焼岳を味わい尽くせ(2)~硫黄卵

2006年夏、長女(当時小3)らと ※よく卵パックで割れなかったなと今思う

2008年秋、穂乃花(当時小1)と ※6個の内5個は娘に食べられた
・・前回の続き
込み合う北峰山頂でしばしの休憩を取る。予定より早く着くことが出来たし、今日は行程自体が長くないので、時間には比較的余裕がある。飛騨側に開けた斜面の下部に座り、正面に槍穂高、左手に飛騨の名峰笠ヶ岳を眺めながら昼食におにぎりを食べる。最近海苔は食べる時に巻くようにしているので、パリパリ感がこれまた堪らない。昨夜シマヤで買ってきた半額の唐揚げやポテチをつまみ、子供と至福の一時を過ごす。今日は雲が多いながらも眺望は良く、北ア南部の峰々を存分に楽しむことが出来た。しかし悲しくも乗鞍と笠と槍以外、あの山が何という山なのか、ある程度目星はつくものの、この時点で完全に断言出来るには至らなかった。

火口湖と南峰 ※昔は普通に火口湖に下りていたが、今では公衆的に宜しくない

焼岳噴火口 ※昔は覘いたりしていたが、今では『奴は馬鹿か!』と軽蔑される

込み合う北峰山頂

乗鞍剣ヶ峰(左)

槍穂を前に束の間の一時

おそらくこの位置は岐阜県側(高山市)

双六岳(左)、水晶岳(中央奥)、鷲羽岳(右)

野口五郎岳

飛騨の稜線を一望

穂高連峰

槍穂高
横になって寛ぐ登山者もいる中、僕らももう少しゆっくり休んでいたかったが、この後噴煙地でも時間を割くことになる為、山頂を程々に切り上げ下山にかかる。無事肩まで下り、ここで新中の湯コ-スとは道を分けることになる。中尾峠を目指し、岩と砂地主体のガレ場に入る。右手が崖となっており、幾分注意が必要だ。僕やナナにとってはたいしたことのない斜面ではあるが、小1の大志にとっては充分怖いらしく、その要因がこの急勾配なのか、滑り易い砂地なのか、切り立った崖なのかは定かではない。所々尻を付け、超安全に下る大志。附随して時間ばかりがかかってしまい、時間の割には全然進んでいない。ナナも完全に呆れていたが、この異常なまでの用心深さは、もしかしたら大志も僕と同じ極度の高所恐怖症なのかもしれない。

下山者多数

立つんだ大志! ※転んでるのではなく、怖いらしい
同じくペ-スの遅い男女ペアと何度か前後しながら、何とか噴煙地まで下りてきた。ザックを岩肌に下ろし、先程セットしておいた卵を回収する。やはり噴気は確実に弱くなっており、木の棒を使わなくても、素手で網を回収出来た。”噴気が弱い”ということは”火力に乏しい”ということになり、茹で上がり具合が心配だった。しかし大志のノロノロペ-スが幸いしたのか、いつものような完全なゆで卵に仕上がっていた。往路時にセットし、山頂を経てここまで2時間半。ここでの仕上がりは”ゆで卵”しか記憶にないが、果たして何分で取り上げればこの噴煙地で”温泉卵(白身とろり黄身半熟)”が出来るのだろうか。通りかかる登山者は誰しも僕らの卵が気になっていたようだ。子供二人はたいそう喜んで食べてくれたが、2つはあえて残し、まだ食べたことのない妻らの土産とした。以前はソ-セ-ジやキャベツなんかも茹でていたが、卵の殻のようなガ-ドがない為、これらはやらない方が無難だろう。

どれどれ出来たかな

噴気が弱いので心配だったが

中々の茹で具合 ※昔はソ-セ-ジや野菜も茹でていたが、お勧め出来ない
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無事中尾峠まで下り、ここで上高地コ-スともお別れとなる。この中尾峠以降大志の脚取りは復活し、ようやく通常ペ-スで歩けるようになり、先程まで呆れ果てていたナナもここに来て安堵した表情を見せた。秀綱神社まで快調に下り、ここで休憩。休むにはまだ早いが、ここを逃すと休憩に適した場所がしばらくない。焼岳の余韻にふけりながらしばしの休憩を終え、いよいよラスト前の行程に入る。往路時は林道終点広場からここまで一気に来れたので、次の目的地は必然的に林道終点広場となる。”鍋助横手”や”ヒカリゴケ”、”白水の滝”と順に要所を通過。白水の滝まで来たら、目指す広場は直ぐだった。

秀綱神社のイスとテ-ブルは


快調な二人 ※子供の無駄話が面白かった

サワラ ※樹木名を記した看板がとても勉強になる
林道終点からは舗装された林道を下ろうかと当初思っていたが、かなり遠回りのような気もしたので、そのまま山道を直進。ここには”近道”と書かれた道標もある。大志とナナは中尾峠以降、二人でくだらない話ばかりしている。僕は最後尾でその話をニヤニヤ聞いている訳だが、話の内容はゲ-ムやアニメがほとんどで、いかにも子供らしいと思った。これが子供にとっての世間話なのだろう。2週間前の常念の時は僕と大志だけだった為、実に静かなものだったが、今日は大志に話相手がいた為か、下山時大志の口から弱音は一切出なかった。沢の音が聞こえ、やがて沢に出会う。冷たい沢水で顔を洗い、喉を潤す。ここはほぼ登山口なので、道中の水場としては頼れない。ゴ-ルとなる登山者駐車場に着くと、満杯とまではいかないが、そこそこの車が停まっていた。

唯一の水場はほぼゴ-ル

登山者駐車場
活火山









平湯温泉街で温泉卵 ※ナナは何故か黄身が嫌いらしい
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| '19山行記録 | 15:30 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑