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第7回能登半島すずウルトラマラソン

4年連続4回目の出場となる、能登半島すずウルトラマラソン。先月の佐渡で燃え尽きた感はあるが、今年は是非とも最高齢ランナ-(80歳)の102㌔完走を見届けたいと思い、締め切り間際になってエントリ-を決めた。このゼッケン1番の男性は昨年も79歳で無事時間内完走をされていた。それは通常では到底考えられない、絶対に有り得ない快挙だと思う。走っていない人から見れば、100㌔も走るなんて信じられないと思うかもしれない。同じ走る者からしてみても、その距離を身をもって知っているだけに制限時間内に走り切ることがどれだけ大変なことか、それを80歳で・・。なんて考えると、『凄過ぎる・・』以外、適当な言葉が見当たらない。

前夜、一路珠洲へと向かう。受付会場となる『ラポルトすず』に到着すると、既に説明会は始まっていた。早速受付を済ませ、先に到着していた地元のラン友と、サロンにてフリ-コ-ヒ-を飲みながらしばし談笑。当初説明会には出るつもりだったが、結局その間、終始サロンで友人と話をしていた。その後、友人とス-パ-で夕食を買い出し、道の駅で家族への土産を購入。見附島の『のとじ荘』へと移動し、ゆっくり温泉に浸かる。そして明日の準備を済ませたら、いよいよ海辺の小さなベンチを陣取り宴会を開始。寒空の下で、友と語り合いながら飲むビ-ル。ラジオからはいかした音楽が流れ、目の前には夜空に輝く軍艦島。この友人とは長い付き合いのような気がするが、連絡を取り合うようになったのは昨年のこの大会の直後。知り合ってまだ1年しか経っていないことを互いに驚きつつも、とても楽しい一時が流れていた。
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リピ-タ-特典  ※残り一つとなっていた揚げ浜塩(左下)をゲット  
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大会前夜、軍艦島を眺めながら友と宴会

そして大会当日の朝を迎えた。毎年体育館の長いトイレ待ちに苦慮していたが、今頃(参加4回目)になって、外に仮設トイレが沢山あることを知った。佐渡で痛めた膝の故障を抱えており、以降長い距離は全く走れていない。距離に対する不安は大きかったが、膝は何とか持ち堪えてくれ、一応ここまで順調に走れていた。友人にはスタ-ト会場以降、名舟のカレ-エイドで会うのみとなった。僕は往路、友人は復路となり、この時点で既に4㌔先行されている。このエイドのカレ-ライスが最高に美味く、ただのボンカレ-なのだが、僕はこの大会で一番心待ちにしているくらい好きだ。たらふくカレ-を食べ、復路の舟木谷峠へと向かう。先程擦れ違っていたランナ-は皆走って上っていたが、あれは皆サブテンクラスのランナ-達だ。ここで関西の男性と知り合い、その後長らく一緒に走ることになった。共に自衛隊経験者、山好きという共通点も相まって、話が途切れることはなかった。そのお蔭で苦手な曽々木関門までの区間がとても楽しく、あっと言う間の曽々木到着となった。   
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スタ-トは5時  ※この時期、体温調整が難しい
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佐渡以来の20㌔越え  ※故障だらけの僕の脚だが、一応持ち堪えている
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今年はオロナミンCが最低3ヶ所のエイドにあった
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一番楽しみにしていた名舟エイド(43㌔、47㌔)のカレ-ライス  ※往路で3杯、復路で2杯食べた
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千枚田(45㌔)の第1関門
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曽々木(58㌔)の第2関門  ※50㌔手前の坂入口から併走した西田さんと共に通過

かなりの健脚の持ち主でもある西田さんは、とにかく明るい方だった。擦れ違う人には大概フレンドリ-に声を掛け、一緒にいる僕までもが不思議とポジティブになってくる。いつしかペ-スも復活し、中盤以降にも関わらず、㌔6分程で走れていたことには自分でも驚きだった。このまま行けば11時間も切れるだなんて西田さんは言っていたが、僕的にはこのペ-スが最後まで持つとは到底思えない。それでも次の関門までは一緒についていきたいと思っていたが、終に僕の膝が悲鳴を上げた。ここまで持ち堪えてくれただけでも僕的には予想外ではあった。西田さんと互いに写真を撮りまくり、握手をして悲しき別れ。その後は時折立ち止まり屈伸をしたり、少し歩きを交えたりしながら自分のペ-スで進んだ。膝は痛いが、食欲はいつまでも旺盛だった。珍しくご飯系も最後まで胃が求め、脚はくたびれてきたが、エネルギ-が切れることはなかった。
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とにかく明るい西田さんと
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ウエハ-スエイド
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塩田村エイド以降、ジャガイモも度々登場  ※塩をたっぷりかけて食べると最高
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さすが珠洲、塩だけには困らない
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今年はポカリゼリ-を置くエイドが続発  ※全体的にエイドがバ-ジョンアップしていた
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自然休養村(73㌔)の第3関門  ※味噌汁におりぎりを入れ2杯食べた。来年は梅干しを置いて下さい
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ミカンやオレンジも多かった  ※町野エイドでは塩を振っていた
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銘菓満載エイド  ※昨年までは確か無かったような
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カカシ街道

狼煙関門も難なく通過したが、今年もまた、この狼煙道の駅エイドで屈辱のタスキとヘッドライトを渡される。もう1時間も早ければ、きっとそんな扱いはされないのだろうけど、未だその経験はない。その後しばらく最後の奮闘を続け、ついに100㌔到達。残り2㌔となるが、この大会は最後の2㌔が本当に余計だと毎回思う。今年からはスタ-ト・ゴ-ル地点が若干変更になっている。苦戦の末、今回も無事能登すずのゴ-ルテ-プを切ることが出来た。それにしてもあのゴ-ル手前の赤の盛り上がりが、本当に走り難くてどもならん。疲れた脚を苛め抜くだけの、あの意味不明な赤のステップはいい加減やめてほしい。タイムは遅いが、昨年の自分には勝ったこと、辛うじて12時間台で終えれたことで良しとしたい。
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狼煙(86㌔)の第4関門
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狼煙エイドでは山菜能登丼を2杯、ビ-フシチュ-丼を1杯食べた  ※今年は売り切れもない
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今年は会えたね、豚汁犬
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100㌔(17:38)  ※いつも思うが、ここからの2㌔が余計
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何とかゴ-ル  ※来年こそは明るいうちに
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ゴ-ル後の蕎麦とジャガイモ  ※バナナも2房貰った

そして帰路の、車の中。僕のガラケ-に友人からショ-トメ-ルが入った。どうやら友人は11時間35分でゴ-ルしたらしい。大幅な自己記録更新のようだが、あっさりと僕のベストも抜かれてしまった。中盤を共にした明るい西田さんに最後までついていけたら友人といい勝負が出来たのに・・。そう思うと少し不甲斐無い。年々パワ-アップする年上のこの友人にも最近全く敵わないが、TJARをぶっちぎりで優勝した康介、次回TJAR出場を目指す船場さん(僕と同じでたぶん康介に対してすごい嫉妬心を抱いている)など、同じ町内にはいい刺激が多い。そして今回、僕が一番気にしていたこと・・。ゼッケン1番の80歳持原さんは、最後まで辿り着いたものの、敢え無く僅か7分、たった7分、14時間のゴ-ル制限に間に合わなかった。ル-ル上はリタイア扱いになるのだろうが、この快挙は優勝者以上に称えるべきだと思う。本人は凄く悔しいだろうに、それだけに最後の2㌔が本当に余計だ。是非とも来年は81歳で再チャレンジしてほしい。持原さんを目標とする、その快挙を心待ちにしているファンは、きっと僕以外にも多いだろう。何よりもスタ-トラインに立つまでの日々の努力を想うと、心底鳥肌が立つ。
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完走証と完走メダル  ※これで100㌔超15回出場し全完走。目標の100回はまだまだ。

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| 2018 | 23:00 | comments:5 | trackbacks:0 | TOP↑

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第13回佐渡島一周エコ・ジャ-ニ-208km(5)~大会翌朝の大宴会


・・前回の続き


昨日は20時半には布団に入った。内臓等含め体調は悪くないし、故障箇所もない。今日はゆっくり眠れるだろうと、目覚ましを遅めにセットし目をつむった。しかし意に反して、数時間後の夜半に目を覚ます。何せ脚が極度の筋肉痛で、痛くて痛くて仕方ない。何度も寝返りを打ち、脚を伸ばしたり曲げたりも試みる。時には上半身を起こし、布団の上でストレッチ。そして再び眠りにつけたのはいいが、また1時間もせずに目が覚める。脚が痛くて、だるくて、とても熟睡出来る状態ではなかった。しばらく布団の上でストレッチやマッサ-ジをしていたが、堪らず3時頃に起床を決断。タオルと文庫本を持ち、階下の浴場へと向かった。昨日はやめておいた湯舟に今日はゆったりと浸かり、疲れた脚を入念にほぐす。朝6時のゴ-ル制限まで大会は尚も続いており、浴場はこんな時間でも有り難いことに開いている。貸し切りの入浴を満喫した後は、浴場前の休憩場所で数時間本を読んだ。先日から読み始めている、沢木耕太郎の『棟』。先日来、完全に僕は山野井夫妻の虜になっている。
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七浦海岸 夫婦岩

打ち上げ朝食は朝の9時から始まった。昨年は入口のソファ-で、情けなく一人ダウンしていたが、今年はしっかりと参加出来そうだ。適当に席に着く。目の前のテ-ブルには揚げ物などのオ-ドブルの他、刺身等とても朝とは思えない豪華な料理が並べられていた。コシヒカリと味噌汁、コ-ヒ-等は自由に取り放題。おかずも実際に食べ切れない程の量で、ビ-ルももういいと言う程飲むことが出来た。同じコ-スを同じ状況下で辿ってきたランナ-は皆仲間同然であり、誰とでも直ぐに仲良くなれる。スタ-ト前夜の宴会時、僕の野辺山Tシャツに反応してきた群馬のOさんが挨拶に来てくれた。結果を訊くと、どうやら60㌔エイド以降ほとんど歩き通したそうだ。制限時間ギリギリの47時間台で今朝無事ゴ-ルしたらしいが、コ-ス上で2晩越したのかと思うとかなり大変だったろうなと容易に想像がついた。宴会は2時間で終了。これで昨年のモヤモヤした気持ちは一応解消された。佐渡エコは僕が今一番好きな大会かな。それは大会前後に宴会があることは勿論、参加者が皆同じホテルに泊まり寝食を共にすることで一体感が得られるからだろうと思う。
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打ち上げ朝食(朝から大宴会)  ※今年は無事楽しめて良かった 
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表彰式  ※受賞者は毎年同じ顔ぶれ
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77歳の方も無事完走されていた  ※この後のじゃんけん大会も楽しい
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仲間も沢山出来る  ※大会前夜僕の野辺山Tシャツに反応してきた群馬のOさん(中央)

3日前に両津港に着いた時には、ホテルへの送迎バスは大型2台だった。しかし帰りは昨年同様大型バス1台にミニバス1台。ミニバス車内は立つ人も多く、疲れた脚で1時間近く立っているのは結構辛い。来年以降宴会は少し早めに切り上げ、バスの席をキ-プしておくのが妥当だろう。フェリ-乗り場に並ぶ客は、大半が佐渡エコの参加者のようだ。顔なじみも沢山出来た。程なく出港し、2等雑魚寝ル-ムで横たわる。しかし脚(筋肉痛)が痛くて、眠ろうにも眠れなかった。新潟港に着き、家族への土産を急いで購入。昨年はバスに1、2分のとこで乗り遅れ、結果1時間待つ羽目に遭った。今年はその反省を生かしバス時間を事前に頭に叩き込んでいたので、難なくバスに乗車。しかしこれが乗車率200%の超満員バスで、座れたのはいいが、果たして無事降りられるのかかなり心配だった。僕の2つ前の停留所で降りようとした若い女性は降車の旨を告げたのはいいが、身動きが取れず、悪戦苦闘も虚しく結局降りることを諦めていた。その後、僕は何とか根性で無事万代シティで下車。かなり気合を入れて先陣を切ったが、後ろから何人もつられて降りてきた。
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今年は問題なく出港

バスセンタ-周りの地理もほぼ把握し、昨年のようにウロウロ歩き回る心配はなくなった。万代シティバスセンタ-の建物に入るなり、カレ-のいい匂いが漂ってきた。先程の朝宴会で腹一杯食べたはずなのに、無性にこのカレ-が食べたくなってきた。『立ち喰い』と書いてあるし、軽い気持ちでカウンタ-に立つ。しかしこれが大正解だった。テレビや雑誌でも度々紹介される程の有名店のようで、このカレ-の大ファンの有名人も多いようだ。自販機でカレ-の大盛り券を購入し、カウンタ-に立ち、早速食してみる。見た目は原色に近い黄色で、普段目にする茶色系カレ-とは明らかに違う。味はスパイスが効き、確かに美味しい。それに何より量が多くて、コスパを重視する(貧乏性な)僕的にも大満足だった。安くて、早くて、美味くて、多い。ココは間違いなく、カレ-の壱番屋。佐渡は毎年出続けようと思っているが、来年からはこのバスセンタ-のカレ-もル-ティンに入れようと思う。
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万代シティバスセンタ-の立ち喰いカレ-  ※いい匂いに誘われ、食べようとカウンタ-に立ったら
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かなり有名な店だった(超ラッキ-!)  ※土産で買っていったら妻も知っていた
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大盛りカレ-(550円)  ※安い、美味い、量はかなり多い。今後必ず立ち寄りたい


第13回佐渡島一周エコ・ジャ-ニ-ウルトラ遠足208km


距離:208km
時間:36時間54分00秒
順位:23位/164人
完走率:75.6%(124人)
経過:スタ-ト(22日6:00)、第1エイド29.5km(9:18)、第2エイド57.9km(13:45)、仮眠所93.5km(19:00)、第3エイド127.6km(23日2:37)、第4エイド159.6km(9:05)、ゴ-ル208.0km(18:54)



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| 2018 | 10:00 | comments:2 | trackbacks:0 | TOP↑

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第13回佐渡島一周エコ・ジャ-ニ-208km(4)~ゴ-ルまで


・・前回の続き


長く辛かった夜が明け、大会2日目の朝を迎えた。せめて夜明け前に小木(152㌔)くらいは最低到達しておきたかったが、遠く及ばず。一人で走る小木の町。個人的にも何かと思い入れのある小木の町だが、通過はどことなく慎重になる。昨年ここで一緒になった奈良のIさんは、小木で16㌔程ロストしていたし、今回もまた小木で同じ距離をロストしたランナ-がいた。おそらく同じ場所で間違えたんだと思うが、実は僕も一つミスをしかけた。橋を渡り、150.9㌔地点。地図を見れば注意書き(注-7)がされており迷いようもないのだが、この時の僕は地図を全く見ていなかった。その為道路標識に従い、ここは国道方面へと直進する。しかしその道は細く、港方面から離れ内陸へと上っていった。いや待てよ、昨年こんな所通ったかな・・。直ぐに異変に気付く。歩いて交差点へと戻ると、やはりそこに左折看板が出ていた。危なかった。港沿いの広い道路を進み、やがてフェリ-乗り場が見えてきた。昨年立ち寄ったス-パ-は開店が8時半だった為、楽しみにしていたアイスは食べることが出来ず。小木の町中は折れ点が多く確かに分かり難かったが、偶然居合わせたベテランランナ-の完璧なコ-ス取りで事なきを得た。
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『小木』と言えば、たらい舟
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千石船展示館  ※正面扉が少し開いており、中が覘けるようになっている

そして今回初めて立ち寄った、宿根木(しゅくねぎ)集落。昨年は気付かずそのまま大回りしていたが、そもそもこれが正規のコ-スとなる。その上ショ-トカットも出来るし、若干観光気分も味わえるので、ここは確実に立ち寄った方がいい。宿根木は国選定の重要伝統的建造物群保存地区。江戸後期から明治初期に盛んであった北前船の寄港地として発展した町で、船大工が手がけた建物の面影が保全されている。女優・吉永小百合を採用したJR東日本のポスタ-撮影地としても有名なんだとか。この時僕は一体どこが見所なのか全く分からなかったが、こうして今知識を得たことで、来年は意識して通ってみたいと思う。
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宿根木集落の三角家  ※ここが一番有名なスポットらしい
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ボカ地区カミニ-ト(アルゼンチン)  ※三角家を見て、僕は真っ先にここを思い出した

次に目指すのは、いよいよ160㌔の最終エイド。しばらく頑張って走り、9:05、ようやく第4エイドの深浦展望台(159.8㌔)に到着。ここでは確か缶ビ-ルがもらえた筈なのに、無い・・と言われてショックを受ける。その後休憩を終える頃になって運ばれてきたが、既に飲む気は失せていた。このエイドでチョイスしたカップラ-メンは先程の第3エイドでは選ばなかった、カップヌ-ドル・ナイス。名前からして、これが実に美味かった。濃厚な豚骨味で具材も多く、激辛シ-フ-ドとは雲泥の差だった。9:37、スタッフの拍手に見送られ、エイドを発つ。最終エイドということもありつい長居してしまったが、この後の50㌔に備えて充分な休息が出来た。
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第4エイド 深浦展望台(159.8㌔)
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このカップ麺は結構いける

前後に全くランナ-の気配のない中、海沿いの集落を駆け抜ける。昨日は前半小雨交じりの天候だったが、ランニングには絶好のコンディションだった。そして大会2日目の今日は、予報通り天気がいい。しかしそれは逆に困ったもので、真夏が戻ってきたかのような猛暑に急激に体力を奪われた。側溝を見つけては水を被ろうとするが、そもそも大概の側溝に水は流れていない。外で何かを洗っていた農家の方にお願いし、頭から水をかけてもらうと生き帰った気がした。素浜海岸辺りは心が折れそうな程、単調な道がただひたすら真っ直ぐに延びていた。ここでも睡魔に勝てず、堪らず草むらに横たわり、タイマ-をかけて5分睡眠。日中の仮眠は寒さに震えることもなく、暖かい太陽の下、5分間爆睡出来た。しかし5分の差は大きく、先程から前後していた女性の姿は、その後一切見かけなかった。
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ゴ-ルも視界に入ってきたが、ここからが遠い
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朱鷺(とき)発見!  ※と一瞬興奮したが、ただのカカシだった
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睡魔に勝てず、この後草むらで5分爆睡  ※日中は寒くないので仮眠に最適

トイレの外蛇口で水を頭から浴びていると、昨夜から度々見かけている昨年の同宿ランナ-が追い着いてきた。先程最終エイドでは少し仮眠を取ると言って横になっていたが、もう追い着かれてしまったようだ。確かにここまでの区間には、自分でも時間がかかり過ぎたと感じていた。彼は脚が痛いらしくもう走れないと言っていたが、とにかく歩くスピ-ドが速かった。その後の長い坂道の上りでは全くついていけなかったが、下りや平坦に入ればやはり走っている僕の方が速く、振り返っても次第に姿は見えなくなっていた。その後しばらくして再び現れた長い坂道を上り切り、倉谷の大わらじを通過。ここから海に至る区間が無駄に長く、かなり心が折れた。坂道を下り、ようやく海に出た。昨年食べたソフトクリ-ムを今年も食べたかったが、時間が勿体ないので敢え無くスル-。海沿いの道が、単調過ぎてこれまた辛い。遥か先が見えている分、走る気力は失せ、ここで多く歩いてしまったことに悔いが残る。確かに昨年もこの辺りからの10㌔が最も苦しんだ区間であった。
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人面岩

ようやく町に入った。歩道は段差があって走り難いので、自ずと車線の白線上を走ることになる。車もそれなりに通るので、あまりフラフラ走りもしてられない。先程までの単調な道とは違い景色は変わりゆくが、頑張って走ったつもりでも、思った程進んでいない状況に心がめげた。道を間違えてやしないかと心配になり、道路沿いに家を構えるご婦人に訊いてみた。『このまま行くと商店街ですか?』。2階で洗濯物を干していたご婦人は僕の言っていることが理解出来ず、旦那さんを呼んでくれた。なんか歩いている人が道を尋ねてるんだけど・・。ご夫婦で外まで出て来てくれ、僕のゼッケンを見て一言。佐渡を歩いて一周しているんですか・・。確かにゼッケンには『佐渡一周エコジャ-ニ-ウルトラ遠足208km』と書いてあり、旦那さんには『遠足』と言う文字が目に留まったのだろう。しかしここは大事なとこなので、それをきっぱり否定しておく。『いや、歩いてるんではなく、徹夜で走ってるんです!』。ご夫婦のビックリした様子が印象に残る。再び睡魔にも襲われ、堪らず車道脇にうずくまり5分睡眠を取ったりと奮闘はその後も続いた。
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町中のス-パ-で待望のガリガリ君

河原田本町に入り、そのまま町中の道路を真っ直ぐ進めば近いようだが、ここは海岸沿いのル-トに出た方が走り易くて断然いい。距離は少し延びてしまうが、何せ町中は歩道は走り難いし、車線は危ないし、とにかくストレスが溜まる。海岸沿いに出れば、トイレはあるし、景色は素晴らしいし、とにかく気分がいい。消費期限の過ぎた(これでもエイド提供物)パサパサおにぎりをボロボロ落として食べながら、何とか海岸沿いを走り切った。ここまで来れば、ゴ-ルは現実味を帯びてくる。24枚あった地図も、いよいよ最後の1枚となった。
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走れるなら断然海岸沿いがベスト
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ここまで来れば後少し

つい先程まで苦しめられていた対岸を横目に、相川火力発電所を順調に通過。坂道を上り切った辺りでヘッドライト点灯。既に残り5㌔を切っており完走は間近だが、時間との闘いが始まっている。地名を頼りに残りの㌔数を伺っているが、同じ地名看板が幾度と現れるのには心底参った。折角新たな集落に入り、ようやく後何㌔かと喜んでいても、その後しばらくして再び同じ地名看板が現れ騙された気分になる。ラスト約2㌔にて下りに差し掛かった頃、僕は一気にペ-スを上げた。今回もまた目標とは程遠い結果に終わった。当初目標『32時間切り』として挑んだが、それが『せめて34時間くらいで』に変わり、それも叶わず『最低36時間くらいは切っておきたい』に順次下方修正。しかしそれも叶わず、『最悪36時間台くらいは是が非でも』と半ば自棄になっていた。どこにそんな力が残っていたのか、最後の2㌔で先行者2人を抜かし、何とか根性で36時間台だけはクリアした。
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相川火力発電所  ※陽よ暮れないで

昨年は3人でゴ-ルしたが、今年は1人でのゴ-ル(18:54)。ゴ-ルを意識してからのホテルめおとが遠かった。階段を駆け足で上り、拍手に迎えられてロビ-にてゴ-ルチェック。完走証用に写真を撮ってもらう。早速同階の部屋へと移るが、5人中既に2人がゴ-ルしていた。階下の浴場へと向い、ここで昨年の反省を活かす。昨年はここで湯舟に浸かったが為、その後1週間生死を彷徨うことになった。今回はシャワ-だけで軽く済ませ、その上、入浴前後には水分を十分に摂っておいた。甲斐あって入浴後に脱力感はなく、立ちくらみも起きなかった。ロビ-へと戻り、ゴ-ル後提供のハヤシライスとソ-セ-ジス-プを頂く。例年と同じメニュ-だが、これが凄く美味しい。ビ-ルも1缶貰え、外で飲みながら、家族にゴ-ルの電話を入れておく。そして部屋に戻ると部屋のランナ-は皆揃っており、20時半に僕らの部屋は消灯となった。
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ゴ-ル後のハヤシライスとス-プは最高!


つづく・・


| 2018 | 22:35 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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第13回佐渡島一周エコ・ジャ-ニ-208km(3)~大会2日目、夜が明けて


・・前回の続き


仮眠所での大休憩。本来ここも軽い休憩で済ませられればいいのだが、僕の脚は既に一杯一杯で到底それは叶わない。湯舟に浸かり、しばし脚の筋肉をほぐす。しかしこの『湯舟に浸かる』という行為は『脚を冷やすアイシング』の逆のことをしているようで、本当に脚の為になっているのか未だ定かではない。それにレ-ス途中での入浴はその後の走る気力を一気に失ってしまわないかと昨年は心配していたが、昨年の経験では実際に脚は多少はリセットされ、その後の走りにはいい影響を与えてくれた。入浴後休憩所にて夕食弁当やビ-ルを頂き、朝食用にパックおにぎり2つとペットボトル2本を受け取り、ようやく仮眠所を発つ。1時間の休憩予定が結局16分超えてしまったことは、来年への反省点。
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20:16仮眠所を発つ  ※1時間で出るつもりが、16分オ-バ-

ここから始まる、初めての徹夜ラン。昨年は結局一睡も出来なかったが、仮眠所の布団で数時間足を伸ばして横になり、目を閉じていただけで体力は大方回復し、その後睡魔は一度も襲ってこなかった。そして今回、果たして僕の脚はこの先も動くのだろうか・・、本当に睡魔は襲ってこないのだろうか・・、心配事は尽きない。ラジオを流しながら、暗闇の中一人で突き進む。前後にランナ-は全くおらず、完全に夜の単独走。ただ昨年の夜間走に嫌な思い出はないし、動いている限り僕には睡魔は無縁だと思っていた。新たな集落に入る度に何箇所かバス停留所(扉付きの小屋)はあったが、仮眠所を出てまだ時間もそれ程経っておらず、出来るだけ距離を延ばそうとスル-して進んだ。しかし走っているうちは問題ないが、長い坂道(上り)などで歩いていると、徐々に睡魔が襲ってきた。無理すればそのまま行ける気もしたが、ここは早め早めの対策を心掛け、次のバス小屋を探す。しかし肝心な時には中々現れず、たまに見つけても中を覘くと既に先客が横たわっていた。外気を浴びては寒くて眠れそうになかったが、そのうち我慢出来なくなり、東屋のベンチで横になり30分の仮眠を取る。上には防寒着兼として持参した山カッパを着込んで対処したが、下は持参していないので短パン姿のまま。結果寒くて全く眠れなかった上に、一気に体が芯から冷えてしまった。
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地区名表示で現在地を確認
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夜間の単独走
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眠くなり堪らず東屋で30分横になるも、寒くて一睡も出来ず

しかし長く休んだことで脚だけは少しはリフレッシュし、上りも走れる程に回復した。昨年の同部屋ランナ-を快調に抜き、休んだ遅れを取り戻そうと必死に走る。しかし睡魔は再び坂道上りの歩きでやってきた。仕方なくトンネル内や脇道で体育座りをして、5分睡眠を繰り返す。タイマ-をかけてのこの5分睡眠は中々いい作戦で、目を閉じるだけでも脳は休ませれるし、附随して脚も休ませることが出来る。その為、休憩後は僅かの間だが快走が出来る。しかし今回は結局この5分睡眠を最後まで何度も繰り返したことで、結果として仮眠時間が嵩張ってしまった。先程のベンチでの30分仮眠は全く意味がないものと分かったので、来年からはまとまった仮眠は取らず、5分睡眠で凌ごうと思う。
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次のエイド『多田』の文字が出てきた
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約120㌔地点  ※これは自転車の㌔表示。佐渡エコは-10㌔

そして2:38、ようやく第3エイドの多田海浜公園(127.6㌔)に到着。昨年より2時間46分早いが、あまりいい兆候ではない。仮眠所到着時点で昨年より1時間貯金を作り、仮眠所での仮眠無しで更に3時間昨年と比べて貯金を作った筈でいる。しかし昨年と比べ4時間どころか、3時間も先行していないのは随分遅れてきた証拠だ。2張のテントや芝に敷かれたシ-トでは仮眠するランナ-が多い。このエイドの醍醐味は何よりもカップラ-メンだろうが、既に残り3、4個しかないと言う。欲しかったカレ-味や醤油味はなく、仕方なく刺激が少なそうなシ-フ-ド味をチョイス。しかしそれが激辛版だったようで、汁を飲み切るのが大変だった。こんな場面に限ってスタッフは、『汁まで残さないように・・』と再三訴えている。エイドの度に見かけていた笹包みだが、結局今回も1個も食べなかった。後で知ったがどうやらこの中には甘い団子が入っていたようで、食べなかったことに悔いが残るが、この時の僕にはどう見ても笹寿司にしか見えなかった。
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第3エイド 多田海浜公園(127.6㌔)  ※昨年より2時間46分早いが、随分遅れてきた
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カップ麺は残り僅かだった  ※シ-フ-ドを選ぶも激辛で美味しくなかった
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サンライズ城が浜温泉前の水場
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ここは赤泊  ※『小木』の文字も出てきた

今回のゴ-ル目標は32時間と設定しているが、その前提条件として24時間で170㌔は進みたいと考えていた。それは『さくら道』の第4CP(白川村、172.6㌔)の制限時間が24時間半である為だ。従って小木くらいは当然暗いうちに通過しておき、次の第4最終エイドも出来れば暗いうちに通過しておきたい。それが無理でも朝6時(24時間経過)までに第4最終エイド(159.8㌔)くらいは最低踏んでおかないと僕に未来はない。しかし僕の想定とは裏腹に、無情にも早々と陽は昇ってしまう。やはり僕の今の実力では、24時間で160㌔すら不可能だったことを思い知らされた。初めての24時間走のつもりで挑んだが、結果142㌔と撃沈。この時点で目標の32時間ゴ-ルも消滅した。何で俺はこんな辛いことをしているんだ・・。自暴自棄も膨らみ、今後さくら道を目指すことも、来年以降佐渡を走ることももう止めてしまおうと真剣に思っていた。
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長い夜が明け
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新たな1日が始まった
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5:56で杉野浦(約142㌔)  ※目標としていた24時間で170㌔とは程遠い


つづく・・



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第13回佐渡島一周エコ・ジャ-ニ-208km(2)~大会1日目


・・前回の続き


平成30年9月22日(土)、大会当日の朝。アラ-ムが鳴るのを待つまでもなく、4時前に自然と目が覚めた。スタ-トは6時なので本当は3時には起きたいところだが、5人相部屋なので周りに配慮しての遅めの起床とした。それでも同部屋のランナ-は皆一向に起きる気配がない。しばらく布団の上で音を立てぬようストレッチをした後、朝風呂を浴びに行く。朝食は4時半からの予定だったが、やはり噂通り5時に変更したそうだ。朝風呂を終え4時半に部屋に戻ると、さすがに皆起きていた。支度を済ませ、朝食会場へ。時間が早ければもう少し多めに食べておきたかったが、スタ-トまで1時間を切っているので御飯は大盛り2杯で止めておく。その気になれば3杯でも4杯でも食べれそうな美味しい朝食だった。そして6時少し前に玄関へと移動。既に記念撮影の体制が整っており、僕も遅れて最後列から顔を出す。しかし明らかに僕は映っておらず、今年は全員が映るようにと今度は後ろ半分が前にずれ、再度撮影された。しかしいつも思うが、この写真どこで見れるのだろう。
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朝食(5時~)  ※御飯と味噌汁はお代わり自由
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スタ-トは6時  ※小雨がぱらついている

スタ-トへのカウントダウンが始まり、ここに長い旅が始まった。今から1日半徹夜で走り続け、再びここに戻って来なければならない。そう思うと無性に気が重い。スタ-ト直後、後方から合間を縫って一気に先頭につけた。僕の実力からしてそんなつもりは当然なかったが、通常の100㌔の大会のように㌔6分の感覚で走り始めたら自ずと先頭グル-プにいた。しかしこんなことは滅多にないことなので、そのまま3㌔程は先頭グル-プを走り、少しだけ夢心地を味わせてもらう。しかしどう考えても自分には似合わない立ち位置に居ることが心配になり、意識して若干ペ-スを落とす。街道を逸れる要所にはスタッフが立っており、前後にランナ-がいることからも、この辺りで迷うことはない。順調に尖閣(せんかく)湾を通過。佐渡屈指の景勝地と言われるが、それ程感動はない。尖閣湾揚島遊園(7:31)にて、冷の甘酒を頂く。一気に飲み干し、トイレを済ませ直ぐに出発。延長2㌔弱の長いトンネルを通過。その先でようやく亀の看板が現れた。いずれの亀も30㌔先と遠いが、一先ずそこが目指すべき場所となる。
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序盤数㌔何故かトップを併走  ※せいぜい㌔6分を切るくらいなのに・・
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出たな亀

そして9:18、第1エイドの千本公民館(29.8km)に到着。昨年より11分早い。シュ-ズを脱ぎ、中で弁当を頂く。冷やしうどんはカップに附属の汁を入れ、水で薄めて食すものだった。腹を満たし、9:33エイドを発つ。30㌔にして初エイドということもあるが、靴を脱ぐとどうも休憩時間が延びてしまう。その為タイムを狙う上位ランナ-は中に入らず、外の補食だけで済ます人もいる。長閑な秋の田園風景を眺めながら、疲れ始めてきた脚を無理に動かす。普段の練習であまり長距離は走っていないので、やはり40㌔前後から疲れが出始めてくるのが悲しい。いつからか春日井(愛知)の金髪女性ランナ-と長らく行動を共にした。本州縦断フットレ-ス(女性初完走)など大変興味深い話を聞いていたら、いつしか辛さは吹っ飛んでいた。その女性も心待ちにしていたZ坂前のオアシスに着き、商店で一緒に同じアイスを購入。ガリガリ君は既に売り切れたようで残念だった。Z坂は躊躇わず歩き、ここも他愛もない話をしていたら知らぬ間に上り切っていた。高台に建つ恐怖の橋を渡り、その後しばらく過ぎ、再び坂を上り切ったところが休憩の出来る大野亀ロッジ。昨年同様自販機でコ-ラを買い、喉に刺激を与えておいた。  
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第1エイド 千本公民館(29.8km)  ※昼弁当(冷やしうどん、おかずセット)、一口おにぎり
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外にも色々置いてあるが、エイドは30㌔間隔なのでしっかり中で食べておきたい
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佐渡でのガ-ドレ-ルの使い方  ※本土だったら確実に通報されてしまう
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Z坂前のオアシス  ※ガリガリ君が無くて残念。イチジクが美味しかった
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大野亀ロッジ

この先一度街道を逸れ、二ツ亀自然歩道へと入る。二ツ亀の景観を楽しむ為の、主催者側の粋な計らいだ。足場の悪い賽の河原を越え、強風に耐えながら前後に誰もいない走路を進んでゆく。昨年、間違えて右に階段を上っていくランナ-が続出していたが、ここは特に印象に残っているので僕は間違いようがない。やがて鷲崎地区にて、『両津港28.8km』の看板が出てきた。次に目指すは、両津の町。『両津』の文字を見るたびに、こち亀の両津勘吉を思い出すのは決して僕だけではないだろう。それにしても秋本治原作の漫画『こちら葛飾区亀有公園前派出所』についてだが、『両津』と『亀』というワ-ドから察しても佐渡と関係しているのだろうか(調べてみると、やはり関係していた)。
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賽の河原

そして13:44、第2エイドの鷲崎ふれあいセンタ-(58.1㌔)に到着。昨年より47分早い。昨年はここまでの区間が一番辛く、既に歩いていた記憶がある。しかし今年は併走した女性のお蔭で、随分と楽に来れた。このエイドへの導きは、特に気を付けなければならない。先程まで要所に立っていたスタッフは、この肝心な場所には立っていない。昨日の説明会での忠告通り、真面目に右側を走行していたものなら、かなり痛い目に遭うことになる。左折の矢印看板は車線左の歩道に付けてあり、右側通行では気付きようがない。その為素通りする人が現れ、良くて次の合流地点、最悪かなり先まで行った後、わざわざ引き返す人も実際にいた。初めて参加するランナ-は、ここと小木が最も注意すべき場所だろう。中に入り、弁当を頂く。このメニュ-には既にうんざりしており、体の為にと半ば強制的に食べている。そして14:02、エイドを発つ。
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第2エイド 鷲崎ふれあいセンタ-(58.1㌔)  ※エイドへの左折箇所は要注意
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このメニュ-は既にうんざり  ※来年以降見直してほしいな
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両津が見えたぞ

既に両津らしきは見えている。目の前に見える半島のどこかが間違いなく両津だろう。両津の町中も若干分かり難い箇所があるので、本来であれば明るいうちに仮眠所に辿り着きたいところだ。しかし100㌔12時間台のペ-スで進まないと、おそらくそれは無理な話だ。何とか頑張って走り続け、昨年よりは進んだ位置にて日没を迎えた。前後にランナ-はほとんどおらず、地図を頼りにコ-スアウトを避けて進む。疲れた脚でのコ-スミスだけは絶対に犯したくない。夜の商店街を通過し、矢印看板で真中の細い道へと進む。要所に付いている小さな矢印看板は、実は夜の方が点滅ライトが付いている分、見つけ易い。そして19時、仮眠所となる住吉温泉寿月館(93.3km)に到着。ここまで13時間丁度となり、昨年より48分早い。100㌔レ-スで言えば14時間は切ったことになるが、これでも本当は遅い。これがもし『さくら道』であれば、ここに後1時間早く到達しておかなければ、第2CPの白鳥で早々と捕まってしまう。先ずは風呂に入り、その後夕食とビ-ルを頂く。この時間帯のランナ-は誰しも仮眠は申し込んでいないようで、長くても1時間の休憩で徹夜ランへと向かっていった。
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明るいうちに両津は無理のようだ  ※100㌔12時間台のペ-スでないと厳しい
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仮眠所 住吉温泉寿月館(93.3km)  ※ここまで13時間丁度
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夕食弁当、豚汁、ビ-ル  ※この時間帯のランナ-はほぼ仮眠せずに早発ちした


つづく・・

| 2018 | 12:20 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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