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第14回佐渡島一周エコ・ジャ-ニ-208km(4)~奇跡のゴ-ルタイム


・・前回の続き


約160㌔の第4エイドで最後の補給を済ます。エイドはここが最後となり、後はひたすら48㌔先のゴ-ルを目指すことになる。このエイドでは以前ビ-ルが飲めたが、今年も昨年同様置いてなくがっくり気を落とす。一昨日の前夜祭で一緒に飲んでいた同部屋の青年が、僕らより一足先に到着し、寛いでいた。佐藤さん含め、同部屋のランナ-が3人もこんな所で揃うなんて何て奇遇なんだ。この先3人で走れば楽しいだろうなと思ったが、彼はもう少しエイドで休んでいくと言い、以降ゴ-ルまで会うことはなかった。
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第4エイド 深浦展望台(159.8㌔) 
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今年もビ-ルがなくて残念

昨年がそうだったが、一人で走っていると素浜海岸のこのダラダラと長い区間が猛烈に辛く感じる。変わらない景色に飽き飽きし、一体どこまで行けばいいのだ・・と半ば自暴自棄になる。昨年は睡魔にも襲われ、堪らず草むらに倒れ込み、しばし横になって仮眠した。今年は併走する佐藤さんとの話が未だ尽きず、最終エイド以降も快調に走り続けている。会話に没頭するということは意識の全てを必要とするようで、話をしている間は疲れも感じないし、単調な道のりも一切長いとは感じない。颯爽とマントをたなびかせながら走っているタイガ-マスクのペアを抜き去り、一気に素浜海岸をクリア。
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一番辛い区間も、会話に夢中になっていると苦にならない
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タイガ-マスクと長らく前後していた

今朝7時の140㌔地点辺りから佐藤さんと2人で走っているが、次第に僕が付いていけなくなった。14時半を前にして180㌔付近で、佐藤さんに別れを告げる。出来れば一緒にゴ-ルしたかったが、併走を始めて以降、ここまでの快走は奇跡に近い。いつしか目標は上方修正され、40時間切りが38時間台、やがて昨年の記録更新、更には35時間台へと度々変わっていく。僕の中で目標が上方修正されるなんてことは滅多にないことで自分でも驚いた。佐藤さんと別れ、しばらく一人で走ったり歩いたりを繰り返していたが、市街地に入った190㌔辺りで、前に佐藤さんの姿を確認。どこかでお腹を満たしていたようだ。多少は復活した僕は再び佐藤さんと一緒に走る。タイガ-マスクペアにも追い着き、『あ、コンビ復活した』と嬉しい声援を受けた。河原田本町からは歩道の多い商店街を避け、海岸沿いの走り易いコ-スに出る。これはおそらくリピ-タ-しか知らない道で、今年のA3全体地図1枚では知りようがない。しかしこの海岸沿いで又も佐藤さんに付いていけなくなり、二度目の別れを申し出る。
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佐藤さんと一度目の別れ  ※この後、再び一緒に走ることになるとは
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対岸に火力発電所を確認  ※右の白い建物
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人面岩

160㌔の第4最終エイドの時点で、昨年より1時間半も遅かった。しかしその後の思いもよらぬ快走劇で、今では昨年の記録を上回るのは確実な状況にあった。出来れば欲を出して36時間も切っておきたいと目論んでいたが、次第にその希望は消えていく。やがて火力発電所に到着。先程までは遥か彼方に見えていたものが、今こうして目の前にある。人間の脚というものは凄いものだなと改めて実感。陽はまだ落ちていないが、未だ対岸では何人ものランナ-が闘っているのだと思うと、気の毒にさえ思った。残り5㌔程でヘッドライト装着。出来れば明るいうちにゴ-ルしたいが、来年こそは何とかその望みくらいは叶えたい。ここからは地図(昨年までのA4詳細地図)で地名を確認し、残りの距離からゴ-ルタイムを予想しつつ走った。昨年が36時間何分だったか覚えていないが、記録をどれだけでも縮めようと必死に脚を動かし続けた。記録更新は間違いない・・、未だそう確信している。
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ここでの休憩を後1分早く切り上げていれば
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火力発電所

いい加減、もうそろそろゴ-ルだろ・・。そう思ってからが異様に長かった。カ-ブの先にあると期待したホテルめおと(ゴ-ル)はなく、何度もショックを受け愕然とした。そして今度こそ、ゴ-ルとなる『ホテルめおと』を発見。階段を走って駈け上り、玄関をくぐりロビ-にてゴ-ルを迎える。ゼッケン番号から氏名が確認され、記録係のスタッフが置き時計を見てゴ-ル時刻を記録紙に書き込む。36時間54分、秒以下切り捨て。何か少し嫌な予感がした。完走証用の写真撮影の後、部屋に戻り昨年のゴ-ルタイムを確認するとやはり嫌な予感は的中。驚くことに、昨年と全くの同タイムだった(昨年も36時間54分)。1分くらいどうにでも短縮出来たと思うが、208㌔を1日半かけて走り、全く意識せずして、要した時間が全く同じということはある意味奇跡だと言える。記録更新は成らず残念だったが、確率的にもこちらの方が余程貴重だろうと思う。
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ゴ-ル後の夕食  ※ビ-ルが美味い


第14回佐渡島一周エコ・ジャ-ニ-208km


距離:208km
時間:36時間54分00秒  ※昨年と全くの同タイム
順位:35位/166人
完走率:68.6%(114人)
経過:スタ-ト(21日6:00)、第1エイド29.5km(9:15)、第2エイド57.9km(14:17)、仮眠所93.5km(19:51)、第3エイド127.6km(22日4:16)、第4エイド159.6km(10:36)、ゴ-ル208.0km(18:54)

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| 2019 | 08:30 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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第14回佐渡島一周エコ・ジャ-ニ-208km(3)~佐藤さんと一緒に


・・前回の続き


仮眠所で食事と入浴を済ませた後、2階の仮眠室で少し横になった。しかし既に何人ものランナ-が布団を敷いて寝ている室内はとても狭く、空いている扉付近の僅かなスペ-スに仰向けになるくらいしか出来なかった。しばらく目を閉じていたが、結局寝付けず、アラ-ムが鳴るより先に起き上がる。部屋の外に出て廊下で支度をし、22時過ぎ仮眠所を発つ。仮眠所ではかれこれ2時間10分も滞在してしまったが、あまり意味がなかったような気もする。しかし眠れなかったことは想定外だが、ある程度脚を休めたことで、疲れ切っていた脚は多少は復活。リスタ-ト後はしばらく走れ、上り坂すら快調に走れた。これは昨年も実感したが、仮眠所での入浴はきっと疲労回復に効果があるのだろう。
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次に目指すは、小木港

眠い・・。時折思い出したように睡魔が襲ってくる。昨年は仮眠所で全く仮眠しなかったので、この夜の部が異様に眠かった。しかし今回も同様に眠い。仮眠所ではどうせ寝付けないし、次回以降、やはり僕には仮眠所での仮眠は全く意味の無いことだと思った。深夜1時半、バックを枕にして歩道で仰向けになり、10分間目を閉じる。数少ないバス停の待合室はどこも先客で埋まっているので、道端やトンネルなど所構わず横になって5分睡眠を繰り返す。5分ばかりの時間ではほとんど睡魔は解消されないが、少なくても5分間脚は休めた訳で、その後の走り出しは少しは元気になっている。自分が走っている写真を撮ってみたが、目は半分閉じていて、正気のない死んだ目をしていた。第3エイドの多田海浜公園(127.6㌔)に到着。ここではカップ麺のカレ-味を頂く。このエイドから登場するカップ麺が結構楽しみで待ち遠しい。先程暗闇の道中で擦れ違った青年と再会し、少し話をした。青年とはゴ-ル後の宴会でも更に交流を深めることになる。
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眠い時はホットコ-ヒ-
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第3エイド 多田海浜公園(127.6㌔)

眠さと闘いながら、くたばりかけた脚を懸命に動かす。そして何とか長かった夜の部を終え、2日目の朝を迎えた。雲が多くて、今日の天気が気がかりだ。昨日朝6時に夫婦岩をスタ-トし、24時間で135㌔しか進めなかった。昨年も今一だったが、それよりも7㌔遅い位置にいる。出来れば24時間で最低160㌔は進んでいたいところだが、中々思うようにはいかない。とは言え、ただ単に日々の努力が足りないだけのことであり、努力をするには強い覚悟が必要であり、その覚悟に立ち向かうには強い気持ちが必要となる。僕の気持ちは所詮見せかけなのか・・、そう薄々感じているだけに何だか自分が無性に情けない。
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雲行きが怪しい
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小木はまだまだ
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サンライズ城が浜温泉(134.6㌔)で24時間経過  ※昨年より7㌔遅れている
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北雪酒造

140㌔を過ぎた辺りからか、同部屋の佐藤さんと一緒に走るようになっていた。佐藤さんとは僕が初めて佐渡に参加した一昨年の大会でも夜明け前から何度か前後し、やはりこの辺りから何十㌔も一緒に走っていた。あの時は4人で走ったが、今回は2人で走り、山のことや、仕事のこと、他の大会のこと等、様々な話をして楽しませてもらった。不思議なもので、走りながら人と夢中で話していると、走る辛さや脚の痛みはどこかへ遠のき、知らぬ間に時間が経ち、結果距離が稼げている。
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これは自転車の㌔表示  ※佐渡エコは-10㌔
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アンパンマン達

今年は特にペ-スが遅いことが幸いし、小木市内のス-パ-に立ち寄ることが出来た。エイドの提供物には若干飽きつつあるので、アイスと甘いドリンクを買い、栄養と英気を補給した。小木、宿根木と順調に走り続け、いよいよ第4最終エイドの深浦展望台(159.8㌔)に到着。2年前も佐藤さんと一緒にここに辿り着いた。昨年よりは1時間半遅いが、思った程脱力感はない。これなら何とか40時間は切れそうだな。
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小木市内のス-パ-たんぽぽ(9:08)  ※たぶん9時オ-プン
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宿根木集落の三角家 
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橋の先が、第4エイド 深浦展望台(159.8㌔)  ※佐藤さんと一緒に
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2年前の写真  ※2年前も佐藤さんと一緒にこの橋を通過した。南さん元気かな・・


つづく・・

| 2019 | 21:20 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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第14回佐渡島一周エコ・ジャ-ニ-208km(2)~72㌔で転倒、完走危うし


・・前回の続き


大会当日、3時半に起床。僕的にはスタ-ト3時間前となる3時には起きておきたかったが、同部屋の皆に配慮して少し起床時刻を遅らせた。3時半に起きても周りは誰も起きる気配がなく、一人部屋を出てロビ-のソファ-で最近読み始めた小説(新田次郎の『槍ヶ岳開山』)を読みふける。ちなみに僕は文章を書くのは好きだが、本を読むのは大の苦手。小説1冊を読むのにどれだけ早くても1ヶ月、遅いと1年、しかし読み切ることは極まれで、途中で断念して諦めることが多い。昨年は沢木耕太郎の『凍』をこのタイミング(小学校運動会~佐渡)で何とか読み切った。4時を過ぎ部屋に戻ると、さすがに皆起きていた。準備を済ませ、5時から朝食。佐渡と言えばイカ刺が有名らしい。ご飯4、5杯は食べれたが、山盛り2杯でやめておく。
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朝食  ※ご飯、味噌汁はお代わり自由

トイレを済ませ、スタ-ト5分前に玄関へと向かう。例年出走前に階段に並び、主催者が集合写真を撮っているが、僕は映った試しがない。緊張感のないカウントダウンが始まり、6時、いよいよ長い旅が始まった。今回で佐渡3周目。何が楽しくて佐渡を3周もするのだろうと自分でも思う。スタ-ト時は一番後方にいたが、㌔6分を切るイメ-ジで列の脇を抜けていくと、直ぐに先頭集団に追い着いた。周りは皆GPS付きの時計のようで、1㌔毎に『ピッ!』と音が鳴っている。その音を耳にし、思っていたより少しペ-スが早いことを知った。最初の10㌔を㌔5分半で入ってしまい、その後は意識して少しペ-スを落としたが、それでも㌔6分は切っていた。尖閣(せんかく)湾辺りまでは浦安の男性と話しながら走っていた。彼は初200㌔らしく、100㌔はサブテン、マラソンはサブスリ-とのこと。出来れば27時間くらいで走りたいと言っていたが、次第に僕が疲れ、尖閣湾揚島遊園で握手をして彼を見送った。結局この男性、24時間を切り、見事総合2位に入っていた。
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スタ-ト直前  ※ここに戻ってくるのは1日半後か・・。そう思うとかなり憂鬱
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尖閣湾
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冷の甘酒  ※尖閣湾揚島遊園にて

3時間15分かけ、第1エイドの千本公民館(29.8km)に到着。ろくに走り込みもしていないくせに、出だし調子に乗ったツケが回り、既に脚は疲れ果てている。エイドの給食は昨年より質素になっており、どこか寂しさを感じた。ペットボトルに飲料を補充し、気は乗らないが先へと進む。昨年はもっと走れていたような気もするが、やはり僕は30㌔過ぎくらいで一度疲れのピ-クが来る。208㌔も走ろうとするにしては随分情けない気もするが、普段週末のロング走でもせいぜい30㌔しか走らない為だろう。目指す亀は少しずつは近付いている。Z坂手前のオアシスで待望のアイスをゲット。この日に備え、今年はマンゴ-とミカンのアイスキャンディ-が沢山冷凍庫に補充してあった。店内でスイカを数切れ頂いた後、軒先のベンチに座り、キンキンに冷えたアイスを頬張る。Z坂は走る気など更々ないので、激坂を目の当たりにしても悲壮感はない。
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第1エイド 千本公民館(29.8km)  ※昨年まであったおかずセットがなくなっていた
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飲物を補給
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佐渡市指定文化財 清水寺(せいすいじ)の大イチョウ
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亀が遠い
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マンゴ-バ-(75円)  ※Z坂前のオアシス、たにぐち商店
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黄金色の稲穂

いよいよ一つ目の亀が見えてきた。先ずは『大野亀』の登場だ。この岩山には登山道が付いていて山頂まで登れるようだが、大会中にわざわざ時間と体力を割いてまで登るアグレッシブさは僕にはない。大野亀ロッジでは待望のソフトクリ-ムを食べた。ついでに冷たいコップ水も数杯頂き、喉も存分に潤す。ここではカレ-ライスを食べるランナ-も多い。ここは数少ない貴重な休憩ポイントなのに、皆先立つのが早くて驚いた。ようやく重い腰を上げ、道路に出る。左手に『賽の河原』の看板は目にしたが、ここは迷わず直進。しかし少し進んでからどうも気になったので、地べたに座りこの日初めて地図を取り出す。やはり直進は間違いで、大野亀を出て直ぐに左折するのが正解だった。危なかった、先日の白山白川郷に続き、また思い込みでミスするとこだった。
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大野亀
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大野亀ロッジのソフトクリ-ム(350円)
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賽の河原
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二ツ亀

亀を越え、次に目指すは両津港。これまで出てこなかった地名が看板に現れ、次第に距離が縮まっていく感覚は嫌いではない。ようやく第2エイドの鷲崎ふれあいセンタ-(58.1㌔)に到着。エイドでは長居をしないよう心掛けてはいるが、靴を脱ぎ弁当を食べていると、結局20分くらい直ぐに過ぎてしまう。昨日の説明会では『ランナ-は右側を走るように』と言われていた。なるほどな、さすがランナ-目線の考えだこと。確かに前方から来る車は把握出来るが、後方から迫る車には気付けない。しかし実際今こうしてブログを書いていて思い出したが、よく考えれば歩行者は元々右側通行だった。
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次に目指すは両津港
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第2エイド 鷲崎ふれあいセンタ-(58.1㌔)

海と山以外景色の無い佐渡一周道路の右側山手の道路脇を黙々と走る。山側に寄り過ぎている為か、路面は土や草で覆われ、若干濡れて滑り易くなっていた。そんな時、ふいに足を掬われ思わず大転倒。この約72㌔地点で左膝を猛烈に強打し、しばらく立ち上がれなかった。その後何とか立ち上がれたが、あまりにも痛過ぎて全く走れない状態に陥った。これはヤバい、ただでさえ遅れているのに、これでは完走すら危うくなってきた。幸いにも歩くことは出来たのでしばらく徒歩で進み、血を垂らしながら21㌔先の仮眠所を目指す。この時点で選択肢は2つしかなかった。93㌔の仮眠所でリタイヤするか、48時間かけて最後まで歩き通すか。当然後者を選びたかったが、僕にはコ-ス上で2晩越す勇気がなかった。だとすると無念のリタイヤか・・。とうとう僕にも土が付く時が来た。深い悲壮感と絶望感が僕を包み込んでいた。
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72㌔で大転倒  ※左膝強打、痛くて走れなくなる
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両津が見えたが、まだ遠い

しかしこの最大の危機も、得意のしぶとさで何とか無事乗り越えた。しばらく歩いた後、痛みを我慢して恐る恐る走り出してみたら、痛いなりにも次第に走れるようになってきた。今更遅れた分は取り戻せないだろうが、これなら何とか40時間以内ではゴ-ル出来るかもしれない。微かな希望が湧いてきたが、脚の疲れは治まるはずがない。通行人すらいない寂しげな両津の商店街を一人駆け抜け、19:50、ついに仮眠所となる住吉温泉寿月館(93.3km)に到着。ここに辿り着くまで14時間弱もかかってしまったが、昨年と比べ50分遅れで済んだのだから、まだ良しとしたい。昨年同様仮眠は申し込んでいなかったが、間違えてお金だけ振り込んでしまったこともあり、今年はここでしっかり仮眠し、確実に完走狙いで行こうと決めた。既に時間的な目標はないが、出来れば40時間は最低でも切っておきたい。
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両津市内
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夜は点滅ライトがあり、比較的見つけ易い
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仮眠所 住吉温泉寿月館(93.3km)  ※昨年より50分遅い
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夕食弁当、豚汁、ビ-ル  ※今年は辛い闘いになりそうだ


つづく・・

| 2019 | 16:30 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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第14回佐渡島一周エコ・ジャ-ニ-208km(1)~今を飲みまくれ!

今年もこの季節がやってきた。第14回佐渡島一周エコ・ジャ-ニ-ウルトラ遠足208km。『えんそく』と書いて『とおあし』と読む佐渡ジャ-ニ-も、これで3回目の出場となる。今の僕の中ではこの大会が1年のメインであり、100㌔の大会数本は僕にとっては単なる練習に過ぎない。自分一人で100㌔くらい走れればわざわざ高い参加料を払う必要もないのだが、それだけの強い精神力が無いが為、仕方なく大会の力を借りている。今年は超ウルトラ初挑戦となる仲間の瀧さんとともに参加。瀧さんは今年飛騨高山100㌔の翌週に太平洋-日本海120㌔を走り、だんだんとこっち系になってきた。朝6時前に自宅を出て瀧さん宅に寄り、妻の車にて一路富山へと向かう。富山からは高速バスで3時間40分かけ新潟へ。新潟到着後は徒歩20分でフェリ-タ-ミナルへと移動。そしていよいよ佐渡汽船にて佐渡島へと向かう。
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富山高速バス 西上袋(アピタ前)停留所
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僕のバック(右)は重さ4.6kg  ※瀧さん、バック大き過ぎないか
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佐渡島が見えてきた
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両津港では貸し切りバスがお出迎え

自宅を出た時から既にジャ-ニ-は始まっているが、宿に付くと気分は一段と高まってきた。部屋はロビ-近くの103号室。部屋はおそらく申し込み順に振り分けられるので、どうせ申し込むなら断然早い方がいい。ロビ-が近いということは浴場や宴会場も近いということで、それにゴ-ル後疲れた脚での階段の上り下りは極力避けたいところだ。部屋は5人部屋で、今年は年齢層の近い楽しいメンツに恵まれた。一昨年一緒に走った福井の佐藤さんとも同部屋で、隣同士布団を並べた。10分で急いで入浴を済ませ、17時からは説明会。今年はA3地図1枚となる気がしていたが、その予感は見事的中。僕は昨年のA4地図24枚を持参しているので問題はないが、あの簡素な地図で果たして初参加のランナ-は無事進むことが出来るのか心配になった。シャンパンによる乾杯で説明会は締められ、引き続き18時から会場を大広間へと移し宴会(夕食懇談会)が始まる。
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説明会、決起大会  ※毎年、参加賞として地酒が頂ける

宴会場では部屋のメンバ-と席に着いた。今年は蟹が復活し、豪華さに華を添えていた。明日の朝食を含め、これで1泊2食付き8500円(昨年より500円値上がり)というのはかなりお得だと思う。今更遅いカ-ボロ-ディングに励み、佐渡のコシヒカリを茶碗山盛り3杯、味噌汁とともに頂く。明日のことは気にせず、ビ-ルも浴びる程飲んだ。僕の中では208㌔走ることと同じくらい、前後の宴会にも重きを置いている。その為一切妥協する気はなく、『程々に』という考えは全く持ち合わせていない。部屋のメンバ-も皆酒が強く、僕らの前にだけ瓶が何本も集まっていた。昨年少し一緒に走った新潟の岩野さんも加わり、宴は刻々と進んでいく。昨年はスタッフと最後二人きりになるまで飲んでいたが、今年はどこか追い払われるような雰囲気があった。
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夕食懇談会  ※ご飯、味噌汁おかわり自由、ビ-ルやワイン飲み放題
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翌朝のことは考えず、アホみたいに飲む
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瀧さんと


つづく・・

| 2019 | 17:55 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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第8回飛騨高山ウルトラマラソン(3)~奇跡の完走


・・前回の続き


国府のBG関門さえクリアしてしまえば、完走は現実味を帯びてくる。ここからしばらくは家族にも会えるので、その点精神的に助かっている。上広瀬の裏街道を、西田さんに時折町の解説を入れながら走る。先週の南砺では帽子の中に氷を沢山入れて走っていたので凄く気持ち良かったが、この大会の公式エイドではその期待は持てない。そう言った意味でも、繋ぎとなる私設の被り水は本当に有り難かった。踏切を渡り、国道41号線を横切る。信号待ちでようやく休めると期待していたが、運悪くこういう時に限って信号は青になる。宮川に架かる橋を渡ると、ふとそこに見たことのある顔が。アレ、何してんの?走っているはずの仲間が、何故か応援に回っているではないか。訊けば風邪を引いて棄権したのだと言う。そら駄目だわ、出なきゃ・・と内心思いながら、差し入れにゼリ-飲料を頂く。村山公民館エイドを越え、その先の待避所で子供らと再会。だぶだぶの高山Tシャツを着た大志の姿は、毎度実に絵になっている。
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被り水が最高に気持ちいい
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大志が駆け寄ってきて
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子供らと合流

80㌔通過。次に目指すはグリ-ン薬局前(82.8㌔)エイド、そこに家族が待機しているはずだ。僕は走っている最中に後ろを振り返ることはないが、エイドや信号に着く度に直ぐ西田さんの姿を確認出来た。どのくらい僕の後ろに付けていたのかは分からないが、付かず離れずの位置で僕の様子をずっと伺ってくれていたのだと思う。家族らにはニアミスで会い、これが最後の応援となる。以前清見の最終関門にも応援に来てもらっていたが、その後駐車場やらシャトルバスやらの関係で、結局僕の方が早く会場に着いてしまった。その反省から早めに応援は切り上げてもらっているが、やはり八日町やラスボス辺りにも居てくれると嬉しいので、来年からはそうお願いしようと思う。
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80㌔通過
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信号待ち
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西田さんとはこの位置関係が多かった  ※完全に僕のサポ-ト役に回ってくれている

八日町新鮮野菜販売所(87.4㌔)エイドでは、仲間の波ちゃんに会った(昨年はここで瀧さんに会った)。スタ-ト前会場で会った時は普通だったのに、いつの間にか猿の姿になっていてかなり衝撃を受けた。ラスボス峠はほぼ歩いて上り切り、その後国道に向けて一気に降下。先程八日町エイドで休まず先に発った波ちゃんだったが、国道に出る直前で追いついた。最終関門の公文書館も無事クリアし、特産食を色々と頂く。この辺りから何度か波ちゃんと前後したが、僕がエイドでグルメを堪能している間に先に発たれ、後で追い抜くというパタ-ン。さすがは彼女のテリトリ-だけはあり、お猿に対する大声援を幾つも受け、波ちゃんは嬉しそうに頑張っていた。
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90㌔通過  ※僕の映っている写真は、ほぼ西田さん撮影
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第5関門 公文書館(93.3㌔)  ※関門閉鎖まで残り53分だったが、この後ペ-スを上げた
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清見サイダ-
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猪汁

そしてついに残り5㌔を切った。先週に続き12時間台は微妙なライン。先週の南砺の時は残り5㌔の時点で45分余っていたが、今回は残り39分しかない。厳しいような気もするが、頑張れば何とか滑りこめるかもしれない。いつしかペ-スも上がり、後に西田さんにもそう言われた。左手の農道には未だゴ-ルに背を向け走っているランナ-が多くいる。誰しも迫り来る時間に追われ、最終関門やゴ-ル制限と必死に闘っているのだろう。そんな経験は久しくしていないが、出来れば二度としたくない。残り2㌔を切り、ついに旅も終焉へと向う。そして残り1㌔。最後の信号待ちを経て、ビックアリ-ナへと続く最後の直線に入る。時間は気にしていないが、走り続けているのでおそらく12時間台は達成出来るだろう。会場入口で娘の声に気付き、先回りしておくよう指示。そしてゴ-ル手前でチビ2人を拾い、西田さんを交え4人でゴ-ルを切った。結果は何とか12時間台をキ-プ。この価値ある完走で、辛うじて連続完走だけは維持出来た。
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残り5㌔
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西田さん、今日は沢山いい写真を撮ってくれて有難う!  ※これだけ自分が映った記事は初めてです
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ラストの直線  ※陽子さんもナイスアングル
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奇跡のゴ~ル!  ※これまで走った19本の中でベストのシ-ンかな

走り始めて5年目でここまで19本(今年は後2本出場予定)の100㌔超を走ってきた。野辺山から始まる3連戦を前にして、その1週間前に肉離れを発症。野辺山の欠場も直前まで悩んだが、思いきって強行出場を選択。肉離れは9㌔地点で再発したが、残り91㌔を肉離れした状態で何とか走り切った。2戦目はその2週間後の南砺。ここで2週間空いていたことが、結果としてタ-ニングポイントとなった。エイドのご馳走に終始満足しつつも、又も肉離れした脚をひきずってのゴ-ル。そしてその1週間後の飛騨高山。1週間では全く完治はせず、覚悟はしていたが野辺山以上に壮絶な闘いとなった。開始3㌔で右ふくらはぎの肉離れ、その上左膝まで痛み出し、さすがに今回は無理だろうと走りながら思っていた。しかしそこに救世主(トイレの神様)が現れ、その後思いもよらないエンディングへと結びついていく。
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完走証を受け取って  ※ゴメン西田さん、ネットタイムの関係で僕の方が順位が上になってしまった
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ありがとう西田さん!  ※80㌔本当にお世話になりました

3連戦直前に受けた故障はとてつもなく大きな壁となり、突如僕の前に立ちはだかってきた。しかし越えられない壁は与えられないだろうし、今思えば中々いい壁だった。この3連戦を通し僕は一切諦めることはなかった。全ての大会を人生最後の大会のつもりで挑み、もう走れなくなっても構わないという覚悟だけは終始貫けた。ただ今回だけは自分の力だけではどうにもならなかった。西田さんがあの時間に外のトイレに並んでいなかったら、僕が一つ前のエイドでトイレを済ませていたら、運命の再会は出来ず、完走も危うかったかもしれない。西田さん、本当に有難うございました!これで僕の中にあったあの情けない表現は完全に消えた。中何週間・・。そう考えている時点で次のステップは遥か彼方。僕の目指す”さくら道”は、まだまだこんなもんじゃない。今の僕の心境が”ランナ-ズハイ”なのだろうか。故障さえなければ来週もその翌週も、その翌週だって100㌔くらいなら充分走れそうな気がする
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ラウンジのホットドリンク
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無料の鍼治療  ※待ち時間なしでやってもらえた
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痛くてこれ以上右脚が伸ばせない
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全然良くなってないような  ※ただ実際触られている分、整形外科よりは余程いい

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| 2019 | 08:30 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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