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本州横断ゼロフジゼロ~INDEX


本州横断ゼロフジゼロ(0)~出走を前にして
本州横断ゼロフジゼロ(1)~概要
本州横断ゼロフジゼロ(2)~前夜荷造り完了
本州横断ゼロフジゼロ(3)~いざ因縁の地へ
本州横断ゼロフジゼロ(4)~蒸し暑さの洗礼
本州横断ゼロフジゼロ(5)~嗚呼、これで俺もお終いか
本州横断ゼロフジゼロ(6)~温存区間に大苦戦
本州横断ゼロフジゼロ(7)~出たな幻覚!
本州横断ゼロフジゼロ(8)~遠い山頂
本州横断ゼロフジゼロ(9)~敗北のサンライズ
本州横断ゼロフジゼロ(10)~執念の時間内ゴ~ル!
本州横断ゼロフジゼロ(11)~代償


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本州横断ゼロフジゼロ(11)~代償

2022年7月30日(土)  ゴ-ル翌日
富士~名古屋~古川(岐阜県)



朝食会場(1階レストラン)へは、館内スリッパでのご来場はご遠慮下さい・・。確かこんな内容の注意書きがどこかに貼られていた。そしてゴ-ル翌日の朝食の時間。左足の甲は象のように膨れ上がり、そもそも左の靴が履けない。仕方なく館内スリッパのまま、ビッコを引きながら朝食会場へ。案の定、レストラン入口で受付の女性スタッフにその点指摘されたが、靴が履けない旨を申し出て即解決。幸い食欲だけは旺盛で、体に良さそうな物をたらふく食べて体調回復に努めた。現在の最大の悩みどころは、この左足。左膝の腫れも心配だが、先ずもって小指の水膨れがヤバいことになっている。尋常でない程痛く、これがまともに歩けない最大の要因となっている。
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ホテルの朝食バイキング
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昨日転倒して負傷した左膝が腫れている 

間もなくチェックアウト時刻になる為、部屋を出て、裸足のまま1階受付ロビ-へ。取りあえずチェックアウトはしたものの、足下は裸足で、靴下と靴は手に持っている。ロビ-前のソファ-に腰掛け、30分悪戦苦闘。悲鳴を上げつつも何とか左右の5本指ソックスと右の靴は履けた。しかし靴紐を目一杯緩めても、どうしても左の靴だけは履けない。苦戦する僕の姿を気にしてくれたフロント男性が、サンダルと氷の入った三角巾を持ってきてくれた。・・助かった、これでようやく外に出られる。ちなみにス-パ-ホテルに助けられたのは今回が二度目。昨年の本州縦断の際も、江津のスーパ-ホテルで大変良くしてもらった。せっかく静岡県まで来ているのだからと、今日は観光でもして帰ろうと昨夜の時点では考えていたが、ここまで重症だとは思いもしなかった。自力での無事帰宅だけを目指し、ビッコ歩きで駅構内を歩く。浜松駅、豊橋駅とJRを乗り継ぎ、名古屋へ。そこからは高速バスに乗り、何とか無事高山まで帰ることが出来た。
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JRの列車内  ※スリッパ、三角巾(氷)はホテルフロントで貰った
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先ずは普通列車を乗り継ぎ名古屋へ

高山到着後は、お気に入りの魚民高山駅前店へと直行。子供3人(次女、三女、次男)と合流し、今大会の出来事を面白おかしく振り返りながら、美味しい料理を腹一杯食べ、ビ-ルやサワ-、焼酎や日本酒、果実酒など浴びる程飲んだ。今回参加した、本州横断ゼロフジゼロ。一番暑い時期の大会なだけに、その壮絶さはある程度予測はしていたが、思った以上に大変だった。しかしそれに付随して、やり切った感は半端ない。ほとんど手弁当で大会を開いてくれた主催者の方(エントリ-費500円)、ともに闘ってくれた同志達、どうも有難うございました!来年は『本州横断ゼロフジゼロフジゼロ』という往復の部(634km)が初開催されるようだ。さすがに往復に出たいとは思わないが、永久ナンバ-(11番)も頂けるようだし、是非来年も参加したいと思っている
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高山到着後、魚民高山駅前店で娘らと打ち上げ
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魚民最高!
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左足が象のよう  ※元通りに戻るのに数日かかった
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完走証


JR(富士駅~名古屋駅3740円) 高速バス(名古屋~高山3100円) キオスク(缶コ-ヒ-大162円) ※魚民(4人10600円)  計7002円

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本州横断ゼロフジゼロ(10)~執念の時間内ゴ~ル!


・・前回の続き


富士山の山岳パ-トを終え、後はゴ-ルに向けてのロ-ド45kmを残すのみとなった。おそらく以後は下り一辺倒だろうし、富士山の下りはいい調子で脚は動いてくれた。さほど苦しまずとも距離は詰めていけるだろうと俄に期待し、舗装道を走り始める。しかしどうも様子がおかしい。富士宮口手前のトレイルは気持ち良く走れていたのに、何故だか舗装路では全く走れない。これがトレイルとロ-ドの違いか、と初めて思い知らされた。何はともあれ、先ずは補給。この五合目売店(外に自販機有り)を逃すと、この先35km自販機すら存在しない。しかしこの売店や自販機が異常に高かった。てっきり下界と同料金か、せいぜい少し高いくらいだろうと思っていたが、この場に及んでまだペットボトル1本が300円もする。仕方なくここはペットボトル1本だけで我慢し、手持ちの水500mlとの2本体制で長いロ-ドへと向かうことになった。
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二合目(9:43)  ※このトイレ(手洗い場)が唯一の水場で、富士宮口五合目以降山水すら得られない
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富士市(9:54)

簡単に走れそうな下り坂。惰性で下るだけなのだから苦せず進めるだろうと思っていたが、問題は足裏の痛みだった。足裏への負担も終にピ-クに達したようで、トレイルでは走れるものが、固いアスファルト路面では痛くて全く走れない。その違いは顕著だった。距離はほとんど縮まらず、時間ばかりが過ぎていく。タイムラインから察し、後ろに1人、前に2人選手がいるようだ。10:23、CP18(旧料金所跡、285.2km)に到着。しかしあいにく携帯の電波が入らず、この先も含め、しばらくCP通過報告が出来なかった。脚休めを主目的とし、料金所脇のスペ-スに横たわって少し仮眠する。寝落ちする前に、直ぐに誰かが現れた。後続の選手かと思いきや、ル-ト3776で山頂を目指す男性2人組だった。
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CP18(旧料金所跡、285.2km)  ※圏外の為システム報告が出来ない

脚が痛くて一向に走れない。歩き続けるだけでもかなり辛いが、もはや僕には歩くことしか成す術がない。この界隈谷筋はどこも涸れ果て、XXXX年の地球滅亡の前兆のようだった。普段僕は林道や峠ばかりを走っているが、大概どこかしら谷水くらいは汲めるし、最悪水路の水でも平気で飲む。しかし富士山の裾野では吉田側もそうだったが、水気が全くない。気が滅入ってきた頃に現れるのが睡魔。西臼塚駐車場の路上で横たわって数分仮眠。今度はよく寝れた。例え数分でも寝落ちすることで、幾らかは楽になる。すくっと立ち上がり、歩行開始。あ~脚が痛い、だるい、もう嫌だ。楽しいことなんて何一つない。時間内完走はもう絶対無理だと完全に諦めていた。この辺り、逆方向から歩いてくるル-ト3776の挑戦者が何組かいた。同じ富士山を目指す者として、擦れ違いざま挨拶以上の言葉を交わす。そしてある女性2人組と言葉を交わしたことが、僕の運命を変えた。その時僕は、前を行く選手の位置や状況を尋ねていた。『かなり辛そうでしたが、頑張って走ってましたよ!』。そう聞いた瞬間、僕の心に火が点いた。
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富士宮市(11:13)

一体俺は何をやっているんだ・・。頑張って走ればまだ間に合うものを、もう走れないと勝手に決めつけ、時間との闘いを自ずと放棄している。人の限界なんていうのは実は無限で、気持ち次第でどうにでもなる。以降完全に人が変わったように、痛む足に鞭打って必死に走り続けた。一先ず次のCP(セブン)まで走り切れば、何とかゴ-ル制限に間に合うかもしれない。強い気持ちが後押しし、不思議と走り続けることが出来た。大会前、主催者が下見して注意喚起してくれていた土砂流出箇所。靴を汚さまいと慎重に足下を選んだつもりが、そこでまさかの尻もち。敢え無く靴は泥まみれになってしまったが、何故だか余計に気合いが入る。その後しばらく走り、今度はまさかの大転倒。スマホで地図を見ながら走っていたのがまずかった。左膝を強打し、痛くてしばらく立ち上がれない。膝からは血が流れ、中はズキンズキンと痛む。しかし処置をする時間も、痛みが引くのを待つ猶予もない。

痛みを抱えながら再び走り出す。きっとこれは、僕が完走に値するか試されているのだろう。そうポジティブに捉えた。そして念願のセブンイレブン八王子町店(CP19、306.6km)に到着。頑張った甲斐あり、時間的にも少し余裕が出来てきた。ここで時間内完走を確信し、待望のコンビニでドリンク補給。前の選手も続々とゴ-ルしているようだ。そして16:02、CP20(救急センタ-前交差点、314.2km)。ここまで来れば、ゴ-ルまで残り3km。歩いても充分間に合う計算だが、最後まで気を抜かず、そのまま走り続けた。ここを越えれば、いよいよ田子の浦港か。しかし工事中でその先に進めない。冷や汗をかきながら何度か人に尋ね、行ったり来たりを繰り返す。制限時刻は迫っているのに、こんな大事な場面で10分以上無駄な時間を費やした。この迂回路についても予め主催者が注意を促してくれていたが、こんな大事(おおごと)とはいざ知らず、頭には残っていなかった。
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CP20(救急センタ-前交差点、314.2km)  ※CP19(セブンイレブン八王子町店)は写真なし

無事港に出た。反対側から多くのランナ-がこちらに向かって走ってくる。本日夕刻(任意時刻)スタ-トの富士山頂往復マラニックの選手達だ。田子の浦をスタ-トした選手ばかりなので、その選手らが進んでくる方向へと進めば間違いはない。間に合うか、間に合わないか!痛みも忘れ、とにかくもう必死だった。そして終にドラゴンタワ-を目の前に捉えた。どこだ、どこから上るのだ!そして16時44分、無事3776cmの頂に立ち、今回の旅は静かに幕を閉じた。ゴ-ル制限(17時)の16分前。残り3kmのCP20以降、もうこれで大丈夫だと歩きに切り替えていたものなら、おそらく制限時刻は越えていただろう。誰もいないゴ-ル地点。当然スタッフの出迎えもなければ、観衆の黄色い声援もない。精根尽き果てた僕は、その場に崩れるようにしてしゃがみ込む。早速システムにてゴ-ル報告を終えると、直ぐに三女(4子)から労いのラインメッセ-ジが届いた。
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田子の浦への入り方が分からず、かなり焦った
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田子の浦港
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終に辿り着いたぞ
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富士山ドラゴンタワ-  ※高さ3776cmと富士山の1/100スケ-ル
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階段を上り
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ゴ~ル!(田子の浦・富士山ドラゴンタワ-頂上、317.2km)  ※何とかギリギリ間に合った

公園内、ドラゴンタワ-から少し離れた場所に富士山頂往復マラニックの受付会場が見える。3日目に出会った阪田選手は本日の朝ゴ-ルし、その後富士マラのボランティアスタッフとして受付業務に当たっている。阪田選手には昨日会えなかったこともあり、是非とも一声掛けに行きたかったが、何せそこまでが遠く、往復することも困難なので仕方なく諦めた。さて、これからどうしようか・・。ゴ-ル後のことは何も考えていなかったので、しばらくスマホと睨めっこ。一先ず3.3km離れた快活クラブを目指すとする。つい先程までは無理して走れてはいたものの、ゴ-ル後は歩くことさえ厳しい状況。ビッコ歩きでは、おそらく時速3kmも出ていない。誰か車に乗せてくれないかな・・。甘い期待を抱くも、こんな時に限って声はかからない。何とか根性だけで歩き続け、漁港を抜け橋を越えた。快活への最短ル-トを辿るも、まさかのミステイク。体力的に戻る余裕はなく、座り込んで再び頭をひねる。快活は諦め、スマホで富士駅前のホテルを予約した。何とか吉原駅まで歩き、駅前の商店で夕食を買い、JRに乗車。ゴ-ル後歩いた3.4kmが、今回のどこ行程よりもきつかった。
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富士山頂往復マラニックの受付会場が見える
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脚が痛くてもう一歩も歩けない
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ス-パ-ホテルJR富士駅前(19:33)
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左足小指が重傷で、この後1週間歩けなかった
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夕食宴会  ※ウェルカムバ-(宿泊者無料)から持ち込んだアルコ-ル多数


ス-パ-ホテルJR富士駅前(富士市)泊


富士山頂トイレ(300円) 富士宮口五合目自販機(エネルゲン300円) セブン(モンスタ-206円、ドデカミン129円) ス-パ-オカムラ(ペヤング超大盛やきそば235円、サ-モンあぶり寿司377円※半額、ガリガリ君76円、ゆで卵3個103円) JR(吉原駅~富士駅190円) 宿(1泊朝食付き6500円)  計8416円

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本州横断ゼロフジゼロ(9)~敗北のサンライズ

2022年7月29日(金)  大会5日目・最終日
~富士(静岡県)

残距離:104.5km


猛烈な睡魔を抱えたまま、御来光登山者の大渋滞に捉まっている。行列が進む速度は限りなく遅く、TDL(ディズニ-ランド)の順番待ちと同じくらい。ゆっくりでも進み続けれればまだいい方だが、動きが完全に止まった時などは、コクンコクンと立ったまま頭を垂れる。その姿を見た登山者がいたとしたなら、『大丈夫ですか?』と心配されるのは必至で、そんな時は迷わず『あまり大丈夫でないです・・』と正直に答えたい。標高が3000mを越え、明らかに先程までとは違う寒気を感じ始めた。五合目以降ここまで登山用カッパ(上下)で過ごしていたが、この先の事態に備え、その中にトレラン用カッパ(上下)も着込み、手にはテムレスも着用。そんな完全防寒で何とか寒さは凌げたが、実際カッパを二重重ねしてもまだ寒く、上部での仮眠はとても無理だった。念の為持ってきた装備に救われた形だが、もし無かったらかなり厳しかった。
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八合目太子館(0:41)  ※五合目から山頂までの中間に位置する
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山小屋が開いているという安心感  ※物価が高過ぎるので物は買えない
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光の大海原
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山小屋のベンチはどこも登山者で溢れている
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いつしか大渋滞(3:36)

眼下で動いているのは登山者の明かり

徐々に薄明るくなってきたこの時間帯、見上げる先には吉田口頂上らしきが見えている。登山者はとにかく多いが、ガイドに導かれた団体客が一層多かった。昨夜五合目に取り付いた時点では登山道には僕以外誰もいなかった。行列は相変わらず動くか動かないかのスロ-ペ-スで、先を急ぐガイドらしき男性が、数人の客を引き連れ、『列に並んでいる方は左に寄って下さい!右を通ります!』と大声で叫びながら追い越していった。すかさず僕もその最後尾に付け、便乗させてもらう。こんな裏技があったのか・・。果たしてどこまで許されるのかは分からないが、このガイドの行ないはやや傲慢に思えた。慣れない山域、特に観光名所・富士山ではその独特のル-ルの理解に苦しむ。東の空がオレンジ色に染まり、日の出に間に合うのか心配になってきた。その内心を察してか、上の方からマイクで叫ぶ声が聞こえてきた。『今日の日の出は〇〇時〇〇分頃です!日の出には充分間に合いますので、そのまま列を詰めて順にお進み下さい!』。これじゃ完全にTDLのアトラクション、何とも凄い登山だ。
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夜明けは近いが
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列はほとんど進まない

4:15、何とか吉田口頂上まで登り切った。極度の眠気の発症から高山病の災いを心配したが、あまりにもノロノロとしたペ-スだったことが幸いし、高山病とは無縁で済んだ。混み合う吉田口頂上付近を避け、その先のお鉢上にて御来光をしばし待つ。そして4:42、富士山頂にて待望の御来光。一般的な感覚で言えば、この経験は一生の思い出として、人生の宝となる。しかし僕は山頂で御来光を拝む予定は当初なく、たまたまその時間帯に居合わせただけだった。本来であればとっくに富士宮口五合目に下山し、今頃ロ-ドを走っているはずである。ただ、大概の登山者はこの御来光を最大の目標とし遥々富士山にやって来たのだろうし、それを思うと自分は凄くラッキ-だなと思えた。週間予報は大会中雨マ-クばかりだったし、実際昨夜は雨にもあたり、雷まで響いていた。そんな中での御来光・・、やはりこれは何かの巡り合わせなのかもしれない。
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吉田口頂上(4:15)  ※とにかく人が多い
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御来光を待つ外国人(アジア系)グル-プ
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待望の時を待つ
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眼下に望む富士吉田市
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敗北のサンライズ(4:42)  ※予定ではとっくに下山し、今頃ロ-ドのはず
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だけどこれも有りかな  ※大概の登山者は、この御来光の為だけに遥々やって来たのだろうし
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上昇雲
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皆、一生の思い出になるのだろう

若干敗北的な日の出鑑賞を終え、最高峰の剣ヶ峰を目指す。時間も押しているし、寄るのはよそうかとも一瞬思ったりもしたが、ここは肝心のCP(チェックポイント)だし、そもそも剣ヶ峰に登らずして、今後ゼロフジも語れないだろうと思い直す。剣ヶ峰直下の浅間大社奥宮でトイレを借りる。関西の中学生だろうか、修学旅行らしき団体客の姿もあった。山頂へと続くザレ場はかなり足下が悪い。踏ん張りの効かない砂地に足を取られ、一度バランスを崩した。昨夕の馬返以来、道中拾った落ち木を2本杖にして使用してきたが、この時の衝動で1本が折れて短くなってしまった。影富士も見事だが、全容を望めないのが少々残念。目指すゴ-ルもそう遠くない位置に見えている。5:29、CP16(富士山剣ヶ峰、267.3km)に到着。これで”ゼロフジゼロ”のうち、”ゼロフジ”までは片付けたことになる。
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火口  ※剣ヶ峰(左)に陽が当たる
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剣ヶ峰へと続くザレ場
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影富士
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二等三角点『富士山』  ※所詮、二等かい!
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八ヶ岳連峰と雲海
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CP16(富士山剣ヶ峰、267.3km)
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目指すゴ-ルも見えている

陽が昇り、少し暖かくなってきた。完全防寒のカッパを全部脱ぎ、ノ-スリ-ブ、短パンの原始の姿に戻り、6:07、下山開始。登ってくる登山者はポツポツ程度で、こちらの富士宮ル-トの方が歩き易そうな印象だった。さすがに吉田ル-トのあの大勢の中を、急ぎ足で下るのは気が引けるし、下りに富士宮ル-トを使えるというのは今回のようなレ-スには適している。そして吉田ル-トのような厄介な岩場もなく、小走りで軽快に標高を落とす。幾つか山小屋を通り、7:34、CP17(富士宮口五合目、272.2km)へと無事下山。標準コ-スタイムが3時間半のところ、1時間半弱にてクリア。昨夜は睡魔に散々苦しめられたが、太陽の陽射しとともに、僕の頭も随分とすっきりしてきた。いい感じで走れているし、この調子で舗装路も走って下れるだろう。
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下山開始(6:07)
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富士宮ル-ト  ※大変下り易いル-トで、爽快に駆け下りた
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山小屋の自動販売機(一律1本400円)  ※山頂から結構下ってもこの値段
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CP17(富士宮口五合目、272.2km)


つづく・・

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本州横断ゼロフジゼロ(8)~遠い山頂


・・前回の続き


”ふじやま温泉”での大休憩を終え、気分新たに本日を仕切り直す。これから始まる夜の部に向けて、先ずは腹ごしらえ。この辺り美味しそうな店は多いが、気分的に幸楽苑へと入った。あっさり味の醤油ラ-メンはどこか懐かしく、一気に汁まで飲みほした。これから始まる富士山の山岳パ-ト。麓の大鳥居(CP14)から富士山頂の剣ヶ峰(CP16)までは、標準コ-スタイム(CT)で12時間40分。そこを5割で進めば、何とか日付が変わる前には登頂出来る。そして夜明け前には富士宮口五合目へと下り、引き続きゴ-ル(太平洋)に向けての45kmの最終ロ-ド。しかし下山後はとにかく店がなく、最初のコンビニが現れるのがゴ-ルの10km手前。従って下山後35kmは自販機すらない。入山前のセブンでこれら全ての買い出しを済ませ、16:48、CP14(富士山第一大鳥居、247.8km)に立った。
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幸楽苑の中華そば(440円)  ※久々に入ったが、昔はもっと安かったような
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富士山とその後のロ-ドに備え、多めに買い出し  ※この他水筒500mlはあるが、飲み物はもう1本必要だった
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CP14(富士山第一大鳥居、247.8km)
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北口本宮冨士浅間神社(16:51)  ※富士登山吉田口登山道の起点。世界遺産の構成資産の一つ

僕自身、富士山に登るのは12年ぶり2回目のこと。その時は当時小5の長男(岳登)と17時間半かけ、北口本宮冨士浅間神社から日帰りで山頂を往復した。ただこれは僕がまだランニングを始める前の話であり、その時の復路終盤では息子の方が逆に元気だった。吉田口遊歩道の看板に導かれ、森へと入る。しかしこれが失敗で、素直に舗装路を通っていれば距離も短く、道に迷うこともなかった。実際、遊歩道では紛らわしい看板に惑わされル-トミス。林道はやがて行き止まり、看板の場所まで泣く泣く戻り、無駄な時間と体力を費やしてしまった。
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富士山吉田口登山道のル-トマップ  ※画像クリックで拡大
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吉田口遊歩道へと入る(16:57)  ※これが失敗
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左折しなければならないところを直進してしまう(写真右の道は×)  ※この道標は分かり難い
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ようやく舗装道に脱出(17:18)
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最初から舗装道を進んでおくべきだった

明日は歴史ある(昭和23年~)富士登山競走が開催される。種目は山頂コ-スと五合目コ-スがあるようで、山頂コ-スの制限時間は4時間30分(五合目関門は2時間15分)というから驚きだ。17:51、中の茶屋。18:41、馬返。馬返以降、完全な登山道となる。まだそれ程は疲れていないはずだが、思うようにペ-スが上がらない。日が暮れるまでにはどれだけでも五合目に近付いておきたかったが、その想いは叶わなかった。日暮れとともに雨も降り出し、雷の音まで響き始める。雨を避けつつ樹の下に荷を下ろし、ザックにカバ-を装着し、トレラン用のカッパを着込んでおく。
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中の茶屋(17:51)  ※トイレ有り
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ル-ト表示
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馬返(18:41)  ※登山ポストはあるが、肝心の用紙がない
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一合目鈴原天照大神(18:55)
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二合目(19:24)
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三合目(19:56)
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四合目大黒天(20:17)

21:04、CP15(佐藤小屋前、260.1km)に到着。大鳥居から3時間もあれば着くだろうと安易に考えていたが、実際は4時間以上もかかってしまった。佐藤小屋のベンチで少し休ませてもらう。眼下に見える街明かりが煌びやかに輝いて見えるが、不気味な雷音が不安心を煽る。幸い雨が止んだことが唯一の救いだ。森を抜けたことで、この先の寒さは確実に増してくるだろう。トレラン用の軽量極薄レイン上下(パ-ラサイト)を脱ぎ、登山用のゴアテックスレインに衣替え。ア-リ-出走の何人かが、この登りル-ト上にいるようだった。何とか山頂までのこの登り区間で、追い付き、追い越すことが出来るだろうか。
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CP15(佐藤小屋前、260.1km)
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六合目(21:31)

得意の登りで何とか巻き返したいところ。暑くもなく、着込んでいるので寒くもない。深夜0時登頂目標なので、御来光目的の登山者とは当然かち合わない。自分のペ-スで進めるこの時間帯が、今回のようなレ-スではやはりベストだろう。眼下の街明かりに勇気をもらい、このまま山頂まで一気に進む。・・が、この場に及んで睡魔到来。眠くて眠くて仕方なく、登山道に横たわっては数分間目をつむる。そして起き上がり再び歩き始めるも、直ぐに眠気に襲われる。猛烈な睡魔にまともに歩けず、木の杖2本を使っていても、フラフラして危うい。ペ-スは劇的に遅くなり、終いにはその場で意識朦朧と立ち止まり、カクッと膝が折れる始末。辛うじて杖で体は支えており、立ったまま寝ているのだ。標高が上がるにつれ、寒さは一段と増してきた。この寒さは想定内だったが、まさかこんな大事な場面で睡魔に襲われるとは。
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街の明かり
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七合目日の出館(23:10)


徹夜


自販機(モンスタ-210円) セブン(おにぎりツナマヨネ-ズ135円、たまごサンドイッチ270円) セブン(ザバス180円) ふじやま温泉(平日大人1500円) 幸楽苑(中華そば440円) セブン(メロンサイダ-117円、ゆずレモンサイダ-100円、おにぎり紀州梅124円×2、おにぎり昆布119円×2、おにぎりツナマヨネ-ズ135円×2)  計3708円

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