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大志、焼岳に登る(2)


・・前回の続き


焼岳の山頂でママにショ-トメ-ルを入れておく。しかしそこは、のんびりママ。返信が来たのは下山後しばらくしてからのことであった。ドコモに戻してから山での電波の入りがすごくいい。ソフトバンクに切り替えていた時はほとんど繫がらなかった。賑わう焼岳の山頂部、さすがにこの山は大人気だ。あいにく今日の眺望は恵まれていないが、眺望以上に大志が登頂出来たことの方が圧倒的に嬉しいから全く気にならない。山頂ライフも程々に、そろそろ下山にかかるとする。
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火口湖と南峰
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混み合う北峰山頂部
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付添いのナナの存在が大きかった
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上高地

下りは登り以上に慎重に足を進め、ゆっくり岩場を下り、直下は手を繋いで回り込み、無事南峰鞍部まで戻って来た。これでいよいよ焼の稜線とはお別れとなる。体の小さな幼子にとって(園児としてはデカい方)、急なハシゴや岩の下りは尻をつけないと越えられない難所となる。その都度しゃがみ込むので一向にペ-スは上がらないが、何より優先すべきは安全登山。まだ午前中ということもあり、未だに登って来る登山者は多かった。無事森林限界まで下り、広場まで戻ってきたところで小休止とする。朝方この広場で出会って以来、何度か前後している団体客と又同じくこの場所で時間を共にした。その坊ちゃん何年生ですか?と訊かれ、その後話が弾む。その団体さんは遥々福島県から来たという一行で、明日は畳平から乗鞍岳に登るそうだ。僕には子供が7人いると言ったら、『私には子供がいないから是非その子を下さいな・・』という話になる。当然冗談交じりの話だが、内心本気だったのかもしれない。そのオジサンは金持ちらしく、毎日マグロを食べさせてくれると言っていた。確かに我が家では毎日モヤシばかりだから、オジサンの家の方が断然いい暮らしが出来るだろう。オジサンの子になるよう、その後ずっと大志に勧めていたが、つつましくとも今の暮らしの方がいいようだ。
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慎重に岩場を下る
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噴煙と青空
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ちびっ子にはハシゴも難所
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まるで恐竜の足

広場前から大志に疲れは出ていたが、休憩を挟み広場以降、泣きが入るようになってきた。無駄口を話す余裕のあった年中時のナナとは違い、大志には全く余裕がないようだ。恥ずかしいので人前で絶対声を出して泣かない穂乃花やナナとは正反対で、大志は周りのことは全く気にしていない。声を出して泣くその様は、大御所の嶺花には到底及ばないが近いものを感じてしまう。AB型(嶺花、大志、そして僕も)はこうなんだろうか。やんわり泣き叫ぶ大志には、既にガム作戦も効果がない。その泣きの要因はどうやら脚の疲れだけではないらしかった。てっきり丁度だと思っていた靴のサイズは小さいらしく、下りではつま先が靴に当り、そこが痛むのだと言う。若干僕の責任もあったが、痛かろうが何とか我慢して歩いてもらうしかない。そして、無事下山。ナナは僕らより一足早く駐車場へと下りていた。大志のすすり泣く声がずっと駐車場まで届いていたようで、ナナと一緒にいたタクシ-の運転手が大志を哀れに思ったのか、帰り際ポストカ-ドをプレゼントしてくれた。
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既に大泣き
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声を出して泣く辺りが嶺花に近い
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真新しい看板
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よく頑張ったな!
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駐車場


新中の湯登山口 5:52
広場 7:28、7:42
2300m大岩 8:32、8:44
稜線 9:03、9:09
焼岳北峰 9:15、9:58
広場 11:07、11:22
新中の湯登山口 12:58


平成29年7月22日 天候曇り 大志(年中)、ナナ(小4)、僕
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| '17山行記録 | 08:30 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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大志、焼岳に登る(1)

我が家の第6子大志も保育園年中となり、いよいよ飛騨山脈(北ア)にデビュ-する時がやって来た。姉のナナも大志と同じ年中の時、同じく新中の湯登山口から登っている。しかしそこは次男坊として生まれた男の大志。僕的には是非ともここは年少で登ってほしかったが、泣き虫大志にはまだ無理だろうと昨年は敢え無く見送っていた。そして今回、新調したばかりの僕のトレランシュ-ズの足慣らしを兼ね、やる気満々の大志と助っ人に健脚の姉ナナを引き連れ、前夜平湯へと向かった。
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安房トンネル手前の駐車場にて車中泊

・・そして翌朝、安房峠を経て、新中の湯登山口へと移動。駐車場は既に満杯で、路肩にまでびっしりと車が停まっていた。準備運動を済ませ、予定していた6時前には登山開始。この長野県側のル-トからはナナは年中、嶺花は年長で登っており、その時のタイムを参考にしている。山頂までの標準コ-スタイムは3時間のところ、二人とも3時間半から4時間で登っている。真新しい看板を通り越し、やがて登山路へと入っていく。歩き始めて約30分で一つ目のベンチが現れた。ここで少し休み、そこから約30分で又もやベンチが現れた。丸太を置いただけの簡易なものだが、距離的にも丁度よい位置にある。燕岳の合戦尾根でも意識しているのだろうか。意外と頑張っている大志。『意外』というのは大志に失礼ではあるが、根性のある姉の穂乃花やナナとは対照的に、大志は嶺花に近い部類に入る。ガムや飴でつりながら、中間地点の広場までは意外と順調に来れた。
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新中の湯登山口
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大志北アに初挑戦
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二つ目のベンチ
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広場  ※眺望が一気に広がる

ここまで来れば、焼岳はもう登ったも同然だ。視界は一気に広がり、目の前に稜線が聳えて見えてくる。その稜線もそれ程遠くは感じていないし、何より目的が自分の目に見えている分、ただ黙々と森の中を歩くのとは断然やる気が違ってくる。朝食に特大おにぎりを頬張る。1合は軽くあるびっくりサイズは、2度や3度の休憩でも食べ切れない程の大きさだ。休憩を終え、稜線を目指す。ハシゴが出だし、子供にとってはアスレチック気分のようで楽しく進んでいけた。可憐な高山植物も随所に見られ、行き交う登山者らと前後しながら、稜線との距離を詰めていく。
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特大おにぎり
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ハシゴや岩場が出始め、子供にとって遊び感覚
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アカモノ
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稜線が見えていると心強い
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イワカガミ

見覚えのある2300m大岩にて、しばし休憩とする。以前ここで撮った写真のナナの表情がとても可愛らしく、焼岳の思い出として強烈に僕の脳裏に刻まれている。この岩のペンキも残っていて良かった(書き直しているのだろうが)。先程広場で擦れ違った団体客の後を追うように、迫り来る稜線に向け最後の力を振り絞る。大志は実にいい表情をしており、闘志すら感じる男の面を見せてくれた。そして、ついに稜線へと這い上がる。以前は火口湖へも南峰へも行けたが、このご時世で向かう人はいないだろう。
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2300m大岩
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もう少しで稜線
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気合い充分
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ついに稜線に到着  ※背後は焼岳南峰
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北峰直下を慎重に回り込む

岐阜県側の中尾登山口からのル-トとは北峰直下の稜線で合流する。ここから噴煙を左に、岩場を伝い歩く。そして最後に急峻な岩稜を越えたら、その先が焼岳の山頂となる。山頂はそこそこ広いが、際は崖っぷちになっており、落ちたら大怪我では済まない。山頂では決して子供から目を離してはいけない。ナナが年中時に登った焼岳の登頂写真が、我が家のダイニングの壁にもう何年も掛けられている。大志の目にもそれは当然の如く焼き付いており、その時のナナと同じように両手を広げ、嬉しそうな表情をカメラに向けてくれた。それはこの上ない程のいい笑顔で、幼いなりにもきっと達成感に浸っているのだろう。
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いざ山頂へ
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轟々と唸り、硫黄臭漂う
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この岩の先が
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ゴ~ル!
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焼岳(北峰2444m)


つづく・・



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| '17山行記録 | 18:20 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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飛騨の霊山、位山

位山(くらいやま)。東の船山(ふなやま)、西の川上岳(かおれだけ)とともに飛騨三名山を成し、これらは位山三山とも言われている。位山は古来より霊山として崇めら、天孫降臨の地だとする説もある。位山は日本二百名山、川上岳は日本三百名山に挙げられ、里山ながらも人気が高い。しかし飛騨人にとっての位山と言えば、誰もが真っ先に思い出すのがモンデウススキ-場だろう。子供の小学校のスキ-教室でも度々使用され、我が家でも子供が保育園年中の時、大概ここで滑れるように練習している。この山には僕も何度か登っているが、2年前の周回が特に思い出深いかな。
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位山  ※画像クリックで拡大

今日は久々の家族登山。今日の登山の目的は、妻の運動不足解消と僕の膝のリハビリ。それと、今年焼岳に挑戦する大志の足慣らしと言ったところだろうか。大きな看板のある登山口から、ゲレンデの右端に設けられた登山道を進んでいく。山野草を観察し、ワラビを収穫しながら、ゲレンデの頂上を目指す。部活を休んだ(休ませた)嶺花が一人離れて先行し、足取りが重い大志、一花を背負った妻、最後尾の僕と隊列を成し歩く。我が家の末子(第7子)である一花にとって、今回が初めての山。負われているとは言え、記念すべき初山頂となるだろう。颯爽とトレイルランナ-が駆け寄ってきた。この山では昨年からトレラン大会が行われるようになっているが、別にその練習ではないとその方は言う。そして、ようやくゲレンデトップへと辿り着いた。トイレの前で休んでいると、丁度若い女子グル-プがやって来た。格好から察するに、どこかの山ガ-ルというよりも、地元女子のちょっとしたピクニックという印象を受けた。若いのに皆で地元の低山に登るなんて何て偉いんだ、きっと素直な子達なんだろう。本来ここからの眺めは抜群に素晴らしいが、今日は生憎の曇り空。うっすらと御嶽を眺めるのが精一杯だった。
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モンデウス飛騨位山スノ-パ-ク エリア案内図  ※画像クリックで拡大
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位山登山口  ※画像クリックで拡大
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熊出没注意
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ゲレンデ端に設けられた登山道を行く
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御嶽山  ※雲が多く、これが本日唯一の眺望だった

この先、いよいよ本格的に山道に入る。とは言え、登山道はよく整備されており、何ら心配はない。時折現れる大岩には、何かしら名前が付けられていた。六稜鏡岩、御手洗岩、畳岩、門立岩、尻立岩、鏡岩、御魂岩・・。名付けの根拠は不明で、強引なこじつけにも思えてならない。しかし山歩きに飽きてきた頃ふと現れると、多少なりとも元気な気分にはなれる。又、位置を把握する為の、距離標的な役割も少なからずあるのだろうと思う。一花の体重は現在9kgあるらしく、負んぶは毎日の事とはいえ、今日の負担はいつも以上に重くのしかかっている。一花は何よりも、ママの背中が好きなんだろう。どれだけ泣いていても、背中に負われると直ぐにご機嫌になる。
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六稜鏡岩  ※名付けの根拠は不明だが、気晴らしにはいい
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倒木も何のその
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ベンチでオッパイ休憩
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妻の運動には丁度良い

2時間もあれば着くだろうと思っていた、天の岩戸。結局ここまで来るのに2時間半もかかってしまったが、大志の動きが想像以上に鈍かったのが要因だ。大志の泣きは天の岩戸でピ-クを迎え、他の登山者がいて恥ずかしかった。我が家には7人の子がいるが、性格は血液型によって分かれている。まずはA型の長女と穂乃花。おとなしい割には根性があり、特に穂乃花には毎度驚かされていた。どれだけ辛くても決して脚は止めず、しくしく泣きながらどこまでも僕の後ろをついてきた。B型は岳登とナナで、この子らは我が家では別格だ。親と子というよりは、対等の同志(仲間)として登っている。そこで問題なのがAB型の嶺花と大志(ちなみに僕もAB型)。体力は人一倍あるのに、とにかく根性がない。その上、辛いと恥じらいもなく大声で泣きじゃくる。一花は結局何型なのかな・・。妻とそんな話をしながら盛り上がっていた。
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ようやく天の岩戸  ※ここまでが意外と長く、大志はいつしか大泣き

山頂は直ぐそこだが、堪らず天の岩戸でおにぎり休憩とする。少しは腹が満たされたせいか、その後は大志も復活してくれた。泉との分岐には大きな看板が掲げられている。僕らはそのまま直進し、急いで山頂を目指す。ドウダンツツジの群生地を越え、一旦展望広場も右目に通過し、ようやく位山の山頂に到着。巨石群登山道からの登山者も含め、山頂で2組と出会う。この位山、低山ながらも結構メジャ-な山なのだと改めて実感。この先天空遊歩道へと進んでいけば川上岳へと続くが、今の大志には明らかにまだ無理だ。展望広場へと戻り、敷物を広げ昼食とする。先程ゲレンデトップで見かけた女子グル-プの姿もあり、これから下山するようだった。
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位山山頂エリヤ案内  ※画像クリックで拡大 
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サラサドウダン群  ※ドウダンツツジが愛らしかった
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位山(標高1529m)
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山頂広場で昼食、そして宴会
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一花(9ヶ月)初山頂

眺望は相変わらずなく、いつ雨が降ってもおかしくない微妙な天候だ。おかし宴会も早々に切り上げ、急いで下りへとかかる。サラサドウダン群を越え、天の岩戸も順調に通過。下りは大志も滅法強いが、それはどの子にも共通している。ふと足下に、ギンリョウソウを見つけた。まるで幽霊のような不気味な面構えは、一度見たら一生忘れられない。確か随分以前に白草山で見たのが初めてだったが、是非とも一度妻に見せてやりたいと常々思っていた。
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いざ下山
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天の岩戸  ※位山は飛騨一宮水無神社のご神体と言われ、ここが奥宮とされる
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ギンリョウソウ(別名:ユウレイタケ)

そしてようやくゲレンデトップまで下りてきた。ここはクワッドリフトの終点。ここまで来れば駐車場は眼下に望め、精神的にも安心感が一気に増す。足元の不安定な砂利道は大変滑り易く、大志は何度も派手に転んでいた。ヘッドスライディングのように両手を上げて頭から仰向けに転び、危うく斜面を転げ落ちそうになる場面もあった。そんな大志を注意していた僕ですら、実際一度転んで尻もちをついた。一花を背負う妻だけは絶対に転ぶ訳にはいかない。しかしここは上手くストックを駆使し、丁寧に下山を終えた。
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ゲレンデ頂上(クワッドリフト終点)
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ここの下りに要注意
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無事下山  ※何とか雨も持ち堪えてくれた



登山口 10:40
ゲレンデトップ 11:30
天の岩戸 13:09
位山 13:31
展望広場 13:34、14:07
ゲレンデトップ 15:34
登山口 16:20


平成29年6月18日 天候曇り 一花(9ヶ月)、大志(年中)、嶺花(中2)、妻、僕

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