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飛騨の榊、ショウゴエ

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神事に欠かせない、ショウゴエ

雪の多い飛騨地方では常緑樹の『ソヨゴ』を『榊(さかき)』の代わりに利用しており、ショウゴエ、ショウゴイ(正五位)、ショウギとも呼ばれている。木と神を足した文字が『榊』、すなわち神事に使う木を意味する。飛騨地方の冬は寒過ぎる為、この榊が自生しない。その為、榊に似ているショウゴエに頼わざるを得なくなったのだろう。ソヨゴはさやさやと音をたてて、葉がそよぐ様子からそう命名された。別名を『フクラシバ』とも言い、これは葉を火で炙ると葉肉内の水分が沸騰・気化して葉が膨れることが由来となるそうだ。その際に出るパチパチとした響きからも、その様子が神様を送る拍手に似ているとも言われている。飛騨での神事に欠かせない、このショウゴエ。今年は地区の役員(班長)になったこともあり、春祭り用に早速ショウゴエの手配を神社総代長より任された。

『ショウゴエ』と言う名前は初耳だったが、これまでは野生の榊だと思い込み、毎年春の山菜採りの際についでに採っていた。その為自生している場所は知っており、幾つか候補がある中で、近くて雪の少なさそうな山に狙いを定めた。そして快晴の3/7、仕事の合間にいざ入山。春祭りは3/18だったが、週末の都合や雨の心配もあり、失敗は許されないことから早めに採っておいた。まだ雪の残る中ツボ足で山に入ると、雪と枯れ木しか存在しない白黒の世界に、ショウゴエだけが原色を放し際だって見えた。この時期に葉を付けているのはショウゴエくらいで、入山して直ぐに探さずして向こうから目に入ってきてくれた。これが別名『冬青』とも呼ばれる所以でもある。秋の本祭りの際はかなりの量が必要となるが、今回はこれくらいで足りるだろう。ショウゴエを肩に担ぎ、再びツボ足で車へと戻った。ちなみにソヨゴなら庭にも植えてあるが、ショウゴエと同一だとは夢にも思わなかった。

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祭り当日まで水に入れて保管

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| ショウゴエ(飛騨の榊) | 08:30 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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