに素晴らしいが、中崎尾根は槍穂高に近い分、一層迫力があり、鮮明に細部まで捉えることが出来る。奥丸山でこの日最後の眺望をゆっくりと満喫したかったが、羽の生えた蟻が大量に飛び回り、とても寛げるような状況ではなかった。
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奥丸山分岐
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静かな中崎尾根
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大キレットと穂高連峰
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奥丸山(標高2440m)

奥丸山以降の登山道は結構荒れていた。今年の台風の影響か登山道には倒木がやたら多く、あれだけの巨木を根こそぎ捲りとる自然の驚異に心底驚かされた。多少時間的に余裕もあるので、中崎山分岐から中崎山を目指そうとも思ったが、仲間の水切れが心配で、ここは素直に左俣へと下る。奥丸山を目的地とする右俣左俣の周回コ-スは、程良い距離も稼げ、夏場のランニングにはいい練習場になる。
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たまに藪漕ぎ
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倒木多し
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中崎山分岐
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谷水

橋を渡り、いよいよ最後の区間、左俣林道(CT1時間25分)の登場となる。ただランナ-にとっては実質この区間は無いに等しいので、それ程気落ちすることはない。今日はさすが3連休の中日とあって、林道で見かけた登山者はかなり多かった。㌔5分程のペ-スで快調に飛ばし、わさび平小屋は脇目も振らずスル-。前の登山者が横に並んで道を塞いでいれば、早めに声掛け(挨拶)をして、自らの存在を知らせる。以前熊と間違われて驚かれたことからの教訓であるが、お互い快く擦れ違えるよう一応僕も心掛けている。林道も終わりに差し掛かった頃、メンバ-がいつしか4人に増えていることに気付いた。どうやら僕らの走る姿に触発された登山者が、大きなザックを背負い、知らぬ間についてきていたのだ。ゲ-トを抜け、更にペ-スを上げる。後を走っていたほっしゃんはどこからか逸れ、僕と波ちゃんに勝負をかけてきた。しかし僕らは更にスピ-ドを上げ、㌔4分半のスパ-トをかける。そして、ほっしゃんより一足先に新穂高に到着。
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小池新道分岐
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新穂高登山指導センタ-

左俣林道を気持ち良く走れたことで、少しは先週の無念を晴らせたかなと思う。しかし波ちゃんは今日も潰れなかった。最後の林道は結構スピ-ドを上げて追い込んだつもりだったが、一切離れることはなかった。持久力に加えてスピ-ドまでついてきたとすれば、もはや僕の手には負えない。是非とも3週間後の峨山道トレイルラン(77㌔)では上位入賞を果たしてほしいと思う。ちなみに今回辿ったこのコ-ス、前にも辿ったことがあるが、どう見ても『タツノオトシゴ』にしか見えない。
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中尾橋
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下山後の夕食

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タツノオトシゴ(2)~天空尾根を突き進め!

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これぞ、スカイランニング


・・前回の続き


南岳小屋のベンチに座り、少し休ませてもらう。補給物を摂りながら、昨夜のことを思い出し、3人でヘラヘラ声を出して笑う姿は明らかに浮いていた。先ずは南岳山頂へ。僕曰く、ここが天空尾根の始まりだ。”天空尾根”とは位山の”天空遊歩道”に対抗して僕が勝手に付けた呼称だが、これ程しっくりくる呼び方もないだろうと自負している。天空尾根を辿る(走る)なら、断然南岳から北に向かう方がいいだろう。槍を背に向けて走るのと、槍に向って走るのとでは、何せ気分の高まり感が違う。眺望の利かない日にわざわざ来る意味もないだろうし、快晴の日限定で訪れ、青空に映える槍ヶ岳目掛けて駆け抜けていきたい。今日はとても眺望がよく、遠くは富士山から、大概の山が一望出来た。来週は佐渡一周(208㌔)があるので来れないが、出来れば毎週山に登り、『先週あそこ登った』、『その前はあの山』と繋げていければ楽しいだろう。
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南岳(標高3033m)
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富士山
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常念岳(右)
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燕岳
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笠ヶ岳
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穂高連峰と南岳小屋

天空のスカイトレイルは、正に飛騨人だけの特権だ。長野県側は自家用車の入れない上高地があるが故、僕ら程気軽に来ることは出来ない。この尾根より左側(西側)は高山市であり、所詮市内、別段遠い所に来たという感覚はまるでない。自宅から5時間もあればこの場所に立つことが出来るので、『ちょっと天空まで行ってくるさ!』的な軽い感覚で、思いついたように足を運んでいる。元々僕は波ちゃんにこの景色を見せてあげたかった。彼女は昨年まで飛騨の稜線を知ることなく、天空遊歩道ばかり走っていた。同じ体力をかけるなら、どう考えたってこちらの方が楽しいに決まっている。トップの写真はほっしゃんに譲ったが、僕の走る姿も珍しく様になっている。ここに来れば最高のステ-ジが約束されているだけに、結局は誰が走っても様になるのだろう。
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天空尾根を突き進め!  ※画像クリックで拡大

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ここは3000mの稜線
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中岳目指し
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槍へと続く一本道

中岳への登り返しが、この区間唯一の踏ん張りどころ。先程からほっしゃんに少し高山病の気が出ている。昨夜酒を飲み過ぎたので二日酔いかとも思ったが、様子を見ながら慎重に高山帯を進む。槍まで行けば、後は標高は下がるだけだし、最悪高山病の症状が重くなれば、飛騨乗越から下ればいい。高山病の対処法は唯一標高を落とすことだ。大喰(おおばみ)岳まで来れば、槍山荘は近い。この天空尾根には3000m峰が4座連なっているが、南アルプス程アップダウンがない為、スカイランニングには最適で、その上景色も抜群に良い。そして至福のトレイルも、いよいよ終盤へと入ってきた。これで雷鳥の親子でも出てきてくれたら最高だったが、二人は天空尾根を存分に楽しんでくれただろうか。ただ二人は明日、3週間後に迫った峨山道(77㌔)に向け、天空遊歩道の30㌔コ-スを2周するのだと言う。そらまた凄いな!と距離に対しては驚いたが、結局はやっぱそっちかよ・・とも思った。
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中岳(標高3084m)
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焼岳
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鷲羽岳(中)、水晶岳(右)
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大喰岳山頂部
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大喰岳(標高3101m)
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岩稜帯を抜け
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槍ヶ岳山荘


つづく・・


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タツノオトシゴ(1)~待て、このエロ親父!

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お願い、たまには歩いてくれ!


・・前回の続き


昨夜は調子に乗って飲み過ぎ、日付が変わり本日未明1時に就寝。3時前後にアラ-ムを複数設定し眠りについたが、やはりその音に気付くことはなかった。突如携帯の音が車内で鳴り響き、しばらく鳴った後、音はパタッと止まった。間髪入れず再び鳴り出し、腕時計を見ると3時半を示している。きっと仲間からのモ-ニングコ-ルだろうと、のそのそとバックの奥底からガラケ-を取り出した。電源を切っていなくて幸いしたが、発信元は波ちゃんだった。僕は電話に出るなり『4時まで寝させて・・』と消えそうな声で一言呟き、その反応を待つでもなく、再び布団に倒れ込む。そして4時、再びモ-ニングコ-ルが鳴った。酒は抜けていないし、眠いし、余程今日の山行はドタキャンしようかと思った。勝手に2人で行ってくれ!と余程言いたかったが、そんな訳にもいかず嫌々起床。車から出て2人のもとへ行くと、既にやる気満々の顔つきで出発の支度をしていた。5時発を目指し、僕も早速準備にとりかかる。全員の準備が整った後、中尾まで各々の車で行き、そこから僕の車1台で新穂高の無料駐車場へと向かう。3連休の中日、混んでいることは承知していたが、1台くらいなら運が良ければ停めれるだろうと思っていた。しかし国道から駐車場入口へと入り、警備員の姿を目にした時点で新穂高発は諦めた。ここに警備員がいる時点で既にアウトで、たとえ空があったとしても中には通してもらえない。仕方なく中尾に戻り、5:15、中尾橋をスタ-トした。
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新穂高登山指導センタ-

中尾から新穂高へは2.5㌔の道のりとなる。きつい右俣林道の上りに備え、この事前ランは足慣らしには丁度いい。新穂高登山指導センタ-で登山届を提出し、右俣林道へと進む。この林道にいい思い出はないが、走れるようになった今では味わう苦しみは半分以下で済む。新穂高から林道終点となる白出までは標準コ-スタイム(CT)2時間。これまで何度も走っているが、おそらく一度も歩かず(当然休まず)走り切ったという経験はない。大概途中の穂高平辺りで休まないとしても歩きくらいは一度入れるが、今日はほっしゃんにかなりしごかれた。『穂高平で一旦歩くぞ!』と確かに僕は言ったはずなのに、その声が届いていなかったのか、或いは軽く無視されたのか、穂高平も完全スル-。おいおい、マジかよ・・。ほんと勘弁してほしかったが、僕は半べそをかきながら休憩代わりに写真を1枚撮り、直ぐにほっしゃんを追いかける。何だアイツ、昨夜のエロ親父とは全く別人じゃないか!待ってくれ、ほっしゃん。待ってくれ、ス-パ-エロ親父!
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穂高平

何とかほっしゃんのしごきに耐え、ようやく待望の白出沢に到着。新穂高からここまで46分だった。ほっしゃんにせよ、タッちゃんにせよ、先に行かせるとロクなことはない。しかしここからは完全に僕のテリトリ-。一切主導権を譲るつもりはない。等間隔の隊列を組み、僕、波ちゃん、ほっしゃんの順で黙々と進む。途中横切る滝谷は、大雨の際は注意しなければならない。過去には増水した川を渡ろうとして3人が流され死亡する事故が起きている。ちなみに僕は以前、白出沢の増水で川が渡れず、ストックが流された挙句、止む終えず撤退に追い込まれたことがあった。先程の林道は歩くことすら許されず、精神的にも肉体的にもかなり苦労したが、登山道では岩場は気兼ねなしに歩けるし、ランナ-からすればそこら中が休憩ポイントだ。ハイペ-スでじわじわと高度を詰め、新穂高から1時間55分で槍平に到着。
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ヒカリゴケ
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滝谷
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ハイペ-スで進む
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槍平小屋到着

槍平小屋で初めての休憩を取る。朝食におりぎりを食べ、水筒の水も満タンにしておく。この先稜線に上がると双六小屋まで水場はないので、僕は通常の750ml、500mlだけでなく、今日は1㍑の予備水筒も持ってきた。ここから始まる南岳新道は中々の急登だが、やはりこういう急登は下りで使うより登りで使う方が理にかなっていると思う。ガンガンと飛ばし、高度を上げていく。やがて笠ヶ岳の眺望が見えてきた。その右手前には飛騨の展望台・奥丸山も見える。その2つの山は当初同じ目線の高さに見えていたが、高度が上がるにつれ、その上下関係は明らかになってきた。しばらく頑張って登り、振り返る度にその見え方が変わってきて面白かった。
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笠ヶ岳(左)と奥丸山(手前)

樹林帯を抜けると、一気に高度感が増してくる。ほっしゃんが岩肌を登ってくる姿は、さながらTJARのワンシ-ンのようだった。太陽がもう少し高い位置にいれば、もう少しいい写真が撮れたのに残念だ。右の方向には穂高の峰々や、焼岳なんかもよく見える。大キレットは直ぐそこに迫り、中々見れない角度からその全貌を眺めては楽しんだ。南岳新道のこの辺りを歩いていると、左下に道筋が見えてくる。見るからに登山道のようだが、おそらくこれは旧道なのだろうなと思う。新道から取り付く箇所はないので、危うく迷い込むことはなさそうだ。今では使われていない旧道ではあるが、遠くからでも確認出来る道筋を見て、ナスカの地上絵(ペル-)を思い出した(見たことはないが)。
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樹林帯を抜け
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稜線を捉えた
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中腹をトラバ-ス
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笠ヶ岳
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目指せ、最強女子!
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大キレット全貌

そしてようやく稜線まで登り上げた。新穂高から約4時間、だいたいいつもこんな感じだ。波ちゃんは林道の上りランでも、登山道の急登でも少々離れてはいるが、大きく離れないのが本当に凄いと思う。あまりにも距離が離れたら僕ら男性陣は波ちゃんを待ちながら少し休んでいるが、彼女が合流するなり直ぐに再始動。その為、結局は波ちゃんだけ道中は全く休めていない。ここまで強い女性は僕は今まで見たことがないし、そうそういないだろうと思う。そしてこの”亀戦法”は距離が延びる程威力を発揮することを、僕らは先週の白山白川郷で散々思い知らされた。そして今回もまた、彼女の強さを目の当たりにすることになる。
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南岳小屋


つづく・・



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タツノオトシゴ(0)~山と酒、どっちがメイン?

先週の白山白川郷に続き、今週は地元山域に入った。日中は小学校の運動会があり、先週山旅を共にしたほっしゃんやタッちゃんだけでなく、康介なんかとも立ち話をした。康介は今、PTAの広報委員長を任されているようで、昨年のヒラから見事昇格したそうだ。来年TJAR連覇で引退した暁には、そのスピ-チ力を活かし是非PTA会長でもやってくれよと言っておいた。康介に先週の白山白川郷の話をすると、来年のTJARが終わったら是非一緒に連れて行って下さい!と目を輝かせてニコニコ言ってきたが、どうせ得意の社交辞令だろと僕は意に介していない。僕は彼らより若干年上だが、子供が7人もいると大学生から赤ちゃんまでその親とは幅広く対応出来る。明日は波ちゃんの希望もあり、中尾発着で焼岳~上高地~前穂高岳~奥穂高岳~涸沢岳~新穂高のCT24時間(+ロ-ド2.5㌔)をやろうと急遽コ-スを変更した。このまま予定通り焼奥穂に行くなら、2時起床、3時発のつもりでいた。しかし刻々と時は流れ、21時お開きの予定を過ぎても全く終わる気配がない。僕らは山に登りに来たのか、酒を飲みに来たのか、一体どっちがメインなんだ?全てを統括する僕ですら、何がしたいのかよく分からなくなってきた。ただコ-スは他に2つ用意していたので、ここは当初考えていた緩めのコ-ス(新穂発着、南・槍・双六周回、CT22)に戻そうと思い、気にせず宴をそのまま続けた。『既にもうジャ-ニ-は始まってますね!』とほっしゃんがニコニコしながら呟く。
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ほっしゃん曰く、『ここからがジャ-ニ-ですね!』

この場所は車中泊を好むキャンパ-にとっては都合がよく、僕らの宴の並びには似たような光景がずらり続いていた。新発売の僕のN-VANに2人の年配男性が各々反応し、使い心地や燃費、値段について色々と質問をしてきた。車中泊を好むアウトドア派にとって、維持費のかからない軽のN-VANはやはり気になる車種の筆頭格なのだろう。ちなみに僕としての感想は遊びとしては使えるが、仕事には全く使えない。荷台の横幅が極端に狭くなった為、測量道具一式が満足に積めず、いちいち後部座席を前に倒しフラットにする必要が出てくる。途中の高さで止まらない首当て、後部座席の背もたれが後ろに倒れない、助手席の前後移動が出来ない等、前車種バモスと比べ極端に劣り、不満を言い出せば切りがない。各自持参のビ-ルやチュ-ハイも無くなり始め、ホットワインに移行。少し肌寒い星空の下で飲むホットワインは正に格別だった。更に夜は更け、僕のフラスコを皆で飲み回す。初めて口にしたほっしゃんは、『ク-ッ、来た!一気に来ますね。やっぱ男って感じですわ!』と悪そうな顔で、何を今更的な発言をした。ウィスキ-やラム、ジンなど強い酒は、そのまま飲むのがやはり一番いい。水や氷、ましてや炭酸で割るような軟な飲み方は、格好悪過ぎて山男のするものではない。
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カップ麺で夕食  ※それにしても、ほっしゃん顔怖すぎ
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ほっしゃん曰く、『ク-ッ、来ますね!男って感じですわ』

フラスコ2本を3人で回し、日付けは日を跨いでしまった。それでも”山に登る”という本質だけは失わず、宴を強制終了した後温泉に入り、深夜1時各々の車へと戻った。明日はコ-スタイムが最も短いタツノオトシゴ(CT20時間半)にコ-スを落とすつもりで、僕の気持ちは既に固まっている。ただ、問題は出発時刻。このメンバ-なら10時間もあれば充分帰って来れるので、僕的にはスタ-トをどれだけでも遅らせたかった。しかし他の2人が譲らない。『俺らは寝ずにミラ-ジュランド~上高地~自宅を数日かけてやりましたから、寝んでも大丈夫っすわ!』とほっしゃんが完全に酔っぱらった逝った目つきで僕に訴える。『そうじゃなくて、俺は酒の話をしてるんだ!』と返すが、頑固者の2人は僕の主張を珍しく拒み続けた。これだけ酒を飲んで2時間で起きれる(酒が抜ける)はずがない・・。僕はそう思ったが、仕方なく3時起床、4時発で結局は僕が折れることになった。
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ウィスキ-(フラスコ飲み)訓練中
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夜の宴


つづく・・



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