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緑ノ笠(2)

・・前回の続き


緑ノ笠(9:01、9:47)  惜しみないが、緑ノ笠を発つ。何せ帰りが心配、無事稜線まで戻らなければ喜ぶに喜べない。山頂に立ち、細い目を見開き、稜線一帯を凝視する。比較的容易に登れそうな箇所を探しているのだが、どこも変わらないように見える。ここでしか見れないような月と笠のコラボに感激し、決めた方向へと進む。テント場の位置を下からおおよそ特定、その方向へと進んでみる。振り返ると、緑ノ笠が久々の客人に別れを言っているように見えた。意外と歩き易いじゃん、やっぱこっちだったな。・・いや違う、何だこの道は。これを数回繰り返し、ひょこんとテント場に出た。やはりここに出たか、最初からこのコ-スを辿るべきだった。
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穴毛槍  ※ここも行ってみたいけど、たぶん死ぬな
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緑ノ笠を発つ
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稜線へのル-トを探る
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大笠と月
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平原の池
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緑ノ笠を背に
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一見ル-トのようだが際どい箇所も
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やっぱここに出たか

笠ヶ岳(10:54、11:10)  小うるさい笠の従業員に『道が違うぞ~』と何度も叫ばれ(叱られ)ながら、ようやく大笠に到着。笠ヶ岳はどこからでも登れそうなのに、こうもル-トばかり強く求められるとホント辛い。別に少しばかり反れたとしても、岩は安定しておりラクは起きないのに。叱咤されながら登った笠ヶ岳だが、眺望は相変わらず良い。岳登は小3以来の登頂となり、僕は4~5回目くらいだろうか。緑ノ笠は直ぐ下に丸見えの状況、先程までの一部始終は笠の山頂から見られていたのかも知れない。まさか大キジの姿も・・。
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大笠(笠ヶ岳)
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槍穂高の眺望  ※手前稜線右下に緑ノ笠
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焼岳と中尾集落
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双六へと続く道

稜線笠新道分岐手前(12:20、12:38)  笠ヶ岳での時間を終え、楽しいはずの帰りの稜線歩き。僕の体力の衰えを嫌ほど痛感し、かなり情けない歩き様であった。稜線歩き後半、数分歩いては立ち止まり、溜息ひと吐き。そして又、歩いては立ち止まる。直ぐ目の前に見えている笠新道への取り付きが、果てしなく遠い。それも限界となり、休憩目標だった取り付き目前で已む無く休止。『あの人いいな~、もうあそこに付いとるよ~。あ~あ、あの人になりたい』。何とも情けない言葉を吐きつつも、長く辛い稜線歩きを終えた。よ~し、後は下るだけだ。そして下りに入った途端、何故か突如元気になった僕。さっきの仕返しとばかりに稜線で抜かれた数人をゴボウ抜き。なんだアイツは・・と思われただろうが、気分爽快で悪くない。最も辛かった先程までの稜線後半、あの人になりたいと叶わぬ夢を抱いていた例の”あの人”も颯爽と抜き去り、結局は”あの人”にならなくてよかった。これには岳登も失笑。長い笠新道の下りに後半苦しめられたが、何とか下山を終え林道まで戻って来た。
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紅葉の下り

笠新道入口(15:56、16:03)  ここからの林道歩きもやけに長く感じたが、この林道はいつだってそう。一番疲れている時に、こうやっていつも登山者をいじめてくる。歩いては立ち止まり、又歩いては立ち止まり、それを繰り返していたらようやく建物の屋根が見えてきた。お~、なんと美しい屋根。人間辛くなると、都合のいいように頭が働いてしまう。きっとこれを巷では、ポジティブとでもいうのだろう。
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笠新道入口

新穂高駐車場(17:12)



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| '12山行記録 | 08:00 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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緑ノ笠(1)

以前から気になっていた、緑ノ笠。笠ヶ岳の緑バ-ジョンだなんて、誰が名付けたか何だかロマンチック。きっと山頂は、深い緑に覆われているんだろう。笠新道を登り切り抜戸岳、そこから笠ヶ岳へと続く稜線の左下にこの山はある。わざわざ立ち寄る変わり者はほとんどおらず、この山の存在を知る登山者も少ないだろう。岳登と登る久々の山、というより僕自身久々の山。最近勉強ばかりで頭も体も相当滅入っている。まだ笠を日帰りするくらい楽勝だろう・・と甘くみていたが、僕の体力は恐ろしい程落ちていた。


【山域】緑ノ笠(2654m)、笠ヶ岳(2897m)
【日時】平成24年10月8日
【天候】晴れ
【岳人】岳登(中1)、僕


新穂高駐車場(1:55)  前夜新穂高の登山者駐車場に入り、久々の車中泊。昨年ではほぼ毎週だった出来事も、今では大変懐かしい。そして翌朝、暗闇の中駐車場を発つ。僕等より一足早く、男性が1人闇の中へと消えて行った。建物や橋が壊され目まぐるしく形相を替えつつあるバス停周辺を越え、左俣林道へと入っていく。林道でいつも遅れをとっていた岳登だが、今ではもう中学生。いつしかその差はなくなっていた。
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新穂高無料駐車場

笠新道入口(3:02、3:18)  笠新道の入口に到着。水場は涸れていた。ここの水はいつも豊富なイメ-ジだっただけに意外だが、今回当てにはしていなかったので受ける影響はない。闇の中、ヘッドライトの明かりを頼りに黙々と標高を稼ぐ。ライトの電池残量が少ないのか、僕の視力が落ちたのか足元が弱冠危うい。それに僕の筋力が急激に老化したせいか、常にふらふら感がつきまとう。日の出を稜線で拝もうと急いだが、体力虚しく、杓子平手前で朝を迎える。槍穂高稜線の大キレット右裾で、太陽が眩しい輝きを浴びせかけてきた。太陽は空の色を変え、キレットの形に陰りをつけた。杓子平も目の前だ、気合が入る。
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暗闇の笠新道
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欠ける大キレット

杓子平(6:16、6:26)  杓子平まで来ると、朝日に染まる飛騨の名峰・笠ヶ岳(大笠)が目の前に現れた。目指す緑ノ笠も確認出来たが、意外と標高差があるように見える。日影は肌寒いが、歩き出し日向に入ると心地良い。駐車場で一足早く出て行った単独行の年配男性だろうか、斜面に張り付く姿が見えた。木々は凍り、白い霜をまとっている。稜線が見えた途端僕も元気になり、久々に岳登をせかす立場へと返り咲く。単独行を抜き稜線下まで来ると、稜線を下る昨日登頂の集団と次々擦れ違う。随分早いですね、と言われたはいいが、いつもならとっくに笠の山頂に着いている頃だろう。
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朝日を浴びる大笠小笠、緑笠(大笠の下)
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稜線近し

稜線(7:23、7:28)  やっぱ稜線はいいな~。色んな山が周囲一帯に望め、岳登と築いた幾つもの思い出が蘇る。それら明確な過去の出来事は、岳登の脳裏にも鮮明に残っているようでそれが実に嬉しい。昭和スタイルの中学生とヘボ親父。緑ノ笠が視界に入ったところで、迷わず稜線から脇に反れた。テント場の奥に道らしきものがある事は知っていたが、そこまで行かずともここで充分と判断。しかし一見なだらかな斜面は、いつしか足元不安定な危うい斜面へと変貌を遂げた。戻るのも危険、何とか慎重に下りる事にする。周囲の石はほぼぐらつき、草も滑る。一旦滑ったら、草原まで一気に落っこちてしまいそう。こんなとこで怪我をする訳には絶対にいかない。下りれそうな箇所をジグザグし、何とか草原まで下り切った。そこは天国かと思える程の別世界、誰にも侵されていない神秘的な場所であった。やはり緑の正体は這い松である。その這い松を掻き分け、小山の頂き目指し再度藪に突入。目の前にあるはずの山頂は背丈程の這い松で見えない。何とか難所を脱出した先に踏み跡が見えた。なんだ道があるのか・・、何だったんだこれまでの苦労は。 
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久々の稜線歩き
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緑ノ笠目掛け適当に落下
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意外とやばい  ※稜線の人が心配げに見てる
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足場はどこも悪く、一切気が抜けない
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草付きもやばい  ※落ちたらズルズルいきそう
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何とか無事に平原コル
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這い松が煩い  ※緑の正体は這い松なんだから仕方ない
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山頂直下で踏み跡発見、ショック

緑ノ笠(9:01、9:47)  誰もいない、いるはずもない静かな山頂。笠ヶ岳が背後に見え、稜線の位置からもここが異次元の場所である事が伺える。なだらかな山頂にはケルンがあるが、他に山頂を示すものは何もない。山頂の先に筋が続いているように見える。折角なので少し辿ってみたが、ドツボにはまりそうなので深追いは厳禁。まぁ気になっていた山だけに感慨も一入なのだが、稜線への戻りが心配で心から喜べないのが非常に残念である。
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緑ノ笠山頂 ※後で気付いたが山頂の石に薄っすら文字が、背は笠ヶ岳
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稜線を背に


つづく・・



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| '12山行記録 | 17:15 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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焼岳と年中さん(2)

・・前回の続き


保育園年中さんのナナは、すでに稜線に這い上がり姉穂乃花の到着を待っている。ここから左に痩せた岩稜を登ると南峰となる。こちらの方が標高が高く本来の山頂となるのだが、そちらは危険地帯という事で規制がされている。よって、北峰が一般的は焼岳山頂となる。その北峰の直下の裾を巻く。この辺りから岩場続きとなり、幼子にとって最大限の注意が必要だ。主稜線の焼岳肩に出て中尾からのル-トと合流、一気に笠や槍穂高等の眺望が広がって見えてきた。噴煙湧き立つ脇を抜け、高低差のある大岩を慎重に乗越えたらそこがゴ-ル、焼岳北峰山頂である。
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北峰の裾を巻く  ※山頂に人が立っている
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肩に取り付く
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ズボンや登山靴は幾度となく修復、徹底的に使い込む
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岩さばき
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焼岳到着


焼岳北峰(9:47、11:05)  すごいぞナナ、よく一人で頑張ったな。山頂は既に多くの登山者で溢れかえっていた。さすが大人気の焼岳だ。まだ残雪が多く残る近辺の高峰を避け、標高が劣るこの山に流れて来ているのだろう。駐車場で見かけた多くの車の持ち主は、僕等より早い時間帯に登山口を発っていたようだ。それに上高地からの登山者と中尾からの登山者も加わり、山頂は大混雑になっている。代わる代わる新しい登頂者が山頂に現れ、その勢いは増すばかり。山頂で山行で人を見た事がないナナにとって、その光景は強烈だったに違いない。『この山って、すごい人気あるな!』、年齢に似合わない話し口調がやけに初々しい。つい先日まで”赤ちゃん”と呼ばれていた彼女にとって、実に素晴らしい快挙である。白桃やミカンの缶詰、とうもろこし、ポテトチップス、おにぎりを食べ、大切な一時を楽しく過す。この山頂は意外と危ない、絶対に子供から目を離してはならない。
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焼岳北峰とナナ4歳  ※後方は穂高、槍、双六岳の稜線
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笠ヶ岳と中尾集落
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真空パックのとうもろこし
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火口と姉妹

稜線から合流広場までの下りは、砂地が足に滑り幼子には難儀である。傾斜に踏ん張り切れず何度も転倒。僕等によく似た形態の父子一行が、上に向かって行った。小学生低中学年の女児姉妹、年長男児、お父さんの4人連れ。その父子にしても、これまで幾つかの過程を経て今日に至っているのだろう。簡単に子供が易々登れるような、そんな甘い山ではない。無事登頂を果たし計り知れない自信をつけたナナの話し振りが、帰路も実に好調だ。『しゃべっていると、早くつくな!』、『やっぱ、この山すごい人気だな!』。この”な”で終わる口調が実に愉快で愛くるしい。完全に僕等と同等、もう”赤ちゃん(彼女の愛称)”なんて誰にも言わせない。
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下山
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焼岳にも花は咲く  ※そう言えば南峰はお花畑だったな
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さようなら焼岳
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幼子にとっては難所の連続

合流広場(12:20、12:35)  広場での休憩後、要望に応え穂乃花が担いでいた小ザックをナナに持たせる事になる。お~いいぞ、何事も訓練だ。だが体が小さく肩幅が狭い幼子には、小ザックでさえ大きな存在となり彼女を苦しめている。両手で押さえつけていないと肩から落ち、思うように歩けない。後ろからしばらく様子を見ていたが、その姿に見かねて任を解く。誰もザックを持たせようなんて思ってもいない、歩いただけでもかなり立派だ。その意気込みも、こりゃ又凄いね。  
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ザックを持ちたい
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快調闊歩

中ノ湯駐車場(13:58)  何事もなく山行は終了。『ちっとも疲れんかったな!』、『又来たいな!』。彼女の言葉に無限の可能性を感じた。僕と穂乃花は終始驚き、彼女を見る目が明らかに変わってきた。弟の大志にはその記録を破り、是非年少で登ってもらいたい。子供の数だけ、僕には夢がたくさんある。    
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駐車場



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焼岳と年中さん(1)

飛騨山脈(北ア)主稜線南方に位置する、焼岳(やけだけ)。別名”硫黄岳”とも呼ばれている活火山だ。息を切らし上部の稜線へ這い上がると、轟音を鳴らし吹き上がる噴煙、麓温泉地の源泉を想わせる硫黄臭が登頂した者を荒々しく迎えてくれる。我が家にとっても父子の絆を確かめる、我が子の成長を知る、そんな大切な舞台ともなっている。僕は数ある名山の中でも、この焼岳が断トツで好きだ。岳登と穂乃花は小1で中尾から(長女は小3)、嶺花は年長で中ノ湯から登り、無事完登を果たしている。そして今回は4歳年中のナナを連れ、中尾に比べ弱冠行程の短い中ノ湯のル-トにて登頂を狙う。彼女のこれまでの歩きっぷりや気力を見ていて、何ら問題はない、と判断した故の挑戦である。


【山域】焼岳北峰(2393m)
【日時】平成24年6月24日
【天候】晴れ
【岳人】ナナ(年中)、穂乃花(小5)、僕


中ノ湯駐車場(5:55)  前夜平湯に入り、トンネル料金所手前にある大駐車場にて車中泊。ナナは既に熟睡、宴会が大好きな穂乃花と少し夜を楽しんだ後、床につく。毎朝5時に起きているせいか、翌朝5時前には自然と目が覚めた。洗面等を済ませ、車にて移動。中ノ湯の登山口は温泉旅館の上部に位置し、駐車場は既に一杯であった。道路脇に寄せて車を停め、颯爽と歩き始める。ここの標高で1600m超、山頂までは850m程の登りとなる。幼子のナナとて登山歴は既に2年目、普段道のない藪山で鍛えられている。登山道のある、人のいる山は始めてに近い。体が大きくなってきている事もあり、階段や石場の急な段差も両手両足を使い、上手くこなしていた。この急勾配は彼女には辛いだろうが、一気に高度が稼げて満更損ではない。高度計の標高をペ-スに道先案内人の穂乃花、主役のナナ、僕と隊列を成し進む。
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中ノ湯登山口
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登山道

第一ベンチ(6:35、6:50)  騙し騙し1時間歩かせたかったが、丁度いいところにベンチがあったので休憩とする。一合サイズの特大おにぎりを豪快にかぶりつき、朝食とする。おにぎりは一度に食べようとせず、何度かに分けて食べた方が腹にも易しいし、美味しく食べられる。そしてタンクの水を飲み、喉を潤す。子供達はあまり欲しがらないが、水は高山病対策にもなる、無理にでも飲んでもらう事にしている。
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第一ベンチ
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焼岳が顔を出す

合流広場(7:49、8:07)  ここまで来れば断然元気が出てくる。目の前に焼岳の雄姿が突如現れ、噴煙の姿も確認。広場では先程来何度か擦れ違っている『元気ですか~!』と叫ぶオジさん夫妻が、休憩を終え発つところだった。空いたベンチに座り、特大おにぎりの残りにかぶりつく。ここから少し進めばやがて森は果て、開放感抜群の森林限界領域に入る。砂地と岩場混じりの登山道を、目の前の稜線目指し登り詰める。振り返れば残雪を抱いた乗鞍岳が背後に聳え、やる気も出るというもの。子供達は登山道脇の残雪に素早く反応し、とても嬉しそうだ。
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合流広場を発つ
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雪渓
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森林限界越え
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残雪をカット
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眼差し

2300m大岩(9:00、9:13)  ナナの調子はすごくいい。一度もぐずらないし、ペ-スも非常に快調。一気に登り切ってしまえそうだが、大岩で一度休憩を入れる。樹林帯の中ではほとんど登山者とは出会わなかったが、斜面に取り付くと前後に登山者の姿がやけに多い。単独行、男友達同士、恋人達、年配のご夫婦、パ-ティ-等、その構成も実に様々。休憩を終え、目の前の稜線目掛け最後の登りにかかる。遅れる姉の穂乃花をよそに、妹のナナが絶好調をキ-プ。後ろにぴったり張り付いている僕にぼわれ、一番先に稜線に出た。
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2300m大岩
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姉を追う
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姉を抜く

稜線火口(9:34)  お疲れナナ、よく頑張ったな。ここは南峰と北峰のコル、火口や万年池が眼下に広がって見える。以前は今程登山者がいなかったせいか、火口を覗きにいったりもした。今ではそんな事をする馬鹿モンはいないだろうし、規制されている南峰に登ろうとする人もまずいない。
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頑張れ姉
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笠ヶ岳と火口の噴気煙
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火口湖


つづく・・



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| '12山行記録 | 13:45 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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高岩ス山のカモシカ君

今日は山登り目的ではなく、笹の子目的にこの山に入った。数週間前の嶺花との登山で初めてこの山に入った際、笹の子の可能性をにわかに感じていた。その時は時期的に小ぶりなのかと結論付け、数週間後の再来を誓った。その嶺花は朝から機嫌を損ね来なかったが、笹の子を誰よりも美味しそうに食べてくれる穂乃花に、是非とも自分で採る楽しみを教えてあげたい。・・結果、藪はかなりの量を増しているが、親笹は今一幹の太さがパッとせず、以前確認していた新芽すら一つも見当たらない。結局終始激しい藪を漕ぎ、山頂三角点で休憩して下りてきた。残念だったな・・、と穂乃花に半分謝り、こんな事もあるわな・・、と自分を慰めている。そして道路が見えてきた頃、意外な役者が僕等の前に現れた。両者共に立ち止まり、じっと互いを見つめ合う。目の前の彼も身動き一つせず、こちらをじっと覘き込んでいる。カモシカの彼とて、僕等人間の事が非常に珍しいのだろう。しばらく立ち止まって眺めていたが進展がないので、そっと近付いてみる作戦に出た。そして穂乃花との距離が数メ-トルになった頃、彼はようやく背中を向け、ノソノソ反対方向へと歩き出した。中々おっとりした君に出会え、今日という残念な日が僕等二人の特別記念日となった。
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藪斜面
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高岩ス山
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カモシカ君
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遭遇

駐車地(8:10)-高岩ス山(8:56、9:28)-駐車地(9:52)



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