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春の野草に魅せられて

最近休日ランの主たる目的が、やや変わりつつある。この時期限定ではあるが、距離稼ぎ以上に、山菜(食べれる野草)採りが楽しくて仕方ない。その為、わざわざ空のランザックをあえて背負ってスタ-トしたり、最近では沢山持ち帰れるようにと、大き目のトレランザックを背負って走っている。快晴の3月31、トレランザックを背負い35㌔走(恵比寿峠周回)に出かけた。しかし出だしから覚えたてのノビルが目に入り、立ち止まっては無駄に時間ばかりが過ぎていく。飛騨の期待を一身に背負う大阪桐蔭の根尾君(母曰く、遠い親戚らしい)の好投を携帯ラジオで聞きながら、脚以上に、耳や目(野草探し)、手(収穫)ばかりが忙しい。手の指は既に爪の中まで真っ黒で、ランニングの井出達と行動は明らかに一致していない。終いには予定していたコ-スをショ-トカットする羽目になり、千光寺周回の25㌔コ-スになってしまった。今日は野辺山Tシャツを着て走っていたが、その緑シャツに反応してきたランナ-がいた。千光寺手前で声を掛けてきた3人組のその一人は、飛騨高山ウルトラマラソンの生みの親的存在。毎年大会前日にコ-ス説明をする、有名な丸山さんだ。
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この日のランは野草採りがメイン

ノビル(野蒜)。ユリ科ネギ属の多年草で、全国の野原、土手等に自生している。地下に球根(鱗茎)を持ち、地上に細い葉を伸ばす。葉の見た目はニラやアサツキに近く、鱗茎部分はラッキョウ若しくは小さな玉ネギといったところだろうか。鱗茎は土中深くに入り込んでおり、素手で根ごと引き抜くにはかなりのコツが必要となる。昔はニンニク、ニラ、ネギ、ラッキョウと共に、五葷(ごくん)に数えられていたそうだ。
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天然のニラ ノビル(野蒜)

フキノトウ(蕗の薹)。キク科フキ属の多年草で、全国の山野に自生している。春を告げる雪解けの3月、道端でフキノトウを見つけると春の到来を感じ、妙に食べたくなってくるのはきっと僕だけではないだろう。誰もが知っている食べれる野草の代表格だが、癖のある強い苦味があるが故、そうガツガツは食べれない。天婦羅やフキ味噌が僕は好きだ。大きいものや開いたものは苦いので、まだ蕾が開いていない小ぶりのものが丁度良い。フキノトウはやがて成長し、蕗としても料理に重宝される。
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春を告げる フキノトウ(蕗の薹)  ※既に時期は過ぎている

ノカンゾウ(野萓草)。ユリ科ワスレグサ属の多年草で、全国の土手等に自生している。今年覚えたばかりの野草ではあるが、以来僕はこの野草にはまっている。収穫は若芽の小さいものが望ましいが、夏に咲く可憐な花も揚げ物や煮物、酢の物等にして食べることが出来るそうだ。花としての鑑賞用も兼ね、早速庭に幾つか植えておいた。覚えたての頃はノカンゾウが採れるポイントを発見しては一人喜んでいた。しかし今になって気付いたが、結局ノカンゾウはどこにでも大量にある。里道を走っていて、見かける雑草の大半がノカンゾウと言っても過言ではなく、逆にノカンゾウを目にしない方が難しい。そんなただの雑草なのに、これが料理にはかなり重宝する。和え物も美味しいが、天婦羅にすると間違いなしに美味い。野原の『ノカンゾウ』、山中の『リョウブ』。最低この二つを覚えておけば、例えお金が無くなっても食生活には困らない。
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万能食材 ノカンゾウ(野萓草)

ノコンギク(野紺菊)。キク科シオン属の多年草で、全国の低地から高原まで草原に広く見られる。野菊の1つで、ヨメナに非常に似ているとのこと。野草探しがメインのランなので、ポケットガイドの携行は必至。そんな折、何か新たな発見はないかと探していて見つけたのが、このノコンギク。花の咲く時期になるまで確信は持てないが、葉の表裏の特徴からしてもおそらく間違いはないはずだ。先日、実際に食べてみた。写真を撮っていなかったので、ほとんど印象には残っていないが、普通に美味しかった気はする。
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ノコンギク(野紺菊)

白熱した春の高校野球も終わり、飛騨出身の根尾君は史上初の2年連続春優勝投手になった。高校野球自体あまり興味がなかったが(子供の頃、池田高校のやまびこ打線は好きだった)、それをラジオで聞くなんてことは今回で2度目のことだった。根尾君のお兄さんも凄かった。小さな田舎町の進学校(当然県立)が県大会の決勝まで進むなんてことは、出来過ぎたドラマでもなければ、通常は到底考えられない。あの時は現場で測量をしながら、ラジオで決勝戦の実況を聞いていた。そして4月7日、胸元に差し込んだ携帯ラジオからは、高校野球に代って楽しい漫談が流れていた。ノカンゾウは大きくなると探さずして目に入り、その数に思わず圧倒された。これが美味しく食べれる野草だなんて、知らないと絶対に損だ。僕は料理をしないので直接は経験していないが、母曰く、下処理に手間取るノビルなんかに比べ、実に扱いやすいそうだ。
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この時期ノカンゾウはどこにでもある  ※知らないと雑草にしか見えない
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ノビルも有り出すと止まらない  ※斜面一面がノビル

そしてその夜、実家にて野草料理を頂く。ノカンゾウは酢味噌(ぬた)が一番だと思い込んでいたが、それよりもマヨネ-ズとの相性の方が合うことを知った。癖はないし、歯触りもいいので、どれだけでも美味しく食べ続けることが出来る。揚げたての天婦羅は特に最高で、これさえあれば酒はぐいぐいと進む。ノビルはやはりネギ系なので若干臭みがあるが、そこそこ美味しく頂けた。葉は細かく刻んで餃子に入れたり、ネギやニラの代用として様々な料理に使えそうだ。球根はラッキョウ漬けにしたり、まだ未知なる部分が多い。いつも実感しているが、これら天然の素材を腹一杯食べた翌朝は、お通じがいつもに増していいように感じている。
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ノカンゾウの和え物  ※マヨネ-ズ、ケチャップ
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ノカンゾウの天婦羅  ※最高に美味い
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ノビルの和え物  ※マヨネ-ズ、醤油
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ホタルイカ、ノビル鱗茎のフライ  ※ホタルイカのフライは超最高!
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フキ味噌の冷奴

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